はやぶさ日本酒が届く

注文しておいた「はやぶさ帰還祝酒 1.8L」が届いた。送料・代引手数料込みで6本15,213円。蔵本は井手酒造で、こちらから注文できる。限定版だが、まだ在庫はあるようだ。

こんな形で届いた。さすがに6本はかさばる

送料がもったいないので、6人でまとめ買いしたのだ。問題はこれからどうやって分配するかだが…

今さら説明は不要だろうが、これは「はやぶさ」の性能計算書のラベルの元ネタになった日本酒で、今回、帰還を記念して、醸造元の井手酒造が本当に商品化してしまったものだ。宇宙研の性能計算書に関する話は、こちらのWEBページに詳しいので、気になった人は参照して欲しい。

物語「性能計算書」(日本の宇宙開発の歴史/ISAS)
http://www.isas.jaxa.jp/j/japan_s_history/chapter10/06/index.shtml

外箱

中身

ラベル

あちこちにネタが…

こちらにも

これだけ本当

せっかくなので「はやぶさ」プラモとも記念写真

「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH」のDVDとも一緒に

なんとなくラストショットも撮ってみた

「はやぶさ」グッズと一緒に。何だか単なるミーハーみたいだ

ちなみに帰還翌日の6月14日、相模原キャンパスのプレスルームにおいて、この日本酒は川口プロマネにプレゼントされた。なぜか動画で撮影してあったので、紹介したい。

午後の記者会見のあとのぶら下がり中。阪本先生がなにやら怪しい動き

阪本先生から手渡されたのが「はやぶさ」バージョンの「虎之児」

惑星探査機 はやぶさ (1/32 スペースクラフト NO.01)
クリエーター情報なし
青島文化教材社
小惑星探査機 はやぶさの大冒険
山根 一眞
マガジンハウス

はやぶさウィークリーブリーフィング第1回

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12日(月)、小惑星探査機「はやぶさ」のカプセル内のサンプル採集作業について説明するブリーフィングを開催した。JAXAはこれを当面の間、毎週開催するとしており、スケジュールは以下の通り。

第1回 7月12日(月)
第2回 7月20日(火)
第3回 7月26日(月)
第4回 8月2日(月)
第5回 8月9日(月)
第6回 8月23日(月)
第7回 8月30日(月)

出席者は、向井利典・JAXA技術参与、上野宗孝・JAXA/ISASミッション機器系グループ副グループ長。以下に取材メモを添付する。

向井
ウィークリー
特になにもなくても開催ということで
今日もじつはあまりネタがないw

先週、回収作業を開始した
その際テフロンのヘラに微粒子が数十個付着していた
問い合わせがあった際に応えた

その微粒子を今後どう処置、回収するか先週は検討してきた
予想外に大変なことがわかった
検討しているがまだはっきりしない

現在のところ
ヘラにくっついた粒子の処置に集中している
新たに粒子を発見したことはない
状況としては以上

上野
とくに補足はない

広報
それでは質疑応答に…

向井
質問ないかもw

ーーーーーーーーー
質疑応答

Q 読売新聞
予想外に大変
具体的にどういうところが大変で何を検討

A 向井
原理的にできないことはないが
非常に小さな粒子 10ミクロン以下
それが静電気でヘラに付いている
静電気を除去しないと外せない
原理的にはリハーサルでやっているが

除電といって
紫外線やアルファ線をあてて
電荷をなるべく減らして
それでマニピュレータで

数が非常に多くて多変
ある程度予想はしていたが

大半が地球由来と思われるので
そこで時間をかけるのはどうかと
もっと効率的な方法はないか

Q 毎日新聞
するとサンプルキャッチャーの中の方までいっていない

A 向井
いっていない

Q 作業はまだ時間がかかりそうか

A
なんとも言えない
効率のいい方法が見つかればいいが

Q 1粒で半日かかっているのか?

A 向井
それほどではないが

最終的にその中から
初期分析にどれを回すか選ぶ
選び方も検討している感じ

Q 朝日新聞
大半が地球物質っぽい
中には違うようなのもあるか

A 向井
いまのところ全く分からないが
コズミックダストのひとたちが
最終的な作業をやっている
まだ感じだけ

それが分かるのは
電子顕微鏡で見ないと

いまの調子でやるととてつもなく大変
今の段階ではなんとも言えない

感じとしては比率が100:1か1000:1か分からないが
大半が、というのはそういう意味
それ以外の物質もあると個人的には信じているが
まだ確認できていない

Q
100:1や1000:1の1になるようなものは

A 向井
見つかっていない

Q 日経新聞
作業に時間がかかる
ほかの手法を考えている
マニピュレータ以外はどんな方法があるか

A 向井
1個1個顕微鏡で針で掴む作業
それで2個見つけたが
ヘラでこすったら数十個
基本的にそれ以外のやり方はないが
ヘラの形状とか
別のやり方もないかなと
まだ検討している段階

Q 共同通信
ほかの方法というのは
電子顕微鏡を使わないで、別の方法で選別するという意味か

A 向井
電子顕微鏡を使わないのは大変
使うのが一番分解能がいい
しかし電子顕微鏡自身が試料を汚染する
そこは慎重にやっている

Q
電子顕微鏡を使わないで見極める方法はあるのか

A 向井
私は知らない

影響がでるとなると
手順をもう1回考え直さないといけないかも

Q 東京新聞
除電のやり方
電子顕微鏡を当てるのはどんなイメージ

A 向井
当てるのは時間がかからない
まとめて当てる

Q 当てた後の回収に時間がかかる?

