ホリエモンロケット・公開燃焼実験
SNSは2月12日、開発を進めている100kgf級液体ロケットエンジンの燃焼実験を、北海道赤平市の植松電気において報道向けに公開した。同社のWEBサイトに動画が掲載されているものもあるが、これまでの燃焼実験は非公開で行われており、報道向けに公開されるのはこれが初めて。今回の実験は、タンクや燃焼室などの各コンポーネントがバラバラの状態で実施されているが、3月にはこれらが機体の中に納められて、ロケットの打ち上げ実験が行われる予定だ。
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フリーランスライター・大塚実の手抜きブログ
SNSは2月12日、開発を進めている100kgf級液体ロケットエンジンの燃焼実験を、北海道赤平市の植松電気において報道向けに公開した。同社のWEBサイトに動画が掲載されているものもあるが、これまでの燃焼実験は非公開で行われており、報道向けに公開されるのはこれが初めて。今回の実験は、タンクや燃焼室などの各コンポーネントがバラバラの状態で実施されているが、3月にはこれらが機体の中に納められて、ロケットの打ち上げ実験が行われる予定だ。
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月31日、はやぶさキュレーション作業に関する定例ブリーフィングを開催した。出席者は向井利典・JAXA技術参与。以下に、いつものように取材メモを貼り付けておく。
ーーーーー
向井
初期分析がいよいよ始まった
すでに報道されているように
1/22からスプリング8
いまはちょうど高エネ研の放射光設備を
使ってやっているところ
ほかの各大学の分析もこれから順次始まる
内容については前回の一覧表を参照
相模原の方はほかの大学の試料の準備
電子顕微鏡の中で操作できるマニピュレータ
マイクロマニピュレータ
が入ってきて機能試験を始めた
今後この試験をするのと
大学の初期分析が始まる
それがいまの状況
ーーーーーーー
質疑応答
Q 読売
機能試験はどのくらい必要なのか
実際に1,500個を取り出して分析に回せるのはいつか
A 向井
まだ始まったばかりで推定は難しいが
2~3カ月はかかるのでは
大学にもっていっても
同じようなものがないと操作できない
10ミクロン近いものもあるが
数ミクロンは光学顕微鏡では扱えない
まずはテフロン上のものを移動できるか試験
本物でなくてサンプルで試験する
Q 日経サイエンス
B室は進んでないのか
A そう
1/20以降
大学への移送作業もあって
B室はもう少し先になる
Q 送り終わったのか
A まだ途中
移送の方法も含めて検討しているところ
Q 2月中には終わる?
A 1stラウンドの50個程度
その移送はまもなく終わる
2月末まではかからない
1stラウンドの試験結果を
LPSC ヒューストンで話してもらうのを優先に
Q 100ミクロン超の一番大きいものは送ったのか?
A まだ
Q 日経
マイクロマニピュレータの特徴は?
A 基本的には静電気をかけて粒子を移動する
それは通常のマニピュレータと同じ
具体的には静電気によって
電子ビームが影響される
バックスキャッタの電子
それが影響される
影響があるのかないのかから調べる
いまのところ顕著な影響はなさそうだと聞いている
Q 光学のマニピュレータとの違いは
A 詳しく知らないが
大きさはそれほど変わらない
操作するメカニズムは違う
環境も違う
電子顕微鏡は真空中で扱う
Q 共同
サンプルは
A 1/22はスプリング8に行って
そのあと筑波の高エネ研に
そこの放射光で
それ以外は
数個ずつだが希ガスの分析用とか
いま試験の準備をしているところ
Q どの大学にいつとかは
A いちいち出すのはどうかと思うので
控えたい
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星になった小惑星探査機はやぶさ (科学ノンフィクション) |
著 | |
学習研究社 |
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「はやぶさ」式思考法 日本を復活させる24の提言 |
川口淳一郎 | |
飛鳥新社 |
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図解ですっきりラクラクわかる はやぶさのしくみ |
京極一樹 | |
アスキー・メディアワークス |
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はやぶさ新八御用旅(一) 東海道五十三次 (講談社文庫) |
平岩 弓枝 | |
講談社 |
忙しいのでまたもや取材メモのみ。
すいませんね。。。
ーーーーーーーーーーーーーー
佐々木ファンクションマネージャ
飛行状況を説明する
ロケットの打ち上げ結果
天候判断で2日延期して22日
打ち上げ自体は非常にスムーズ
15分14秒後に分離
投入高度
計画200km、300km
過去の中でも最も精度が高かった
写真はかなり撮れているので
あとで見て欲しい
ー
TDRSとのリンクも確立
スムーズだった
1時間後に完全に姿勢を固定
1回目の高度調整マヌーバ
計画通り
いま
遠地点320km、近地点313km
ISSを追いかける形で飛行中
打ち上げ後
最初の段階では
240°後ろを飛行していたが
現在は80°くらいまで接近している
1時間に2°接近
ある程度接近したあとに
ISSへの高度調整マヌーバ
明日実施する予定
主系とともに冗長系も点検
機体、地上システムともに正常
ー
主要イベント
27日 15:08にISS後方に到着
20:45にキャプチャ
翌日28日 4時頃 ISSとの結合完了
21:30 ハッチオープン
2/1 暴露パレットを移設
その後いろんな作業
シャトルが来るのでHTVの位置を変えたり
シャトルの10日前後作業があまりできない
来た場合には最大60日の滞在
3/29 再突入
シャトルが4月以降になったときはもっと早く帰ってくる
ー
飛行計画
現在は位相調整
追いかけている状態
この後第1回高度調整
最後に微調整の位相調整
第2回高度調整
高度がISS下方3kmに投入
それからISSに接近すると
通信を確立した上で第3回高度調整
一旦同高度に入れる
後方で停止
通信を行ってHTVをチェック
問題なければGO
一旦降りて最終接近
500m下方から接近
ランデブーセンサーで距離を測りながら徐々に上昇
チェックポイントで停止しながら
最終的な把持が20:45
初号機にスラスタ温度が高くなったが
そのときは300m地点で
いろんなデモを行った
そこで上昇した
今回は250mに位置を上げて
スラスタの負荷を下げる対策を取った
ー
全体のスケジュール
先ほど説明したとおり
ーーーーーーーーーーーーーーーー
質疑応答
Q 日経
打ち上げが延期された2日の分は
何が省略
A 佐々木
ランデブーする軌道パターンは変わっていない
省略したのはいまの位相調整の期間
20日であっても
初期高度調整マヌーバの時間は変わっていない
位相調整の時間を短くしている
どうして短くできたか
高度を変更することによって
1時間に2°
接近速度が速くなって
それで早く追いつけることもできる
もともと初号機と同じ計画だった
今回の場合だと
一度ISSを追い越す計画だった
1週と2/3だったのが
追い越さないで早く接近するようにした
もともとチェック
まだ2号機なので
じっくりやろうと思っていた
延期は5日間まで可能
Q ?
初期高度調整も変わらないのは
A 間の期間を短縮した
Q 朝日
初号機のとき
接近のときにNASAから
慎重にと
今回は打ち上げが2日延期
追い越すのをやめた
NASAから何か話はなかったか
A 事前に5日間までは短くできることは
話してある
5日までは特に異論はない
ー東京
Q NHK
初号機 AI点から500m下方
デモ
今回は500mには入らないのか
A 同じように500m下方に入る
経路自体は同じになる
ただ前回は300mでいろんなデモ
上がったり戻ったりをやったが
今回はそれはない
Q ロボットアームの把持
うまくいかなかったときに
どのくらいウィンドウがあるのか
A 状況にもよるので
何分とかいが
基本的には
把持ポイントにいた場合には数分は
そのままで再トライができる
その後
一旦10mなり30mなりに戻ってから
再度接近することは可能
ただし飛行士の作業時間が長くなると
一旦諦めて離脱することになる
HTVとしてはずっと滞在することは可能だが
飛行士の勤務時間や体力の限界が先に来る
Q 27日には何回トライできるのか
A 飛行士がつかむ作業については
飛行士の体力が続く限りトライできる
しかしHTVに問題があれば
完全に離脱するので
数km離れたときには
その日はもう結合できない
Q トラブル対応のコマンド
中止コマンドを打った場合に再トライはいつになるか
A 今回はすぐ後ろにプログレスが来ている
その調整が必要になる
通常だと2~3日後に可能だが
そのときにちょうどプログレスが来る
Q 東京新聞
GPS相対航法
誤差はどのくらいあるか
A 相対航法だとかなり精度がいい
1mオーダーでは精度が出ている
Q 10mの把持地点での誤差は
どのくらい許容できるのか
A ISSとの約束では
数10cmのボックスに入れればいいことになっているが
センサーの性能ではcmオーダーで入れられる
Q 荷物の運び出しは2日から?