A 微小粒子なので大変

光学顕微鏡で見えるのはギリギリで数ミクロン
それより小さいのは見えない

それを含めて回収したものを管理するのが重要

いろんな検討を今やっている
どんどこやって後で大変にならないように
検討してから次に進む

Q 先週は数十個
これは20個なのか80個なのか
個数の目処は

A 80個ということはない
2~30個くらい 数えたわけではない

Q 毎日新聞
初期分析にどれを選ぶか
選び方はどうするのか

A 向井
なかなか決められない
どんな種類のがどのくらいあるか分からないと

初期分析に全部まわすわけではない
最終的な量によるが

全部を回収するのはそれはそれで大変
あるところで踏ん切りをつけないと

いずれにしても全体の量
ある程度の推測ができないと
なんとも言えない

いまの段階では
いくつか考えてはいるが
一人歩きすると困るので

Q 日経新聞
今のところの作業状況
テフロンの微粒子を除電して回収
あらたに探す段階ではないのか

A 向井
言い方がまずかったかも

回収方法をまだ検討している段階
具体的な作業については試験中

Q 朝日新聞
数十個の微粒子
全体のどのくらいを調べたのか
サンプルキャッチャーの中の
どのくらいをストロークしたのか
あと何ストロークくらいあるのか

A 向井
ヘラでなぞったのはまだ平らな部分だけ
ほかの部分はやってない
全体の3~4割ということはない

A 上野
なぞったところのどのくらいの比率が
ヘラについたのも確認していない

Q 大半が地球由来
見込みがありそうなのはないということか

A 向井
分かりませんというのが正確なところ

Q 毎日新聞
B室を開けるのはいつくらいになるのか
A室を全部やってからか

A 向井
いつころとはまだ言えない
回収方法をまた考えている
もうしばらく待って欲しい

Q NHK
予想外に大変だというのは
何が予想外だったのか
除電の作業か

A 向井
1個1個マニピュレータでやるのが大変だし
ヘラについたものを回収できるか確認するのも大変

光学顕微鏡で見えないものは残っている可能性もある

もうちょっと効率的な方法はないかと
まだアイデアの段階

Q どれもこれも回収じゃなくて
もう少しめぼしいものを回収する方法とか

A まずは全部を回収しないといけない
そうしないと全体が掴めない

Q もう少し早い方法を検討するのか

A 早いというかできるだけ確実に
いまの方法だと光学で見えないものは分からない
もう少し確実な方法はないかと考えている

Q 光学顕微鏡で見えないものも回収する方法?

A それも一部
ヘラをそのまま保管していないといけない
次またやったときにそれもとなると
そのこと自体が大変

最終的にどうやって見分けるかが大変
もう少しいい方法がないかと

具体的なことを言える状態ではないので説明できない

Q 東京新聞
回収作業の検討と平行してやっていることはあるか
例えばガスの分析とか

A 向井
ガスは初期分析の一貫としてやるので
まだやってない

コンテナはこの前肉眼で見たが
顕微鏡で中を細かく見ている
細かいのはあるが似たようなもの

現在はどこにどういうものがあるかマッピングしている状況

ー相模原へ

Q 青木
全部を初期分析ではない
仮にイトカワのものが見つからなくても
初期分析にかけないで保存しておくものの中から
将来的に見つかる可能性はあるのか

A 向井
仮定の話に答えるのは難しいが

分析技術は進歩するので
いま見えてないもののなかに
ある可能性は否定できない
あくまで一般論だが

Q 可能性はゼロではないが低い?

A 個人的な意見を言えば必ずあると思っている

Q 将来の分析のために保存するのは何%か

A 半分くらい残すはず
カタログの番号付けは
明らかに地球物質だと分かったものは除去していく

Q 将来分析用のものは手つかずに保存するわけではなくて
地球物質は除外して怪しいものを保管するということか

A そう考えている

Q かなり苦労しているようだが
当初の見込みと比べると遅れは

A こんなもの
報道の方が先走っているが
半年という目処でやっている
まだ始まったばかり

特に最初のうちは試行錯誤でやらないと
いくらリハーサルしていても
こんなとこかなと

もう少し落ち着いてやらせて欲しい
というのが正直なところ

Q リハーサル
実際にやってみたら違うということは

A 違うことはたくさんある
リハーサルで使った粒子
数ミクロンよりはもう少し大きかった
そういう面で大変なこともある

Q 初期の発表では
8月だったがいまは9月以降
状況次第で伸びることもあるか

A あり得る

Q 初期分析の結果は年末か年明けくらいか

A そんなところ

Q それも流動的?

A もちろん
予定としては半年が目処

Q NASAとか海外の機関の研究者
キュレーションで一緒に作業しているのか

A あのときまではいたが
現在帰っている

Q いまは何人体制

A 8人くらい

Q 作業時間としてはどのくらい

A 原則は普通の勤務時間
これは長丁場なので

最初は汚染されないように早く真空に入れるとか
最初の数日は24時間体制だった
いまはコントロールされた環境なので
あわててやってもいけない

朝は定時9時から夕方5時には打ち合わせをして終わる
土日もお盆も多分休む
長い話なのでバタバタやるようなことではない

Q 回収された物質はどういう温度・湿度で管理しているのか

A 高濃度の窒素
最終的には石英管のチューブに封じ込める

温度は室温 25℃くらい
湿度はゼロ 純窒素

ー東京

Q 不明
今週の作業スケジュールは

A 向井
引き続き検討しているところ
結果が出次第、次のステップに
再度回収するのかどうか

多分今週はまだそこまでいかないと思う
そんな簡単にいかない

Q 今週いっぱいは検討にかける感じか

A 一応その予定だが
いい方法があれば再度という可能性はあるが

Q 不明
現在コントロールされた状況下
いつまでに回収しなければいけない
のはあるか

A 向井
特にない
1日2日を争う状況にはない
いまはコントロールされた環境下

Q 1~2カ月も可能?

A 場合によってはあり得る

Q 松浦
100倍の顕微鏡
微粒子が思ったよりも小さいので
倍率が足りないということか

A 向井
我々が持っている最高分解能
これ以上のことはできない

Q 製品としてはもっと高い倍率もあるのでは?

A 上野
汚染しないような仕様で開発されたもの
市販品とはちょっと違う

Q 倍率を高くしておけば良かった?

A 上野
ただ倍率を上げると見える範囲が狭くなる
作業効率が難しいところ

A 向井
普通の顕微鏡だと油を使っているので汚染する
特殊な潤滑のもの

はやぶさ、カプセル開封作業の状況に関する記者説明会

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5日(月)、小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルの開封作業について、記者説明会を開催した。登壇者は川口淳一郎プロジェクトマネージャ、向井利典・JAXA技術参与、上野宗孝・JAXA/ISASミッション機器系グループ副グループ長。

会見の内容を以下に取材メモの形で添付する。

ーーーーーー
川口プロマネ

6/24からコンテナの開封作業を開始した

その後
コンテナの開封
キャッチャーの引き上げ
キャッチャーA室のフタをあけて内部の点検
コンテナ内部の点検
といった作業を行った

A室と呼ばれていた場所を移送
本格的な点検にかかっていた

開封に一週間かかると話をしたが
そのあと試料を実際に採取して
その時点でまた話をするとしていた

今日はその一週間が経過した段階
そのときも説明したが
地上から往復した試料があることは間違いないと

それと何が見つかってもその起源はわからない
と言っていた
それは大前提

現在は
まだA室を開けている段階
B室の情報はまだ何もない

本日までは
コンテナ部、キャッチャーA室
の中に複数の
肉眼で見えるものと
顕微鏡サイズのもの
試料とおもわれるものが確認された


向井

上の写真は
A室の微粒子を石英の針で試験的に
ピックアップしているところ

横に伸びているのが針
その上は光の影
先に見える黒っぽいのが粒子と同定されたもの

100倍の顕微鏡で見ている写真
背景のスジは機械加工の刃のあと
そのほかの黒っぽいのも傷と思われる

なぜ傷かというと
針の先を近づけても動かないから

下の写真は
別室に保管しているコンテナの内部

これは普通の写真撮影
目で見て分かる粒子がいくつかある

これが何ものかは分からないが
まぁ多分地球のモノじゃないかと思っています
なので誤解は受けないように
分からない状況で断定できないことを言うのは避けたい

地球のゴミは射点やクリーンルームでダストをすでに調べている
それと比較すればすぐに分かること

現状はそういうところ
まだ1個2個という状況なので

前回の記者説明会では
コンテナやキャッチャーの構造について説明した

これはフライト品と同じように作ったプロトモデル
どこを見ているか説明


上野

最初の作業で上下の部分を取り外した
これでA室をのぞき込むことができる状況
これが現状

採取した物質は横から入って

内部は上下2部屋に別れている
その1部屋のほうを現在は見ている状況

ーーーーーーー
質疑応答

Q 毎日新聞
いくつくらい入っていた?
肉眼で
顕微鏡で

A 向井
数えたわけじゃないが
見え方によっても変わる

顕微鏡で見えるもの
粒子と同定されたものは2つしかない

動かないものは粒子でないのか
それともくっついて動かないだけか
それはまだ分からない

1つ1つ調べているのが現在の状況
100倍の顕微鏡で見ているので
くまなく探すのが非常に大変な作業

Q 肉眼だと少なくても10個?

A 向井
10個は見えている感じ
10個以上か

Q 日経
顕微鏡で見えているものの大きさは
肉眼で見ているものも大きさは

イトカワ着陸時
キャッチャーに入るのが主で
コンテナにも入る可能性もあるが
可能性が高いのはキャッチャーか

A 向井
スケールがまだ出てないが
大きさは10ミクロンのオーダーだろう
コンマ1ミリのような大きなものではない
10ミクロンよりも大きいかもしれないが

肉眼で見えるのは1ミリくらいかなぁ
穴がM3のボルトなので
それをスケールにすれば1ミリよりも大きいかも

A 川口
サンプラーはこうなっていて
筒が回転するようになっている

サンプラーホーンを引き抜くわけだが
引き抜くときに開いているところから
付着したものがコンテナの中に入る可能性はある

ただし、だと言っているわけではない
最初から付着したものが地球から運ばれたのかもしれない

キャッチャーのみに入るかという質問については
それ以外につく可能性もゼロではない

Q 日本放送
粒子の形状はまだ分からないか

A 向井
この写真が最高の分解能
まだ形状は断定できない

Q 東京新聞
A室で確認した粒子2つ
これは予想よりも少ないのか
それとももっとあると

マニピュレータの先端は何ミリか

A 向井
数の予想は難しい
予想を立てていたわけじゃない
似たようなサイズの黒っぽい斑点とかがある
いまのところは傷だと思っているが

現在見つかっているものが全てではないのが明らか
そういうのを調べている段階

数からすると私の試算だと
地球由来のものが全部で最低100個はあってしかるべき
数百から多いと1万かもしれない
これは私のざっとした試算
ある仮定のもとで推論したもの
正しいかどうかは分からないが

それに比べると2個や3個じゃないはず

何度も繰り返すが
粒子かどうか区別している状況

マニピュレータの先端は見えない
1ミクロン以下

Q 共同通信
サンプルキャッチャー
A室はいつのものか

A 川口
A室は2回目の着陸
(B室が1回目)

Q この先の作業は
まずはA室を終わらせてからか

A 上野
A室をカタログしてからB室に移る
いま顕微鏡の最高解像度で見ているが
本当によい分解能でみえる範囲は限定されている
本当の限界までの粒子を端からは端まで見ていない

Q すでに採取はしている?

A 向井
これがどこにあったと番号を付けるのはまだ
しかし一応動かして
動いたなというところ

キャッチャーの壁を顕微鏡で見るのはとても大変
ここにあるものは何も見ていない状況

方法も考え直した上で
すべてマニピュレータではなくて
別の方法がないか
そういうことも今後トライアルしないと

Q 朝日新聞
微粒子 10ミクロン
サンプルキャッチャー内の何割程度を見ての2粒か

肉眼で見えるもの
地球からだとどういうものか

A 向井
ここの平らな部分とこの一部
まだ何割と言えるようなものではない
壁は見るのが大変
試行錯誤している段階

壁を見る方法を何か考えて
いくつか方法はあるが

マニピュレータは石英に電圧をかけて
粒子の帯電を利用してくっつける

あるいはテフロンだと微粒子がくっつきやすいので

しかし機械的に動かすと変質しやすいので慎重にしないと

Q 最初はハケで掻き出すというのも当初想定していたようだが

A そうですね
ざっくざくあればハケで
しかし今はそういう状況ではない

テフロンのハケで動かすとくっつくものはあるかもしれない

地球からきたものとすると
いろんな可能性があるが

衛星が組み立てられるクリーンルームは
(清浄度が)クラス10万と呼ばれるもの
つまり1立方フィートに0.5ミクロンの粒子が10万個ある
そういうところで組み立てられている