A 結合が28日
その後土日は飛行士がお休み
2/1に暴露パレットの移設
そちらが優先
荷物の運び出しは2日以降
Q 最初の入室は
中の様子を見るだけか
A 確認だけになると思う
Q 産経
キャプチャから結合まで
順調にいったばあい
くっつくのはいつくらい
A キャプチャ後
そばまで行くのは早いが
カメラによる点検などが入る
機械的に結合されるのは
翌日の午前1時くらいになる
Q そばには30分くらいでいくのか
A そばまでは1時間くらいでいく
その後
結合部に傷があると空気が漏れるので
点検を慎重にやる
Q 初号機のとき
AIから500m直下で止まって
そのご
A 500mではとまらない
500mを通過するイメージ
そこにいると燃料をたくさん食う
300mで停止
Q 初号機は300mだったが
2号機は250mで停止するのか
A そう
上がったり下がったりのデモもない
Q 250mに上げた理由は
スラスタの負荷を下げると
A はい
Q 時事
把持した後 結合まで
4ページの通りの流れか
A その通り
Q 毎日
余った燃料
何かに使うのか
A 往路については
接近に断念して戻る可能性もある
燃料を使う可能性もあるので
余ったからといって何かに使うことはない
ミッションが全部終わって
離脱して再突入
時間的に余裕があれば
何らかの試験を行うことは
可能だが
今回はミッション期間が2倍
運用チームの体力が限界
60日になると余力はないので
離脱したら速やかに落とす
Q 28日早朝にかけて
細かい段取りがある
うまくいっているかどうか
どのくらいで確認できるのか
A 広報
速報を出すタイミング
把持の時間とか
結合の時間とか
ボルトの固定が終わった段階でメールを出す
その後はすべて結合が終わったとき
4時前後くらいに完了の速報を出す
Q 読売
ISSへの接近
HTVは全部自律制御なのか
筑波からのコマンドなんか
A 基本的にはHTVが目標に対し接近
しかし勝手に進むと困るので
許可コマンドを出す
Q そのタイミングが
A その通り
Q 把持から結合までのアーム操作
何人がやるのか
マニュアルでやるのか
それとも自動か
A 操作するのは2人と決まっている
1人が主で1人がサポート
操作はマニュアルで
Q HTVを窓越しに見ながら
四角があうようにはめるのか
A 窓からも見えるが
カメラを見ながら
取り付ける部分にもカメラがついている
実際の位置を確認しながら操作する
マークを見ながらまっすぐに
はめられるか確認しながら確認
結合部分はCBM 丸い部分
ドアが四角
Q 結合部は多少ずれても入るのか
A 多少のズレは吸収するガイドがついていて
スムーズに結合できるようになっている
Q カメラはISS側か
A そう
Q 広報
プレスキットにあるが
実際に操作するのは
NASAコールマンと
ESA
Q 林
打ち上げが遅れたことで
チェックアウトを短く
項目自体は同じなのか
項目を減らしたのか
A チェックアウトの時間を縮めたわけではない
これ以上縮められないということ
チェックアウト自体は全く同じことをやっている
段取りは同じ
当初考えていた予備をなくした
チェックアウト自体は同じ
Q 初号機からの変更点
これから運用側にとって
一番クリティカルな部分はどれか
A 不安はないと言いたいところだが
現段階では全て正常
まだ直接通信はやってないし
GPS相対航行もやってない
最初に通信を確立して
GPS相対航法を開始するところ
それが一番クリティカルなところ
そのあとは
HTVとしては機能は前回と同じ
スラスタの対策はとっているが
負荷の高いマヌーバがある
その中で前回のような温度上昇がないか
Q ニッポン放送
搬入作業
順調にいったとき
正味どのくらいで終わるか
A シャトルなどがなければ
4週間もかからない
3週間強で終わる計画
何もなければ
2月後半には全て終わる
Q 今回初めて水を運ぶ
これまでと違うプロセスはあるか
A ランデブーに比べると
大きな変更はない
搭載場所を広くするために
隙間や通路側にも多く積んでいる
その辺の作業が加わるが
大変な作業ではない
Q 水だからといって特別な作業はないのか
A 水のパックを降ろすだけなので
特に違った作業があるわけではない
Q 読売
高度変更で接近速度を早く
高度を少し下げたという理解でいいか
A 通常は期間を短くするのは高度を下げるが
今回は一度追い越す予定だったので
それをやめた
その関係でスピードが遅くなった
2/3を5日間で
結果的に高度は上がっている
Q GPSの相対航法に切り替わる
ISSからの距離は
A 実際にはもっと早くできるが
23kmが通信開始
そこで確立
距離的には少し近い
時間は2時過ぎ
AIに入るまでは
絶対航法でできる
そこで相対航法の精度が悪くても
AIまではきっちり行く
相対航法の精度を確認してから
AIから出発
そこで最終チェック
Q シャトルが予定通り24日上がったとき
いつISSに到着
プログレスの到着はいつか
A いま一番の懸案だが
プログレスが30日にドッキング
HTVとしてはその期間をさけないといけない
次に来るのがATV
2/15打ち上げ
2/23ドッキング
その後シャトル
2/24打ち上げ
2/26ドッキング
Q プログレス もう1機は?
A プログレスはもう離れている
そのあと2/19にもう1機のプログレスが離れる
その代わりにATVがドッキング
3月 ソユーズが離れる
Q NHK
主なポイントのGO/NOGO判断
時刻は
A GO/NOGO ケースバイケースでやっている
確認してお知らせする
Q 東京新聞
スラスタの対策
初号機は何度まで上がったのか
対策としては温度センサーを変えたのと
300mを250mにしたのか
A 280℃まで上がった
300℃までは耐えられる
スラスタとしては問題ないが
センサーの接着温度が問題
それを変更
それと負荷を減らすために
250mにした
Q 異常がなければ何℃
A 当初の想定では200℃前後で止まると思っていた
Q スラスタ自体には変更はない?
A 変更はない
スラスタ自身は300℃でも耐えられる
Q 読売
真下に入ったとき
メインのスラスタは吹き続けているもの?
A AIに入った後は
メインは使わない
全てRCSで行う
メインエンジンを使うのは緊急離脱のときだけ
短く吹く
吹き方は
上昇するときは下向きのスラスタを吹く
その温度が上昇する
低い軌道だと前に進んでしまう
逆噴射を行う
それで接近していく
Q 毎日
HTVの向きが何カ所か変わっているが
これはどういうタイミング
なぜ必要か
A 250mあたりで向きが変わっているが
HTV用の通信アンテナが1つはおしりに付いている
後方から接近するときはおしりをISSに向けて
電波が繋がりやすいようにする
上昇して250mで180°回転
接近したときに緊急離脱する場合
後ろに大きく吹いて前に出るため
そのため前を向いている
Q AIに行く前にも向きを変えているが
それは絶対後方から相対航法に変えるタイミングか
A その通り
第3回マヌーバよりも前で
マヌーバ中は姿勢は変えないが
太陽電池
太陽のあたり具合がよくなるように
向きを回転させながら飛行
現在は180°回転した状態で飛行している
ー筑波
Q NVS
ドッキングポート
最初から上に付けないのはなぜ
A ロボットアームで把持するが
そのまま上に届かない
そのため1回下に付ける必要がある
18日に上に移設
シャトルが来ないとなれば
移設は行わない
ー東京
Q 東京新聞
結合作業 どんどん早まるのか
初号機の場合は
早く結合が終わったような
A HTVの接近
周回の中で
あまり時刻に変動はない
早くなりそうなのは飛行士の作業
訓練で慣れている
早く点検したりアーム操作が早いと
そこが早くなる
キャプチャまでの時刻はそのまま
その後の作業は飛行士の技量による
![]() |
スペースクラフトシリーズ No.03 あかつき イカロス |
クリエーター情報なし | |
青島文化教材社 |
![]() |
1/72 スペースクラフトシリーズ No.03 HTV-R (ISS物資回収機) |
クリエーター情報なし | |
青島文化教材社 |
![]() |
宇宙を開く 産業を拓く 日本の宇宙産業 Vol.1 (日本の宇宙産業 vol. 1) |
宇宙航空研究開発機構(JAXA) | |
日経BP出版センター |
中村H-IIBプロマネ
打ち上げシーケンス
予測値と若干の差異はあるがほぼ予定通り
無事にHTVを分離
打ち上げは成功した
2号機では第2段を制御して落下させる実験
投入精度が良くて
周回してきた軌道
電力等
すべて正常
地上から許可コマンドを送信して
予定通り
1分程度
アイドルモード燃焼
ガス押しのモード
で正常に燃えたことをテレメトリで確認
計画通りに行われたと思っている
いまどこに落ちたか推定しているところ
ー
虎野HTVプロマネ
2軸制御
通信リンク
3軸制御の確立
HTV2の分離はほぼ予定通りにやってもらった
地球センサーにもとづく2軸姿勢
通信リンクの確立
分離後すぐに確立できた
米国のTDRS経由
15時1分
予定よりも相当はやく確立した
3軸は
15時36分
これも予定よりもかなり早い
現在はGPSを使って
自分の位置を把握しながら
高度調整マヌーバの準備
各部位の温度や圧力などを確認している状況
HTV2はすこぶる順調
ーーーーー
質疑応答
Q ?