そのあとロケットに衛星が組み込まれて
そのあとフェアリングをかぶる
その中にクリーンな大気を入れるが
それもクラス10万のレベル

フェアリングを作っているのはロケットの普通の工場
内面にはいろんなものがついている可能性がある

そういうものがどういう経路で入るのか
シミュレーションをしようもない難しい問題

衛星はほとんどクリーンルーム内か同等の環境にいる
粒子のソースとしてはそういうところ

Q 目で見て大きいので
これがクリーンルームにあるとは考えにくいが…

A 確かに考えにくい
私もそう思う

地球からきたものだと思うのは
フェアリングの中にはいろいろある

ロケットの打ち上げ時
フェアリングが開いたとき
搭載カメラでもホコリが見える
そういうものの可能性もゼロではない

ただし地球のものだと断定しているわけではない

Q 毎日新聞
地球のものだというのは
それ以外になにか理由は

A 向井
コズミックダストの研究者の意見で
そういうものとはちょっと違うねぇと
感触だが

色が違うとか
こんな真っ白なものは見たことないと
例えばそういう感じ

大発見かもしれないが確率は低いかな

A 上野
サンプルはホーンからここに伝わるはず
コンテナに入る確率は低いと思っている

Q 日本テレビ
微粒子 現時点では
地球由来とイトカワ由来の
どちらの確率が高い?

A 向井
いまは断定できないのが正解
コズミックダストとは違うねぇという感触
正確に言えばどちらの可能性もある

Q 読売新聞
今後の予定は

A 向井
B室も見てから

最終的には回収したサンプルは全て分析にかけられるが
それにはいろんな手順がある

まずは代表的なものを分析する
打ち上げ前にたくさんあると想定して作ったプランだが
およそ全体の10~15%が最初の対象

10%はNASAに渡す
40%くらいは国際公募をして分析してもらう

残りはしばらく保管して

分析技術は日進月歩
将来的にさらに技術が進んだときのために
ある程度は残しておく
そういう段取りだった

まず何が代表的な15%なのかを調べないと
全てを回収するのはすごく大変な作業
何年もかかるかもしれないが
そんなにはとても待てない

ある程度、3カ月かそこら
B室の中も見て、何がどのくらいあるか
おおよその見当を付けた上で、
その中で15%なのか
数が少なければ30%になるかもしれないが
それを最初の初期分析に使う

初期分析は
国際的な公募をして
世界中の研究者達が
自分たちも分析したいという
意欲をそそるように
それが初期分析

なので一気に分析するわけではない

まずは何を持って代表データとするか
ある程度出たところで議論する

Q 不明
まだ分からないことが多いだろうが
微粒子が見つかったということで
いまどういう思いか

A 川口
なにはともあれ
空っぽでなかったということも
大変大事なこと

地球由来で往復したものがあることは間違いない
と言いつつも
空っぽでなかったということは
可能性を残したということで
そこは素直に喜びたい

ただ一喜一憂するものではない

高い確率で地球由来のものだろう
予断をもってはならないし
過剰な期待もしてはならない
虚心に帰ってきちんと分析したい

Q 毎日新聞
作業の手順について
地球由来のものを排除する作業
スクリーニングの終了の見通しは

A 向井
粒子かなにかの見分けをやっているところ
いま数字を出すのは難しいが
サイエンスの世界でも関心をもたれているところなので
何年も時間はかけられない

だが1カ月かそこらで見えるかといえば
そうは思えない
2~3カ月かなと

もし宇宙物質があるとわかれば
大きなインパクトがある

逆に言えばそれは非常に慎重にしないといけない
そう言う意味では答えるのは非常に難しい状態

Q 当初は半年と言っていたが

A 向井
当初の予想は数が少ないだろうと
地球のものがある程度あったとして
イトカワのものがどのくらいあるか

あるのを期待しているが少ないだろうと
3カ月から分析を初めて半年くらいが目処かなと

ー相模原に

Q 青木
カプセルにガスと粒子
ガスの由来は調べているのか

粒子
宇宙空間を飛行中にダストが入る可能性は
燃料漏れに由来する可能性は

クリーンルームのダストの標本
どういうものか

A 向井
ガスの由来は調べていない
可能性は地球の大気
イトカワのガスはどのくらいかデータはない

燃料漏れ由来の物質は考えにくい
ゼロだと考えていいと思う

惑星間ダストはあるがその確率も
ほとんどゼロ
可能性の排除はできないが

地上のサンプルは分析している
宇宙のものとは明らかに違う

内之浦は桜島に近いので
火山灰も分析している

Q 地上のサンプルとの比較はこれからか

A 向井
そのとおり
作業に入るのはあと数か月かかる

Q 地上のサンプル
何種類くらい物質があったのか

A 向井
代表的なものをいくつか分析した
スペクトルは10種類くらい

ー再び東京

Q NHK
代表的な15%で初期分析
それはイトカワの可能性が高いもの?

A 向井
できるだけイトカワ由来のものを選びたいが
前から分かるわけではない
初期分析の中で同位体分析や成分分析があるので
その結果を総合して判断する

Q 初期分析の前に
イトカワ由来かどうか判断はできないのか

A 向井
ある程度はやる
主に電子顕微鏡

地球由来か外のものかの確率が
外のものが高いかなというくらいは言える
おおよその元素組成は出る

しかし電子顕微鏡は電子ビームをスキャンするもの
人工的なことを加えるので表面を変質させる
強度を弱く慎重にしないと

今じつはそのパラメータは試験している
まだその準備もあわせてやっているところ

だが期待としては
分析にまわすとすると
80%くらいの確率でという感じに

断定するのはまだとても無理

Q イトカワ由来の可能性が80%ということか

A 私の単なる感触
20%は違うかも
その数字が一人歩きすると困るが
代表的なものを選ぶときは
可能性が高いものを選ぶのは当然

Q 日本放送
これまでの作業のペースから見て
順調な予定か

状況を山で例えると何合目

A 向井
作業は想定内

しかしリハーサルから予想されていたが
粒子か傷かの同定は非常に大変

5合目なんてとてもとても
まだ麓

A 川口
人によって感触の数字は違うが

顕微鏡で探すのは大変時間がかかる作業
いま1週間で2個というペース
1つのサンプルを探すのに5日かかるとすると
40個で200日かかる

代表的なもの
可能性の高いものを15%で6個選ぶと
1つ1つ初期分析してイトカワ起源か調べる
1つに半月かかるとして

問題は40個あるかもしれないときに
最初の1個を採取したときに
その半月のペースに乗せていくかどうか

40個×0.5カ月
20カ月かかる作業に入るのか
やり方を向井さんが考えている

最初にカタログ化して
その中で可能性の高いものに集中して分析

質問は多分
この1個をどうして最初の分析にかけないんだ
ということだろうが
40個からたまたま1個持っては来たが
半月かけるのが効率的な方法かどうか

最初に見つかった1個が
可能性が高いかどうか
最初の1個じゃ分からない

とにかくカタログ化を優先しているのはそういう理由

Q 産経新聞
粒子と同定されたのが2つ?

A 向井
そう2つ

Q この写真
これが2個のうちの1個か

A 向井
スケールがないので分からないが
10ミクロンか20ミクロンか

Q もう1個の微粒子の写真はない?

A
同じようなものだったので

ー相模原

Q 青木
キャッチャーを閉める作業はずいぶん後だった
その間に入る可能性は本当にないのか

A室とB室を分ける回転部分
ぎこちなかったがEMだからか
そこがこすれて微粒子が入った可能性は

A 川口
回転塔はB室、A室、そしてCは最後オープンな空間

これはタッチダウンの1~2日後に閉めている
ずっとあとに閉めたのはカプセルのフタ
キャッチャーの回転塔のフタじゃない

分割の仕方 隙間があるじゃないかと
実際にこんなもの
きっちり気密にできているかといえばそうじゃない

逆に資料が取れていると
極端にクリアランスがない構造は噛み混んでしまう
それをさけるためにきっちりしたシールはしていない
危険なので

Q 回転塔が擦れてその金属片が紛れ込む可能性はないか

A
擦れないようにはできているが
ほかのものが入り込む要素や隙間は空いている

Q 松浦
下の写真

どれが粒子か

A 向井
一番底もその上の白いのも

Q 不明
初期分析はいつくらいか
目処は

A 向井
8月の最初は想像できない
もっと遅いと思う
A室がこの状況
丹念に調べようとしている状況

Q 最短では

A 3カ月後には始めないとまずいなとは思う
9月末~10月には始めないと
さすがに具合が悪い

もっと早いかもしれないが

あるところからヨーイドンで始められるものではない
粒子かどうか見分けながら試行錯誤している
一部試しに分析することが途中であるかもしれない

地球由来であろうと宇宙由来であろうと
重要なのはなくさないこと
そこを慎重にやっている

Q 毎日新聞
もしイトカワ由来のものが入っているとしたら
どこが一番可能性は高いのか
A室かB室か

A 川口
答えは難しいができない
どこでも入っていて欲しいw

Q 一番入っていそうだからA室から開けたわけではない?

A 向井
A室を開けたのは作業の順番

Q 朝日新聞
B室を開けるのはいつか
見通しは

A 向井
まだ見通しはない

Q 東京新聞
前回の会見では
初期分析の開始前にイトカワ起源の確認もありえると

A 向井
可能性が高いということは
電子顕微鏡で形をみるとか
元素組成を見るとかで

可能性が高い
80%という感じ

可能性が高いものを
見分けることはできると思う

Q 識別でき次第発表とあるが

A それは数カ月
同位体分析とかをしないと

同定されれば
NatureやScienceに論文を出さないといけない
そうなるとNASAとJAXAで同時発表になる

早ければ今年の後半

Q 論文にしないと発表しない?

A 向井
私はそう思う

A 川口
NASAの理解も得た上で
成果を学術論文に出していきたい

これはいろいろ
着陸運用のときにも言われた話だが

規制や報道協力をお願いすると
評判が悪いのでなんとかしたいが
そうしていきたい

ーーーーーーーーーーここまで

この日、公開されたのは以下の2点の写真(提供:JAXA)。上はサンプルキャッチャー内部で確認された微粒子の写真で、100倍の光学顕微鏡によるもの。右に伸びているのは石英のマニピュレータで、その上には少し斜めに影が見える。下はサンプルコンテナの写真。肉眼でも何かが入っているのが見える。

イトカワのサンプルを格納しておくのがキャッチャーと呼ばれる円筒形の容器で、これは内部で上下に2分割されている。その1つ、A室と呼ばれているのは2回目の着陸時に使われたもので、現在はこちらが調査対象となっている。もう一方のB室は1回目の着陸時のもので、こちらはまだフタが開けられていない状態だ。

タッチダウンの際、舞い上がった微粒子はサンプラーホーンを経由して、このA室またはB室に入る仕組み。ちょうど中間に大型ビルでよく見かける回転タイプのドアが付いており、最初の着陸ではB室側、2回目の着陸ではA室側が開けられていた。その後、さらに回転して、どちらも閉められた状態になるわけだ。

キャッチャーはコンテナに格納され、その上からフタを閉めた状態でカプセル内に入っていた。コンテナ内で見つかった目視可能な物質が地球由来のものと見られている理由の1つは、キャッチャーの外側にあるということだ。もっともイトカワ由来の可能性はゼロではなく、今後の調査結果が待たれるところだ。

キャッチャー内部でこれまでに調べたのはA室の一部ということだが、これは円筒内部の壁を顕微鏡で見るのが難しいためだ。以下の写真を見て欲しいが、最初に調べたのは最も見やすい平らな部分のみとのこと。側面はまだ見ておらず、今後、さらに微粒子が見つかる可能性が高い。反対側には未開封のB室もまだある。