制御落下
通信途絶の時間
成功したのか
A 中村
正確な時間は
把握できていない
正常だと聞いてからコマンド
燃焼も予定通り
実験としてはうまくいったと思っている
Q NHK
投入精度が良かった
具体的にはずれは
A 中村
ほぼど真ん中
ばらつきがない
高度300km
軌道傾斜角もノミナルど真ん中
Q 朝日
今回の打ち上げの感想
H-IIAとあわせて20回目
95%達成への評価は
A 中村
1号機のときは第1弾の燃焼試験から半年
あまり考える時間もなかったが
2回目 時間があったせいで
今回の方がが緊張した
成功してほっとしている
あかつきの件もあって
ロケット6号機から
ゼロじゃなくてかなりあって
私としてはプレッシャーだった
MHIや関係7社
H-IIA 20期がつの節目
我々に与えられた目標は20機で95%
6号機は失敗したが
ああいうことがないように
メーカーと一緒に
地上設備も含めたロケットシステム
きちっとしてないとできない
日ごろの努力が実った
嬉しく思う
これからも続けたい
Q ?
感想は
精度が良かった
調整が1つ不要に
A 虎野
緊張していた
H-IIBもHTVもノートラブル
私の経験では
飛ぶ前が順調だと飛んでからトラブル
そういうこともなくて良かった
軌道上
確立は早かったのは
投入精度が良かったから
Q ?
NASAからの評価
A 虎野
もともとHTV
NASAに相手にされていなかった
日本にそんな技術はないと
ほかにシャトルもプログレスもATVもある
HTVの力はいらないという話が昔あった
その後シャトルの退役
HTVへの期待が
反転したといっていいほど上昇した
A 中村
MHIとともに失敗しない努力
より信頼性の高いロケットを
Q 東京新聞
H-IIB 2連続成功 完成度は
A 中村
軌道精度もよくて
ロケットのシステムとして
完成度は
飛行後の評価をきちんとしないと何とも言えない
完成度をあげていきたい
Q ISS結合へ向けて意気込み
A 虎野
私は常々チームに言っているのは
自分を信用すること
これまで訓練してきたことを信頼すること
やってきた努力が実を結ぶと信じている
ISSへの会合にむけて
間違いなくやれると
Q 毎日
ISS接近へのプロセス
2日短く接近
投入精度が良かったことは寄与するのか
A 虎野
消費する燃料
予備を持っているが
一番外れたところが前提だったので
ど真ん中に入れてもらったらその分燃料がういた
再突入などで使える燃料の余裕ができた
Q 時間的な余裕ができたと
A 3軸精度の確立まで短時間ですんだ
それと燃料を使わずに済んだ
その2点
今後については
投入精度のおいしいところはいただいた
Q ?
燃焼
A 中村
最大圧力の2%
最後 圧力の傾きが弱いので
読み取りにくい
燃焼の予測に誤差が
その2点がある
これからデータを評価しないと分からないが
このくらいの誤差は許容できる
ー東京
Q 日経
宇宙開発委員会への報告
トラブルが少ない
最終的なトラブル件数は
A 中村
ロケットは説明したときから増えていない
A 虎野
HTVも同じ
射場に入ってから20件程度
ほとんど荷物のトラブル
HTV本体
Q 時事通信
落下は打ち上げからどのくらい
A 中村
8,000秒
2時間とちょっとで着水
Q ニッポン放送
水平展開
A 中村
あかつきは逆止弁が原因
故障の要因
我々のバルブも再評価
Q 大塚
ロケットについて
射場での準備作業で何か不具合は
A 中村
注水する系統
ガスで水を押し出す
漏れがあったりとか
設備のメンテナンス
宇宙センターも力を入れている
天候での延期があったが
ジャストオンタイム
ロケットはいつも新しいが
設備が古い
本番で出ないように日常のメンテナンス
ー筑波
Q 読売
ど真ん中
技術的な理由
偶然なのか
A 中村
2回とも真ん中は偶然だろうが
飛行解析で予測する技術
H-IIAも含めて20回目のフライト
データの積み重ね
うまくフィードバックして
精度良く飛行計画
そういうことの積み重ね
Q NVS
SRB-Aが分離するときにねじれて落ちたように見えた
A 中村
私も画像をみていつもと違うと思ったが
データの解析もできていないので
これからの評価になる
Q NVS
2段目がH-IIAとBで共通
ノウハウがどのくらい活かせるのか
A 中村
飛ばし方はH-IIA/Bで同じ
GTOや極軌道にも飛ばせるよう考慮して設計されている
H-IIAと同じと思ってもらって構わない
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宇宙を開く 産業を拓く 日本の宇宙産業 Vol.1 (日本の宇宙産業 vol. 1) |
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1/72 スペースクラフトシリーズ No.02 HTV (宇宙ステーション補給機) |
クリエーター情報なし | |
青島文化教材社 |
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1/200 スケール H-?B ロケット レジンキットモデル |
クリエーター情報なし | |
YAC |
理事長
打ち上げ結果の報告
予定の時刻に打ち上げた
15分13秒後にHTVを軌道に投入
計画通りの打ち上げ
天候も良かった
ありがとうございました
ー
高木大臣
成功して嬉しく思っている
所定の軌道への投入を確認した
尽力いただいた関係者に
敬意とお礼
初めての立ち会い
大変感動的だった
(リリース読み上げ)
あらためてご尽力に感謝
ー
林大臣政務官
H-IIBは2機連続
14機連続成功k
印象づけた
日本が世界に大きな貢献ができることの
確固たる証に
今後
宇宙への貢献
政治からも応援できれば
ー
池上宇宙開発委員長
すばらしい打ち上げだった
感動した
日本のプレゼンス
28日にドッキング
渋滞しているような状態
4つの輸送機がぶら下がっている状況
その中でどうやって荷物を出すか
心配な点もあるが
ー
山川宇宙戦略事務局長
完璧な打ち上げだった
参加した全員に敬意とお祝い
H-IIA/B 95%の成功率
23年度 H-IIAで初の商業衛星
増えることを願っている
3軸姿勢も確立
ISSとドッキング
成功を祈念している
ー
NASAリン・クライン
JAXAが国際的な約束を果たした
お礼を言いたい
科学実験
嬉しく思う
ーーーーーーーーーーー
質疑応答
Q 読売
有人に向けてどうするか
見通しは
A 高木大臣
独自の有人輸送手段は持っていない
取り組みを通して
これまでに技術は蓄積している
きぼうの完成によって
利用する段階
有人宇宙活動は本格的に展開される時代に入っている
ISSの運用を支える重要な輸送機
文科省としても
帰還技術について
回収機能の研究開発
HTV-Rを必要な予算として5,000万円計上した
今後に必要な技術として
取り組んでいく決意
Q 東京新聞
あかつきの失敗の後
どういう気持ちで臨んだか
宇宙の失敗はなぜか連続する
その中で成功したのは
A 理事長
すぐに水平展開
すべてチェック
特別点検をするために特別チームを編成
過去の失敗を活かすように努力している
いまのところうまくいっている
反映できたかなと考えている
ロシアもインドも失敗して大変なとき
連鎖を繰り返さないように
断ち切れてほっとしている
Q 鹿児島テレビ
成功した感想は
A 理事長
私の約束では
H-IIAだけで20回なので
あと○回やらないといけないと
しかし併せて20機
そういう意味ではほっとした
将来の有人のためにはもっと信頼性を上げないと
これからも努力していく
Q 中日新聞
H-IIBロケットの民間移管の見通しは
MHIの仕事ぶりは
A 理事長
共同開発をしてきた
2号機まで成功したので
これを利用したユーザー獲得ができるかどうか
検討しているのでは
大型なので衛星は限られる
マーケットにどう働きかけるかに
いかに信頼性をアピールできるか
そうでないと保険料も高くなる
MHIの営業に早く判断してもらって
早く商売用に活用してもらえると
我々としても開発した意味がある
Q 日経
打ち上げをみて評価
HTVへの期待は
A クライン
信頼性が高い技術だと感銘を受けている
今後もISSへ補給 頼りにしている
パートナーシップ
様々な補給機が必要
能力がそれぞれ違う
HTVは船内・船外両方が可能
これからも支援を
Q 南日本新聞
信頼性はかなり上がったが
問題は衛星の輸送手段
島全体のインフラが
欧米に比べると改善点がある
今後国としてどう取り組むか
A 高木大臣
今回の成功で国民とともに自信を深めた
明日に繋がる大きな事業
種子島のインフラ整備については
JAXAと連携をとって
改善の方向で取り組みを進めたい
A 理事長
JAXAも依頼を出している
大型衛星が到着する飛行機の整備
基地まで運ぶ道路
整備されると
道が開けると思っている
Q いつからという目星は
A 理事長
いまお願いしているところ
Q NHK
物資の回収
有人を視野に入れた検討
NASAからみて
このような技術を獲得することが可能かどうか
A クライン
可能でしょう
パートナーシップを通じて学んだことは
様々なパートナーの
将来の活動
各国の役割
それぞれの能力が活かされる
ー東京へ
Q 読売
種子島のインフラ整備
国として時期は
A 高木大臣
理事長から話があって
地元の理解を得ながら
できることから手を付けていきたい
Q 日経
多額の運用資金
どう成果をだしていくか
アジアへの国際貢献
外交手段として活用
どういう効果が期待できそうか
A 高木大臣
世界に貢献
宇宙の平和利用 できる限りのことをしたい
少なくとも2016年以降も
ISSに参加することが基本
ニーズに応えられるように
これを1つの新たなスタートにしたい
ー筑波
Q 読売
HTVの具体的な状況は
A 広報
技術的な質問は2部で
ー種子島
Q 朝日
日本の宇宙戦略
顔が見えない
戦略本部では何が課題か
今年何がやりたいか
A 山川
2008年に基本法が制定
2009年に計画が
当時想定していた
2500億円
現在は3400億円
23年度 3100億円
年間5,000億円が理想だが
本当は必要だが
現状は厳しくて3000億円強
重点化
現状と5000億円のケースについて考える
体制の見直しも必要
今年中に一定の方針が得られると思う
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宇宙を開く 産業を拓く 日本の宇宙産業 Vol.1 (日本の宇宙産業 vol. 1) |
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1/72 スペースクラフトシリーズ No.02 HTV (宇宙ステーション補給機) |
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1/200 スケール H-?B ロケット レジンキットモデル |
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YAC |
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月18日、20日に打ち上げる予定のH-IIBロケット2号機/HTV2号機に関して、Y-0ブリーフィングを行った。以下に取材メモ(資料を読み上げている部分は省略している)を添付する。
出席者は、中村H-IIBプロマネ(打ち上げ執行主任)、虎野HTVプロマネ(HTV射場主任)、川上射場技術開発室長(企画管理主任)の3名。
ーーーー
中村
ロケットの状況
(資料説明)
ー
射場整備状況
ー
コンフィギュレーション
ー
スケジュール
順調
明日明後日
最後のカウントダウン
ー
今後の予定
MIG/PIG
エンジンの点火器
アーミング
結線作業
ー
天候
あいにく
曇り一時雨
ー
Y-0スケジュール
予備時間は3時間取っている
ー
カウントダウン
ー
飛行計画
分離まで15分5秒
2段ロケットが1周して種子島に戻ったときに再燃焼
減速させて太平洋に落下させる
初めての実験を行う
ー
制御落下実験
正常であれば地上から燃焼の許可を出すコマンド
2段が53秒間逆噴射
落下する場所は5角形
長辺が4,600km
ー
実験の意義
打ち上げ高度が低い
短期間で落下してくる
このミッション固有の取り組みとして
制御落下実験をしようと計画している
機体が健全で
落下推定点が落下点に入ることが確認できた場合に実施
ロケットの判断ではなく
種子島局の可視域で健全性を確認して
許可コマンドを出す
アイドルモード燃焼
ターボポンプを使わずにガスで推進剤を押す
推力は小さいがこのような燃焼モードで行う
ー
制約条件
ー
特別点検
あかつきの失敗を踏まえて
独立的に点検を行うチームを編成
追加的な点検をした
チーム員
虎野さんとかHTVメンバーも入ってもらった
逆止弁の不具合
チャタリングによる閉塞
FTAをH-IIBの逆止弁にもあててもう1回評価
H-IIBの1段2段
151個の逆止弁を使っている
いずれも
ーー
虎野 HTV
スケジュール
ー
射場状況
ー
運用準備状況
ー
HTV2の概要
HTV係留中にシャトルが来る可能性
最大6日間になるかもしれない
変更点
ー
プログレスも来る
STS-133が来てドッキングして離脱
ややこしいことになる
シャトルが来るとカーゴベイにロボットアームが近づけなくなる
HTVが邪魔になる
HTVを天頂側に移さないとだめになる
リロケーション
シャトルが離脱したら下に戻す
温度の制約が出てくる
解析に時間を要したが
結果的に問題ない
ーーーーーーーーーーー
質疑応答
Q 鹿児島テレビ
天候は問題ないのか
意気込み、心境は
A 川上
気象については制約条件が定められている
A 中村
2回目
いよいよステーションの運用
国際約束をはたす重要なミッション
あかつきの失敗もあるので
我々としては
22年度としては最後の打ち上げだが
23年としては
さい先の良いスタートを切れるようにがんばりたい
A 虎野
さきほど説明を忘れたが
特別点検
HTVでも実施した
推進系のトラブルは徹底してやった
HTVは重量的にシビアじゃなかったので
2重冗長になっている
シリアル・パラレル
1フェールでもミッションは遂行できる
2フェールでも安全
外部の有識者にも見てもらった
HTVのハード・ソフトに改修が必要な部分は見つからなかった
2号機は成功して当たり前、100%と思われているかもしれないが
それがプレッシャーになっている
我々は常に地上からコマンドを打って運転をしている
運転ミスの可能性もある
ミスしないようにするのがなかなかしんどい
こんな長い間係留
緊張が2カ月以上続く
しんどいが元気を出してがんばりたい
Q 氷結層は大丈夫か
A 川上
予報は雨なので雲はある
氷結層が最大の注目すべき点
今日の厚みは結構ある
Q 共同
GO/NOGOの判断は
A 川上
Q 南日本新聞
打ち上げ費用はどのくらいか
A 中村
H-IIAと同じようにいずれ民間に移行
具体的には公表していない
Q 逆止弁
HTVにどのくらいあるのか
A 中村
HTVではシリアルに上流下流 閉じなくなっても大丈夫
それがパラレルになっている 開かなくなっても大丈夫
Q ?
HTVに対する期待度 国際貢献の
有人を見据えた期待度
A 虎野
2号機から運用機になる
今回を含めて少なくとも6機は上がる
大きな荷物の出し入れが可能
期待されている
初号機のあと NASAから賞賛
各国から大きな荷物を運べると期待されている
荷物の量だとATVとほぼ同じ
しかしATVのドアは小さい
将来的
内部ではHTVのことを宇宙船と呼んでいる
HTV-R 将来有人化したい
与圧部を帰還カプセル化して荷物を載せて
Q ?
最大60日
シャトルが来る可能性があるから?