キャッチャーの中を良く見ると、底の部分の縁には溝があり、地上での経験ではこういうところにゴミがたまりやすいが、ちゃんとこういった部分まで調べるとか。なんでこんな調べにくい形状になっているのか知らないが、かなり根気のいる作業であることは間違いない。

月探査に関する懇談会 第8回会合(速報版)

5月25日、「月探査に関する懇談会 第8回会合」が開催された。今回の議題は報告書案について。配布された資料を元に、各委員から発言があったが、反対意見はほとんどなく、微修正程度となる見込み。早ければ今週末にもパブリックコメントにかけられる模様だ。

戦略本部のWEBサイトにもすぐ掲載されるだろうが、当日配布された資料をスキャンしたものを以下に置いておく。

○資料1 我が国の月探査戦略(案)の概要
ページ1

○資料2 我が国の月探査戦略(案)
表紙
目次
ページ1
ページ2
ページ3
ページ4
ページ5
ページ6
ページ7
ページ8
ページ9
ページ10
ページ11
ページ12
ページ13
ページ14
ページ15
ページ16

懇談会での議論については、以下に取材メモをそのまま添付する。速記なので抜けや間違いがあると思うが、その点には留意していただきたい。

ーーーーーーここから
宮本参事官

資料2の読み上げ

白井座長
質問は

伊丹
10Pの「その後の実機規模」とは何か

宮本
有人についてのこと
ロボット月探査のこととは別

伊丹
そう明記した方がいい

山根
先週種子島に行ってきた
盛り上がりが変わってきた
身近なものになってきた

この勢いを受けてこの計画も魅力あるものにしたい

月の活動は
太陽系への活動のベース

どんなことが可能か
火星や小惑星
そういうことのベースだというのも入れて欲しい

太陽系全体へ目を向けているんだという意思表示になる

太陽系大航海時代という言葉が使われるようになってきた
こういう考え方が国民もワクワクする

こういう意識が大きくなってくる

その最初のステップ

そういろんなことができないのも分かっているが
そういうことの

あとハイビジョン
ハイビジョンは当たり前になっているので
それが素晴らしいとは誰も思わない

NHKはスーパーハイビジョン
これほどリアルなものはない
こういうものも
日本のテレビ技術は韓国に負けている
そういうものに力を入れるためには
スーパーハイビジョンの中継くらいやって欲しい
そうすると月にいるような
技術的にできるかどうかわからないが