A 虎野
ドッキングしている間に天頂側に移動
その後元に戻す
シャトルが遅れるようならとっとと離脱したい
Q シャトルが遅れたら短くなるのか
A 佐々木
2月中には離脱する方向
Q
A
パラメータの計算に抜けがあった
再計算したら0.数kmの誤差しかない
それで3つ
もう1つは現場の点検を念入りにした
燃焼ガスによって腐った部分が飛散しないように
それで4件
電気がどうのとかいうのはなかった
Q 打ち上げには海外からの視察は来るのか
A 虎野
NASAは来る
A 佐々木
欧州はATVがすぐあるので来れない
NASAからはインクラインが来る
Q ロケット
逆止弁 151個
なんでこんなに多いんだ
A 中村
一番多いのは1段エンジン 46個
それだけで92個
2段の5Bが
Q エンジンに逆止弁が多いのはなぜか
A ガスの圧力で回転させたり
開いたり止めたりする
いろんな系統に流してパージすることも
逆流したら困るエンジンシステムなので
そういうところに入れている
結果的に1段エンジンに46個
Q あかつきと同じなのか
A あかつきのは小さい
ここで言っているのは同じ会社のものということ
酸素タンクの加圧ライン
合計2個使っているが
サイズが全然違って大型
5~6cmもあるもの タイプが違う
日本の特注品
Q それ以外のバルブのメーカーは
A MHI名誘が担当
ー東京
Q 東京新聞
ドラゴン
早ければ年末にも補給を開始する
ハッチの開口部も大きいし暴露も搭載
HTVと比べてどうか
A 虎野
私が評価するのは変だが
良き競争相手
いろんな機材をたくさん持って行かないといけない
大型を運べるのがHTVだけというのが
ISSの存在を危うくしている
絶対ということはあり得ない
そういうときにHTVしかなかったら問題
ドラゴンがあるのは
全人類的にはいいこと
Q 2号機は電池をヘラした
リチウムで良かったか?
A こんなにいらないので
余裕をヘラした
Q 読売
60日
A その通り
Q 大塚
HTVにもあかつきと同メーカーの逆止弁はあったのか
A 虎野
なかった
ー筑波
Q NHK
打ち上げシーケンス
表と違う
A
Q NVS
前回のライブ中継
キーン音はなにか
A 中村
1つ可能性は
射場
水を噴射するタンクのガス
A 虎野
もう1つはガスタービンの音かもしれない
A 中村
窒素ガスの音と現時点でなっているそうだ
Q 読売
ロケットの逆止弁
大丈夫なのはなぜ
A 中村
1段の酸化剤
100%開いて使う設計にしているので
一度開くと中途半端に
振動するような使い方はしていないので
閉塞するようなことはない
Q 1回開いてしまえば開きっぱなしということか
A その通り
Q 赤旗
2段制御落下
デブリをなくす目的か
A 中村
HTVの軌道は高度300kmと低い
打ち上げて普通でも3日で落ちてくる
正常ならデブリになることはない
3日で落下するものなので
安全という観点だと
リスクはゼロではない
管理して無人の南太平洋に落下させれば
死傷率はゼロにできる
より安全にするための取り組み
Q 読売
死傷率 初号機はどのくらいだったのか
A 仮の値はあるが
具体的には公表は控えたい
これまでに上段や衛星
スプートニク以来50年打ち上げてきて
リスクとしては実体的には小さい
14年くらいまえにアメリカの女性に
ロケットエンジンの繊維が当たったくらい
生活上のリスクに比べても非常に小さい
Q その女性はけがは?
A 燃焼室のガラス繊維がひらひらして肩にあたっただけ
けがはなかった
ー筑波
Q NVS
燃料注入後の延期
インターバルは何日
A 中村
1段のタンクは1.7倍だが
H-IIAと同じに中2日
3日後には再打ち上げが可能
ー種子島
捕捉
NASAのほかタイからも視察
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宇宙を開く 産業を拓く 日本の宇宙産業 Vol.1 (日本の宇宙産業 vol. 1) |
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月17日、小惑星探査機「はやぶさ」のキュレーション作業に関する定例ブリーフィングと、初期分析に関する記者説明会を開催した。
まず15時半から行われたのが定例ブリーフィング。出席者は、向井利典・JAXA技術参与と上野宗孝・JAXA/ISASミッション機器系グループ副グループ長。取材メモをそのまま以下に転載する。
ーーーーーここから
向井
正月休みがあったが
前回に引き続いて
A室の自由落下法で得た数百粒
そのなかから電子顕微鏡で観察を
引き続きやっている
現在
50個くらいが岩石質と同定された
ここまできたので
前回予告したように
これらの粒子を選別して初期分析を開始したい
その情報についてはこの後の16時のプレスリリースで
ーーーー
質疑応答
Q 日経
岩石質の総計は
A 向井
1,500個よりは多い
大半は0.01mm以下
50個程度は0.01mmよりも大きい
光学顕微鏡で分かるもの
電子顕微鏡で1,500個程度
光学顕微鏡で50個程度
Q NHK
母数はどのくらいか
A 60個超
ハズレだったのは数個だったと思う
Q 50個の中から初期分析に回す数は
A 大体50個くらいまわすことになると思う
Q 共同
電子顕微鏡の1,500個 ピックアップのメドは
B室の状況は
A B室はストップしている
まずは初期分析の粒子の選定
そのために電子顕微鏡を使っている
他の用途に使えないので
1,500個についてはこれから
ーーーーーーー
続いて16時からは、川口淳一郎プロジェクトマネージャが加わって、初期分析の開始に関する記者説明会が開催された。
プレスリリースはこちら。
はやぶさカプセル内の微粒子の初期分析の開始について
こちらも以下に取材メモを掲載する。録音を聞き直している時間はないので、とりあえずそのまま載せる。間違いも含まれている可能性もあるので注意して欲しい。
ーーーーーーここから
川口
(リリース読み上げ)
プレスリリースは今回で終わり
プレスリリースとしての発信は終わり
昨年の今頃を思うと大きな変化
進展があった
なによりもチームとして嬉しく思う
プロジェクトとして
何よりの成果をこれから迎える
ー
向井
特にないが
添付資料の一覧
代表者の五十音順にしている
初期分析は数ヶ月にわたって行われる
何回か
11月中旬に話した
テフロンのヘラ上の小さい微粒子
0.01mm以下については
扱いはこれから
B室についても分析はこれから
初期分析は
さらに詳細な分析を国際AOでやるための例として
数ヶ月
中身の説明は省略するが
もう1点は
NASAの代表としてマイク、スコット
この2人が分析チームに参加
トレバー(オーストラリア)
ーーーーー
質疑応答
Q 読売
微粒子の数は
大きさは
分配は今日から始まっているのか
いつからか
A 向井
50個程度
一度に分配されるわけではない
サイズは数10ミクロンオーダー
30ミクロンよりは大きいかなと思う
大きいのは100ミクロンを超えるモノもあるが
今回は1個だけ入っている
一覧表にあるのは
数ヶ月間での全体計画について
ここに書いてあるのが全て
今回の50個を使うわけではない
十分な数がないものもある
Q 早いところであればもう渡しているのか
A それはこれから
Q 早ければいつ
A いま決まっているのは
今週末からスプリング8で
X線の照射を始める
Q 日経
はやぶさプロジェクトチームはいつまで存在するのか
今後のリリースは個人の研究者が出すのか
A 川口
相模原にはキュレーション棟 そこに設備
その設備は汎用設備
将来 月とか彗星とか他の天体の試料を受け入れる
キュレーションのために設置した
はやぶさプロジェクトはユーザー
汎用設備ではまかなえない試料のハンドリング
例えばヘラを作ったりとか
プロジェクトとして支援することもある
しかし活動がだんだん一般研究になる
それは当然のこと
企画モノを無期限につづけるわけではない
ある時期から切り替える
国際AOまではプロジェクトが行う任務
それが終わったら一般研究になるのだろう
概念としてはそう
A向井
成果
あくまではやぶさのサンプルの代表的なものについて
カタログ化を行う
これははやぶさプロジェクトの仕事の一環
共同研究員
JAXAの仕事を一部分担する形
まずカタログ化のための分析
初めてのことなのでサイエンスの価値もある
サイエンスの成果
しかるべき科学論文として公表してもらう
従来の研究論文と同じ扱い
あくまでJAXAの成果になるので
しかるべきまとまったところで
みなさんに説明する機会をどこかで持ちたい
論文の時期はこれから
明言はできないが
3月上旬に
ヒューストン近傍で
月惑星会議
ルナー&プラネタリーカンファレンス
LPSCがあって
初期分析
日本では5月末
月惑星連合大会
そこで国際セッションを計画している
個別に報告
なんらかの形でJAXAとしてまとめたいが
決まってない
Q 読売
その発表というのは
研究者が学会でするのか
JAXAが発表するのか
一番最初に発表するのはだれか
A 向井
原則では
サンプルで得られた情報の知的所有権はJAXAが所有するが
分析を担当した研究者には優先する権利
学会での発表は従来と同じ
初期分析については
すべてJAXAの了解を得ることになっている
発表するかどうかは
ケースバイケースで判断
あありJAXAで発表しちゃうと
論文として投稿しても拒否されるので
Q なにか大事なことが分かったらJAXAでも会見?
A 重要な結果は
論文を出すと同時に出すのでは
一般論だが
Q 共同
計画について
必ずしも試料がいかない可能性?
A その通り
Q 今の時点ではどこに行くのか
A 大体は言えるが
分析の関係上
サンプルの移送方法が決まっていないものもある
そこには行かない
1~2月に行かないのは岡山大学
まだ打ち合わせ中だが
数ヶ月の間には確実に行く
最初の第1ラウンドの時には行かないだけ
Q 第1ラウンドの結果次第で行く行かないもあるのか
A あるかもしれないがはっきり言えない
Q 初期分析が終わる時期は
国際AOまでか
A 国際AOは今年の暮れには出したい
そのためにはカタログを公表しないといけない
応募するにはどんなかわからないと
公表するためには初期分析はあるところで区切り
数ヶ月というのはそういうこと
その前にNASAにある程度
全体の10%
全体を把握するのはかなり先だが
それまでにNASAに渡さないわけにはいかないので
約束だと1年なので6月
予定がずれるかもしれないが
Q NASAとオーストラリア
A はやぶさサンプルプレナリーエグザンプルチーム
全て日本で行われることになっている
そこにNASAとオーストラリアの研究者が加わる
サンプルが外国に行くことはない
Q NHK
表の見方
8つの区切りは
A 分析チーム
Q 8つの分析チームに配るということか
A そう
Q 50個の微粒子はA室のものか
初期分析の第1弾で全て使うのか
A その予定
これ以外にもあるが
Q 1,500個については回す予定は
A 全部ではないが
一部を回す予定
電子顕微鏡の中で操作可能なマニピュレータを
いま準備している これから試験
その結果次第だが
我々としては一部を初期分析に回したい
Q 何回か決まっているか
A 決まってない
Q 初期分析の終わり
前回は夏頃までと言っていたが
その理解でいいか
A 宣言をするかどうかは別にして
夏頃には公表できる準備をしておきたい
実際に公表するためにはいろいろ手続きが必要
どうやって
Q 全体の15%を初期分析にまわす方針に変わりはないか
A とくにない
Q 東京新聞
量として十分でないのは
有機物とか希ガスでいいのか
全体の重量 大体グラム
A トータルの重量は量ってない
サイズは平均5~60ミクロン
密度は大体2くらい はかってないが
測れないので
Q 有機物の分析に十分な量はあるのか
A そうは思ってない
十分でないかもしれない
Q スプリング8でX線CTをやってから各機関に配布するのか
それともそれぞれに
A スプリング8にまわさずに行くモノもある
例えば希ガス 全部高温にして希ガス
なくなってしまう
地球大気の汚染を予防しないといけない
これまで純窒素の中
その状態のまま運び出したい
それ以外にもスプリング8に行かないものはある
ものによっては行っては行く
Q 産経
分析の50個程度
イトカワの物質が特定しているのか
A 可能性が高いと考えているが特定してはいない
Q 目的としては判断するためもあるのか
A 1,500個のはたくさんあったので
はやぶさのリモセン結果と合致
それで判断した
今回は同位体分析
数が少なくても判断できるものはある
それが第1の目的
Q 今回の8チームの選択は公募か
A ずいぶん前
MUSES-Cのサンプル分析委員会が当時の宇宙研に作られた
委員長はクシロ先生?
そこでコンペをした
審判がレビューして
2000年と2004年だったかに2回
それから時間がたったので
2008年だったかに
JSPとペアになった形で
キュレーション&アナリシス委員会
C&A
最初に選ばれた人の中には定年になった人もいたので
追加したりした
A 川口
ジョイントサイエンスチーム JST
研究者の集まりがあって
その中にサブチームを作っている
国内委員会向けには
リカバリーキュレーションアナリシス RCA
国際的な科学者の集まりの中で方針を決めている
Q 時事
リストの試験
全部をやるためにどのくらいの微粒子があれば十分か
A たくさんあるほど精度はいいが
有機化合物は量がないと精度がない
簡単に答えにくいが
もともと非常に少ないと思っていたので
15%を夏までに全部できるとは思わないが
全部やらないといけないわけではないので
数については明言はできない
上野
それぞれの分析
数が多い方が精度が上がる
どのくらい初期に回すかは今後の進捗で判断せざるを得ない
Q 朝日
有機化合物の分析に回すのが難しいのは
ほかの分析が優先と言うことか
A 向井
有機化合物があるかどうか
まずはカーボンがあるかどうか
そういうものがある程度の数がないと
初期分析の判断は難しい
しかし電子顕微鏡の分析でカーボンのピークがなくても
そのときの感度が問題
ピークがなくてもカーボンが見つかった例はある
50個のうちの数個をやってもらうことはあるかも
いま候補を選んでいる
フローとしてはX線CTとか
ある程度ピークが出ればいくフローもあるし
なくても行くのが3~4個
相模原の電子顕微鏡で特性X線である程度は分析
過去の例
なくても有機物が検出された例がある
Q 共同
運び方について
どんな入れ物に入れて移動するのか
A 分析によって違う
X線CTのためには小さい針の上に載せる
それをクリーンな容器の中に
石英とか
希ガスの分析には大気に触れられないので
石英管の中に封入する
Q 方法は
飛行機、車
A 答えられない
Q 読売
外国人は8チームのどこに入るのか
A どこかのチームに参加している
それぞれ専門があるので
Q NASAへの提供
初期分析が終わらない段階で提供することもあるのか
A 同じような時期
メドがないと渡せない
Q スプリング8
3次元形状の分析か
A そう
Q NHK
スプリング8
いつからビームライン
A 21日
Q 初期分析は21日からと言っていいか
A 結構
Q ニッポン放送
状態が変わる分析
A 希ガスの分析
どうやってやるか
熱する 熱し方はいろいろあるが数千度に
岩石は全部ガスになる
いろんな成分を全部トラップで取る
最後に希ガスが残る その同位体を取る
Q ほかの状態が変わる分析法はあるか
A 最初の
放射線を当てる
ある程度変位させる
Q 山に例えると何合目か
A 川口
分析の結果を見ないと分からない
プロジェクトは国際AOで終わり
それだとすると
頂点に非常に近いところまで来ている
返ってきてからにすると
5合目? 6合目?
A 向井
目的がいくつかある
イトカワの進化、生成過程
宇宙風化とか
いろんな研究が始まる
A 川口
それからするととてもとても
カプセルを受領してからで言うと
半分くらいだと思う
![]() |
はやぶさ、そうまでして君は~生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話 |
川口 淳一郎 | |
宝島社 |
![]() |
カラー版 小惑星探査機はやぶさ ―「玉手箱」は開かれた (中公新書) |
川口 淳一郎 | |
中央公論新社 |
![]() |
「はやぶさ」からの贈り物―全記録・小惑星イトカワの砂が明かす地球誕生の秘密 |
朝日新聞取材班 | |
朝日新聞出版 |
「JAXA i」閉館の取材に行ってきた。記事はすでにマイコミジャーナルに掲載されている。
【レポート】「JAXA i」が6年の歴史に幕 – ファンに惜しまれながらも仕分けで閉館に
記事中に、閉館時の様子を撮影した動画も載せたが、このロングバージョンをYouTubeにアップした。舘広報部長の挨拶が全部入っているので、見てもらえればと思う。
今回はJAXA i閉館の記事だったので、その前に行われていたトークショーの内容については割愛させてもらったのだが、もったいないのでここで簡単にまとめておきたい……と思うのだが、いまちょっと時間がないので、それは後で追記したい。
とりあえずここでは、トークショーの後に10分だけ時間があった囲み取材でのやりとりについて、抜粋だけ掲載しておきたい。
ーーー
Q 閉館についての感想は?