テレビは3Dの時代
ハイビジョンならば3Dで

かぐやのハイビジョンは素晴らしかったが
次の世代を考えて欲しい

ロボットということについては
はやぶさへの人々の思い

はやぶさはロボットだったんだと
あかつきやイカロスもそうだが
若い人が人格を見いだしている時代

アトムやガンダムのような
新しい文化になっている

若い人が身近に感じるような要素があるといい

何か答えてくれるようなもの
例えば月面のロボットが地球に向けて
レーザーを点滅させる
望遠鏡で見れば分かるような
何かメッセージを

遊びの要素も入れたいなと思う

白井
「はじめに」は真面目なトーンだが

3Dはいいのでは

ロボット
最後に言おうかと思っていたが
魅力的なタイトルはないかなと
お知恵を拝借したい

久保田
ロボット月探査には議論
収まるところに収まったかなという感じ

世界初や日本初がずいぶんある
モチベーションとしてはいい

技術的・科学的だけではなくて
社会科学・人文科学との関連は何かないか
と思っていたが
山根委員が言っていたのがそうかと

大学にいると
学生

人材育成
それは報告書に入っていて満足している

オープンな研究開発体制

人材育成が波及効果なのかなと
もっと重要なのでは

またかと思われるかもしれないが
有人の技術基盤構築
が大きく取り上げられたのはいいと思う

いままで有人を正面からやってきたのはない

日本の有人宇宙活動の推進力になるのでは

有人往還システムがカギというのはその通り

前回
有人ロケット、有人宇宙船がこれから
やることだと書いてあることに反発した

ロケットとカプセルだけではない
当面はそうだろうが
将来的に有人を考えるのであれば
有翼で再使用も考えないと

ただここで有人というのは乱暴なので
将来的にはいろんなシステムを考える必要

有人・再使用を含むと書いて欲しいと言ったが
「などの」となっているので
これはこれでいいか

将来的にはロケットやカプセルだけでは
やれないのではと思っている

白井
「など」なので入っていると言えば入っている

里中
「など」は都合のいい言葉
できないと不都合がある場合も
できっこないことを入れてしまうのは大いに問題
確実にできることを書くのが正しい計画書

それはそうなのだが宇宙開発は何が起きるか分からない
テレビも3D、追っかけ再生なども

振り返ると
H-IIA
無駄遣いとか
何になるとか
福祉に回せとか
最初のころは色々言われた

今は多くの人が宇宙開発に理解
夢を抱いている
嬉しいこと

これではやぶさが帰ってくれば

心配なのは昔だったら
もしはやぶさが手ぶらだったとき
何か言われるのでは

しかし、もし手ぶらであったとしても
行って自力で修復して帰ってきたこと
それ自体がすばらしいことをいまは
国民が知っている

イメージ図
確実にできそうなことで出来上がっている

仕事柄つい人目を引く楽しい絵を考えてしまうが

もう少し大胆な
こんなことできるのか? というようなことが
入っていてもいいのでは

白井
事務局は真面目なので
そういうのも入れたらいいと思う

里中
補足すると
こういうものがつまらないものだとは
思っていない

国井
見せ方は仮想空間
ITの技術はいろいろある

報告書全体
重要なポイントを抑えてよくまとまっている
目的は3つにまとめた
技術と科学をバランス良くまとめた

オープン性について
公募なども書かれている
これは重要になってくる

広くいろんな人のアイデアを取り組むのに
今まではクローズドだった

民生も協調されている

日本では女性の研究者が少ない
それも入れてもらえば

折井
いいまとめ方

まとめるのはいいのだが
確実に実行して欲しい
というような書き方をすべき

4Pの2015年
確実に実施としてほしい

今朝 宇宙開発戦略本部
月探査が入れられた

大きなステップになる

山根
だいぶ楽しくなってきた感じがする

さきほどの男女のこと
いまはやぶさの本を書いているが
それぞれ性別を調べてみた
のぞみは女性
はやぶさは男
ミネルバはどうも妹みたい

早い段階で名前を決めて
女性か男性をはっきり

月探査戦略というのは
それはそれでいいが
こういう探査機を送るんだと
探査機そのものを表に出す
逆転した方が一般の人には
分かりやすい

日本のロボット技術
筑波万博
いろんな映像を見たら
日本刀の上にコマ
今のロボットは相当なことができる
例えばはやぶさは
画像認識で位置を航法

ロボットがスケッチして見せるとか
チタンで折り紙とか

一般からアイデアを募集

こういうことを考えていますということを
発表するだけでもいい

鈴木
人材育成の観点で考えを述べたい

夢を与えるという言い方

日本人の大人がチャレンジしている姿を
子供に見せるのは非常に重要なこと

できることだけではなくて
子供が成長するのは
大人がチャレンジしているのを見せること

日本人はチャレンジするんだと
分かるようにしてもらえるといい

与えるんじゃダメ
自ら考えるようにしたいと

将来の技術者・科学者を育てるには
チャレンジしている姿を見せる

葉山
全体の構成はいい

6P 2020年の活動
世界初

サブミッション的な公募
2020年に出てくる?

できれば2015年の初期探査でも
公募プロジェクト的なものも
加えたい

広瀬
普通の国民
月の問題
科学技術
2000億円
有人を入れると2,900億円を10年間で使う
いろんな分野の科学がある中で
僕はこのくらい使ってもいいと思うが
うまく説明した方がいい

地雷除去ロボットやレスキューロボットもやっているが

そういうロボットとの整合性
いくら夢があっても納得してもらえないかもしれない
説明の仕方が重要

井上
子細に報告書案を読んだが
一度委員の意見を聞きたいと

宇宙開発は非常に大きなお金を使う
10年間で2,900億円

意義目的
科学だけではちょっと説明が苦しいかと

代表としてロボットと燃料技術が目玉に入っていたと思う

私はロボットが専門
ロボットの技術を最大限活用して
新しい月探査を行う

イノベーションエンジンとして働くのなら
素晴らしい構想だと懇談会には期待していた
事務局の苦労は大変だっただろうが
5P 2015年は5年後
いま目処がついていないと実行できないので
これは致し方ない

2020年 ローバータイプが有力だが
今後の~となっている
書き方としては問題ない書き方だが
この報告書の中にはチャレンジ精神がない

現実にできることで粛々とやっていくという
ようにしか読めない

変えろというつもりはないが
2020年には~
の下に
先行研究を行うなど
適用可能な最適な技術を

この文章がないと
ロボットの開発は受け身に

世の中の技術が進めば使おうという
受け身の姿勢

技術的にできるかどうか
5年後は難しい
10年後にはできるのでは
先行開発に予算をある程度使うような
姿勢がないと
月の仕組みが分かるかもしれないが
その後で世の中がどう変わるのか
この報告書は何も答えていない

イノベーションエンジンに繋がる部分が表から抜けている

新しく加わってきたのは有人活動
前回まではほとんど議論がなかった

ロボット月探査という場合
ロボットの将来に少しでも投資して欲しい
それがあると種になって産業界が活性化する

最初はこの懇談会でワクワクしていたが
最近はちょっとブルーな感じになってきて
しょうがないかと

伊丹
こういう文章を読んで
なるほど、となるよう変えるべきだと思った

2015年にロボットで世界初がないのは納得がいかない
何か作れないかとひねり出した方がいい

古城
分かりやすい書き方になっている

月面からのハイビジョン映像
2015年は月面からとなっているが
2020年は臨場感のある定期的なハイビジョン
これは2015年ではできない?

豊田
2020年は中継のイメージ
2015年は情報をプールして配信

通信技術の容量の問題で
それができるかどうかという問題
今のところは難しい

古城
波及効果
人材育成
理科離れが深刻
そういうことも訴えた方がいいのでは

泉政務官(いま到着)

最後まで出席する予定だったが
参議院の委員が長引いて
またすぐ出ないと

議論も進んできて
私いま空気が読めないので
深刻な話をしていたかもしれないが
感謝したい

山崎さんの件
帰ってきて成功
あかつき・イカロスもいい形
来月ははやぶさの帰還
私もウーメラに行ってみたい

宇宙への関心が高まっている
国民が親近感を持っている中での懇談会

最終的な報告書についても
我々はしっかりと受け止めたい

朝一で宇宙戦略本部が開催されて
私が説明したが
月探査 2020年のサンプルリターンを目指すと
記載した

鳩山総理からは
有人に対する期待の言葉があった

パブコメで意見をもらうが
しっかりと尊重して
重く受け止めたい
宇宙の政策に活かしていきたい

白井
これを実現すると保証さえしてもらえればw


かしこまりましたw
(退席)

葉山
どういう技術でやるんだと
技術革新を引っ張るんだと
これから10年 世界の進歩が激しい
2足歩行 いまは無理だが
2020年にもう当たり前になっているかも
2015年にもうアメリカがやっているかも