A 立川
はやぶさとほぼ同じ期間だったので感慨深いものがあるが、我々は国民に理解してもらうのが重要。今後も何らかの格好で、PRの場は設けていきたい。筑波もそうだが、各事業所にこういうのをもっているので、展示をうまく活用して、いかにお金をかけないでやるかと考えていきたい。
A 川口
JAXA iを本当に閉じていいのかなという思いは正直ある。やはり気楽な気持ちでふらりと来て、宇宙開発の最前線に触れられる場所があるのは、何ものにも変えられないと思う。大臣も、これがはやぶさの後に議論があったらまた違っていたのでは、と悔しがっていた。本当にタイミングなんだと思う。それが悔しい。
A 星出
個人的にもJAXA iの方々にお世話になり、東京事務所に来る度に顔を出していた。今日もこれだけ多くのお客さんが立ち見で話を聞いてくれた。非常にアクセスのいい場所にあって、こういう形で宇宙開発の話を聞いてもらえる場は非常に貴重だった。JAXA iが閉鎖されるのは非常に残念だが、今後は筑波宇宙センターや各所の展示をご覧頂きたい。
Q これからの広報の課題は? 理解を得るための戦略は?
A 立川
まず具体的なプロジェクトがそれぞれ成果を出すこと。はやぶさがそのいい例だろう。それぞれが見えるような格好になれば、みなさんの理解も深まる。今回、はやぶさの知名度はかなり高くなったし、それによって宇宙開発もだいぶ知れ渡った。JAXAの名前も浸透した気がする。
我々は1つ1つのプロジェクトを完遂していく。それがこれからの課題になる。
Q 新しい展示施設を作る予定はないのか?
A 立川
今のところはない。筑波にいい展示館がある。筑波までは45分。
常設ではなくて、その時々に応じてイベント会場でアピールをするという手もある。人がたくさん集まるところを選んでやることになるだろう。PRはたくさんの人に、いかに浸透するかが重要。そういう発想で考えないといけない。だから土地代が安いところに作っても人が集まらないと意味はない。そう考えている。
Q 子供達にはいい場所だった。説得できなかったのは残念か?
A 立川
残念だと思うが、でもそういうとすぐ「東京だけか、地方の子供達はどうする」と言われるので、そういう言い方もなかなか難しい。我々としては今から全国行脚もしようと考えている。タウンミーティングのときには必ず展示もやっているが、いかに経費をかけないでたくさんの人に見てもらうか。
できれば展示も実物を見てもらいたいが、なかなか持って行けないものもある。はやぶさのカプセル展示でも結構苦労した。全国をまわるには時間もお金もかかる。お金をかけないでPRするのはなかなか難しい。我々はそれをこれから模索しなければならない。
Q 事業仕分けについて。プレゼン能力が問われた部分があるがどう思うか?
A 立川
仕分け自身は悪いことではない。会社では当然、途中でチェックして駄目なものは止める。民間ではそういうことをやっている。官僚の世界ではそれがあまりなかった。そこに目を付けた、その点は良かったが、そのときの判定根拠がいろいろあるべき。もう少し、本当に必要かどうかという視点で見てもらえたら良かったという気はする。
Q 技術者としては事業仕分けのやり方に温度差も感じたか?
A 川口
目先の費用対効果を見ている気がする。そういうと怒られるかもしれないが。
はやぶさのカプセルはこれから1~2年かけて全国をまわっていくが、どこかに恒久的な場所を作れないか。アメリカにはスミソニアンがある。日本には未来館や科学博物館もあるが、もっと日本が発信しているものがよく見える場所があればいいと思う。そういう場所が日本には少ない。
科学技術を大事にするのであれば、そういう場所こそ作って欲しい。箱物を作れと言っているわけではないが、次世代を育てるためにはそういう施設が必須だ。
A 立川
アメリカでいうとスミソニアン。あそこにシャトルもある。日本も歴史的なそういう遺産は残すべき。あのカプセルは歴史的遺産。
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宇宙を開く 産業を拓く 日本の宇宙産業 Vol.1 (日本の宇宙産業 vol. 1) |
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宇宙飛行士が撮った母なる地球 |
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はやぶさ、そうまでして君は~生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話 |
川口 淳一郎 | |
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月27日、小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルのキュレーション作業について、定例のブリーフィングを開催した。出席者は、向井利典・JAXA技術参与と上野宗孝・JAXA/ISASミッション機器系グループ副グループ長。以下に取材メモを添付する。
ーーーーー
向井
この2週間の作業について説明する。
B室
自由落下法
ひっくり返してどのくらい落ちてくるか
石英皿にいくつかサンプルを採取
数は100個くらい
A室から採取した数百個は
電子顕微鏡での観察を引き続き実施中
数は岩石質と思われるのが30個くらい
初期分析の開始
1月下旬くらいからできるかどうか
決まり次第
最初の何もないのではという状況から始まって
イトカワ起源のものが同定されるところまできた
大体半年くらいでメドと
若干の遅れはあるが
大体当初の見込み通りかなと
ーーーーー
質疑応答
Q 朝日
B室からコンコンと
大きさはどのくらい
A 向井
光学顕微鏡で見れるもの
10ミクロン以上
それ以下のものがどのくらいあるか不明
Q 最大は0.1mmくらい?
A そのくらいだろう
Q B室もヘラでなぞるのか
A 後でやるとは思うが
やり方については検討したい
A室との大きな違いは
仕切り板
B室は蓋がないので仕切り板が簡単に取れる状態
Q 仕切り板はとっちゃダメ?
A 最終的には取ることになるが
A室とB室が一緒になってしまう
自由落下法をやるとA室のものも落ちてくる
すぐに取ることはない
Q 1回目と2回目を区別して管理したいのか
A その通り
Q いままでトータルで岩石質はいくつくらい
A A室で60個、B室で30個
それ以外にA室からヘラで1,500個
A室の自由落下法
数100個
その中でいま30個を採取している状況
Q 読売
A室でトントンしたら出てきた
イトカワ由来と判断したのは増えていない?
A 断定したものはない
確率は高いと思う
Q 電子顕微鏡で見たとき
何か新しい知見は
A 1,500個のは微粒子
単一の鉱物が多いが
大きいと単一でなくて複合されている
それ以上言うのは難しいが
Q 例えばこれは炭素では? というものは
A 炭素のピークが出てきたとしても
数がないので
Q 1月下旬から配れるということか
A その予定だがまだ決まっていない
決定次第お知らせする
Q 日経サイエンス
A室で30個
全部を調べたのか
それとも…
A まだ40個くらいしか調べてない
無差別にやってるわけでなくて
作業するとだんだん目が肥えている
アルミだと思うものはピックアップしていない
数百個の中の比率については
岩石質が半分か1/3くらいか
いまはそういうレベル
Q 産経
A室の60個はすべて岩石質か
A まだ調べていない
Q 初期分析
配り先は決まっていないのか
A 採取中なので
輸送する手段がそもそもどういう分析をするか
分析の種類によって輸送手段も変える
そのあたりもまだ決まってない
配り先は議論はしているが
再確認をして決めるのが
かなりギリギリになる
Q 東京新聞
試料の15%
いま90個だとすると15個くらいか
割合は
A 15%は1つのガイドラインとして作っているが
母数についての定義がない
分析する側からすると
アルミをもらってもつまらないので
明快には言えないが
全体の15%を回すとなっていたので
SEMでは分析はしてないが
可能性を見て出すことに
初期分析は何回かある
ヘラで岩石質と同定された1,500個は
出すことになるだろうがいまは操作できない
B室から今後も採取できるかもしれない
全部をSEMで分析するのはとてつもない時間がかかるので
ある程度は見込みでやるしかない
夏くらいまでにはメドを付けたい
国際AOを出さないといけない
初期分析の結果を公表しないと応募する側からすると困る
夏というのが6月なのか9月なのか分からないが
メドとしては地球に帰って1年半でAOを出すと
そのために考えると夏頃には終わっていないとまずい
Q 赤旗
初期分析の開始で新しいステージ
いまやっているキュレーションはどうなるのか
A 今後も続く
まだサンプルのごく一部
私は採取という言葉を使っているが
回収という言葉とは区別している
管理する作業まで必要
それはとてつもない時間が必要
AOまでには終わらない
その作業はこれからも続く
Q 日経サイエンス
夏くらいで初期分析が終わって
それ以降は後期分析?
言い方は
A まだそこまで考えていない
その後はどういうステージになるのか
まだ決まっていない
分析はもちろんずっと続く
どういう形になるかどうか
Q ?
サンプルキャッチャーのCT画像
画像を提供できないか
A それはホームページに出せると思う
検討する
Q 年末年始の予定は
A 普通に休むつもりw
最初日本に運び込まれてから開封までは
大気からの汚染
シールが完璧じゃない リークがある
汚染を避けるために不眠不休だった
いまは窒素中
1日2日を争う状況ではない
ー相模原
Q 青木
B室の見た目
A室と変わらなかった
前宣伝では大きな粒子が期待されていた
予想と違っていた
A あまり入ってなかったのは残念
原因についてはまだ十分検討されていない
Q 入っていたミクロンサイズの微粒子
イトカワ表面に均一にあるものか
A 多分そうだと思うが
一様かどうかは分からない
Q 今回得られたものは
宇宙風化があるのかどうか
A 初期分析で調べることになっている
Q どういう操作で調べるのか
A 上野
どの部分から採取したかという詳しい情報はない
まだなんとも言えない
Q 1回目のタッチダウンで不時着
あまり入ってなかったのは
予想よりも表面が固かったのか
A 向井
なんとも言えない
Q B室の採取の手順
A室と同じようになるのか
A 方法としては
静電マニピュレータ
ヘラ
自由落下法
の組み合わせになる
仕切り板を取り外すので
そうなるともっと採取しやすくなるかも
それは今後の問題
Q 今後仕切り板を外す
混ざることはあるか
A 可能性はある
仕切り板そのものも全く隙間がないわけではない
Q 混ざっても分析結果に影響は
A どこから採取したのか
区別する必要があるかもしれないと思って区別している
ある程度分析してからになると思う
同じような素性なら区別しなくてもいいかもしれないが
今は慎重にやっている
Q 手順
A B室から持ってきたものを
初期分析にまわすかどうかまだ言ってない
多分SEMでやった30個くらいからになるのでは
B室の分析はその先
初期分析は多分すると思うが未定
1月下旬から初期分析するのにB室のものを入れるのは難しい
ー東京
Q 東京新聞
粒子の数が違う
自由落下の叩き方は
A室とB室で違ったのか
A B室の叩き方はおとなしい
構造上
Q 共同
A 30個くらい岩石質が見つかっているので
初期分析の第1ラウンドとしてはいいかと
個人的には思っている
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金星探査機「あかつき」に関して、JAXAで記者会見があったので取材してきた。記事はすでに書いてマイコミジャーナルに掲載されている。
【レポート】金星探査機「あかつき」は推進系の異常か – 原因が徐々に明らかに
今回、JAXAからは宇宙開発委員会の調査部会に提出する資料として、かなり詳しい情報が出てきた。いろいろと興味深いことが書いてあるので、ぜひ目を通してもらえればと思う。JAXAの以下のページからダウンロードできる。
本当は記事でもこの内容を詳しく紹介したかったのだが、今回の一連の「あかつき」記事では、私は「初心者にも分かりやすく、かつ詳しく」を特に心がけていたので、ちょっと範囲を超えているかと思って、深くは触れなかった。今までは、ある程度分かっている人向けに書いていたところがあって、基本的な説明などはかなり端折っていたのだけれど、はやぶさのおかげもあって、最近になって興味を持ってくれた人も多いようなので。
というわけで、記事には書かなかったことなどを、資料をもとに、ここで補足しておきたい。
各機器の配置。燃料と酸化剤を加圧するための高圧ヘリウムのタンクは、探査機の-X面に飛び出ている。XYZ軸で説明すると分かりにくいかもしれないが、「X軸周りに回転」などと言ったときには、どれがX軸か分かっていないと回転がイメージできない。
ちなみに、+Z面にハイゲインアンテナ、±Y面に太陽電池パドルがあるのは「はやぶさ」と同じだが、OMEはイオンエンジンと違って-Z面にある。イオンエンジンは「はやぶさ」の+X面だった。
前回、石井氏の手書きの図が公開されていたが、今回はきちんとした図が出てきた。
OMEは2液式スラスタなので、燃料と酸化剤のタンクが別々にある。それらをエンジンに供給するために、高圧ヘリウムで押し出す仕組みになっており、それが図の一番上にあるタンクだ。
ヘリウムタンクからの経路には、フィルターやらバルブやらが付いている。エンジンを噴射して燃料や酸化剤が減ってきても、このバルブを開閉して調整することで、推進剤のタンクの圧力はそれぞれ一定に保たれるようになっている。
一部でバルブがパラレルについているのは、故障のための冗長構成だ。壊れて開かなくなっても、もう一方が動作すれば問題ない。加えて、シリアルにもう1つバルブが付いているが、こちらでは壊れて閉じなくなった場合に対応している。開故障と閉故障の両方に備えて、シリアルとパラレルの冗長を組み合わせるのは一般的な方法である。
ちなみに、良く見ると燃料タンクだけ円が2重になっているが、これは実際にこんな感じに、燃料がタンクの内側のゴム風船のような入れ物に入っているからだ。宇宙空間では重力がないため、燃料が下にたまっていてくれない。それではタンクの中でチャプンチャプンと動いてしまってよろしくないので、このような方法が使われている。
一方、酸化剤タンクがこうなっていないのは、高分子膜が酸化剤で腐食してしまうからだ。そのため実際の運用では、2液式スラスタを噴射する前に、1液式スラスタを噴射して酸化剤を出口側に寄せるようなことをやっている(これをセトリングと呼ぶ)。ちなみに「はやぶさ」はスラスタが全て2液式だったためにこれができず、そのため酸化剤のタンクはちょっと変わったものになっている。
高圧ヘリウムが燃料側/酸化剤側に分岐してから、酸化剤タンク側にのみラッチングバルブが付いているのは、こういった構造の違いがあるために、特に酸化剤側では逆流の恐れが大きいからだ。燃料側は膜で分離されているので、シンプルな逆止弁が付いているだけだ。
今回、「あかつき」ではOME噴射中に燃料タンクの圧力低下が見られており、その原因の1つとして、この逆止弁の閉塞が疑われている。これは火星探査機「のぞみ」と同じもの(アメリカ製)が搭載されているが、「のぞみ」で不具合が出たのは酸化剤側のラッチングバルブであり、この逆止弁は問題なく動いていた。実績のある標準品でもあり、本当にこれが壊れたのかどうか、今のところは謎だ。あくまでも可能性の1つということだ。
OME噴射中には、リアクションホイールではなく、RCSによる姿勢制御が行われていた。「あかつき」のRCSとしては、23Nスラスタが8台(AT1~4/AB1~4)、3Nスラスタが4台(T1~4)搭載されており、OME噴射中には、このうち側面の4台(T1~4)と底面の4台(AB1~4)の計8台が使われることになっていたようだ。
右下の絵はOMEの構造。「あかつき」のOMEは従来のニオブ系合金ではなく、セラミック製のスラスタが採用されているが、それは燃焼室・スロート・ノズルスカートの部分である。今回のFTAではスロート・ノズル部分の破損も可能性としてあげられているが、直接的に観測する手法がないため、現時点では先ほどの逆止弁と同様に、可能性の1つに留まっている。
ちなみに、もし本当にセラミックスラスタが壊れていて、OMEの再使用が不可能であった場合には、RCSで代用はできるのだろうか。OMEの推力は500N。RCSの推力はそれよりも1桁小さいが、OMEと同じ面に23Nが4台付いており、合計の推力としては5分の1近い。より長時間噴射することで対応できないか…と思うのだが、実際にはOMEよりも効率が悪いために、燃料が足りなくなる恐れが強いようだ。一般的に、2液式に比べると、1液式のスラスタは効率が数割ほど悪い。早い時期に噴射が中断されたとは言え、燃料はすでに2割ほど消費されており、残量にそれほどの余裕はない。
そのときに使える手として、金星の大気を利用して減速するエアロブレーキングも理論的には考えられるが、エアロブレーキングは軌道制御に使った例はあっても、惑星の周回軌道投入に使った例はまだない。中村プロマネによれば「エアロブレーキングが難しいのは、大気の状態(膨張具合など)が日によって変わるので予測が難しいから。検討はもちろんするだろうが、そこで金星に突っ込んで落ちてしまう危険性をとるかどうか」と慎重な構え。
中村プロマネは理学側なので、工学側からは別の意見もあるかもしれないが、「探査機が生きてさえいれば、工学的にも理学的にも、それだけいろいろなデータが取れる。何があっても長生きはして欲しい」と話す。リスクを取るか、安全に行くか。現時点ではトラブルの原因が判明しておらず、あくまでも「OMEが使えない」という仮定の上での話ではあるが、場合によっては6年後の金星再接近で周回軌道投入は諦め、フライバイによる観測に切り替えるという判断もありそうだ。
長くなったので、気が向けば次回に続く。
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