7Pのオープンな研究開発体制が重要
きちんとした体制を提言できるかが
議論の結果の1つだと思う
事務局でも検討してもらえれば

毛利
これからパブコメ
2足歩行も含めて
パブコメでいろいろ出てくるだろう

8回に渡って
いろんな観点でここに落ち着いた
いいものができてきたと思う

宇宙関係の人間からの発言がないのは
もう大体この中に入っているのかなと

インド・中国が月探査をしても
もっと現実で役に立つという発想だけ
次のレベルに日本が行くということで
みなさんキツイ意見を述べてくれるのは
嬉しいが

日本は物質的なものにはある程度満足
豊かさの意味が違う

リアルタイムで月からコミュニケーション
生活の質を豊かにするもの
研究開発は豊かにするものだという
発想があってもいいのでは

若者に

「今日の生活をすぐに豊かにするものではない~」という部分はいらない
あと次も文章が長い

的川
宇宙関係者が誰も話さないということで

毛利さんが話がことは重要

私の感想
H-IIA17号機のあと
人から聞いた感想
これで失敗しませんねと
でも種子島では全く逆
準備をして心配をして

一般に宇宙開発
外から見るのと現場はかなり違う
成功が増えるほど心配になるのが本音

この報告書
これまでの議論を踏まえて非常に良くできている
言葉遣いはあるが
雰囲気をもっと前向きに
チャレンジングにして欲しい

20世紀と21世紀では時代が変わった
20世紀は宇宙で競争が激しい
世界的にも戦争
いろんな戦いがあった

21世紀でも戦いはあるが
核兵器や地球環境もあるが
途上国が余所の国をみるとき
教養を見る
パラダイムが変わりつつある
日本は
2050年くらいの予測
GDPは8位になるという

中国はアメリカの2倍
インドネシア、ブラジルにも抜かれる

競争だけでやるとうまくいかない

山崎さんの報道
琴や和服
ロードマスターの仕事も報道して欲しかった
ど真ん中の姿勢をもっと報道して欲しい

日本人が仲間入りしたのではなくて
大きな役割を果たすようになった
そういう日本人が大勢

人と競争して勝つとか
そういうセンスではなくて
貢献するという

宇宙開発を教養の時代と
日本のあり方
負けない、というセンスではなくて
それを通じてどう世界に貢献するか
そういう立場で宇宙戦略を立てるべき

ISSは日本
2020年まで伸ばそうかという
結論も出ていない

時代が大きく変わって
日本が果たすべき役割も変わってきた

月探査以外の太陽系探査
はやぶさやのぞみが獲得したのは
太陽系探査の技術だけではない

挑むことで国民が感動する
元気づける要素がたくさんあった
はやぶさはそういう役割を果たしている

大人がどれだけ頑張っているかを
見せるのは
宇宙開発の重要な側面

月のようながっちりした軸を持ちつつ
はやぶさ的な新技術への挑戦も
宇宙開発の1つの柱に

国際的なプレゼンス
日本がGDP8位になったとき
後ろに行ったと後ろ向きになるのではなくて
8位でも素晴らしい宇宙開発をやっていると言われるように
戦略を立てて欲しい

鶴田
2015年、20年
新しい試みとしてロボット研究者が一緒に
ある種の難しさがあるかなと
従来考えている月探査
サンプルを取ったり分析したり

ロボット技術者が参加する場合
ターゲットが出しにくい
どうやったら双方満足するか
よく分からない

2年後とか5年後とか
探査機の開発は

私が関わった探査
探査が社会からどう見えるか
それは2の次3の次だった

有名な話では
的川先生の提案を
私がむげに断ろうとした

的川
鶴田先生がこのような話を公の場で
話したのは初めて

のぞみのときは
名前を載せてどうするんだと

それより前にハレー探査のとき
名前を集めて一緒に行くキャンペーンを提案した
私もまだ若かったころ

野村先生がイカンと
ロケットは失敗して海に落ちるかもしれない
そうしたら文句を言われる

びっくりした
年取った人はいろいろ考えるモノだと思った

のぞみのときは27万人がメッセージ
野村先生からお褒めの電話
いいことやったと

ハレーのときは握りつぶされたと言ったら
時代が違うんだねといわれた

21世紀になって
かぐやのハイビジョンも鶴田先生にかなり反対された

これは渋谷のある喫茶店で始まった話
宇宙の現場の人がどのくらい国民のことを考えているか
国民と一緒に宇宙開発しているかと
いつも気にかけることが大事

これくらい規模が大きくなると
現場の姿勢が大きな影響を与える

いつも気にかけていれば
いいアイデアが出てくる

そういう方向性を宇宙開発に活かして欲しい

毛利
はやぶさがウーメラに着陸
オーストラリアの方から
これはすごいことなので
日豪で何かイベントができないかと話があった
川口プロマネ
6/6に未来館と
キャンベラとメルボルンの科学館で
川口先生と
向こうの方はサンプル回収に向かうオーストラリア人

みなさん興味がありましたら
6/6は未来館に

久保田
堅い名前の戦略ではなくて
愛称のようなものを付けるのはどうか

白井
いまのタイトル 面白くもおかしくもない
アメリカだともっと落ち着いた名前が付いている

パブコメの前に委員に考えて欲しい

豊田
3週間程度はパブコメにかける

報告書のタイトルはなるべく早く
1週間以内とか決めてもらえれば

宮本
今週中にパブコメにかけられるかなと

事務的にはタイトルが決まっていないと
パブコメにかけられないものでもない

白井
修正の時間はあまりないが

内容の修正は座長に任して欲しい

宮本
タイトルについては明日明後日中にいただいて
座長と検討

なぞなぞ宇宙講座~宇宙への道~

5月9日(日)、ロフトプラスワンにて開催された「なぞなぞ宇宙講座5~宇宙への道~」を見てきた。出演は野田篤司、八谷和彦の両氏で、聞き手が藤谷文子氏というトークライブ。”ホリエモン”こと堀江貴文氏と共同開発しているロケットや、八谷氏が開発している”メーヴェのような飛行機”についての話題が中心となって語られた。

このロケットに関しては、以下のインタビュー記事などを参照。

ホリエモン直撃インタビュー、ロケット開発について聞く
~目指すは小惑星、そしてその先へ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/20100316_354996.html

堀江氏が開発しているロケットについての詳細が初めて公にされたのは、やはりロフトプラスワンで開催された「ホリエモン・トークライブSESSION 6 堀江貴文&松浦晋也&笹本祐一&あさりよしとおの宇宙はそんなに遠くない!」(2009/11/24)においてだ。内容が関連しているので、以下のブログのエントリーも参照してもらえると理解しやすい。

ホリエモン・トークライブ
http://blog.goo.ne.jp/pepani/e/b8692aeded2fe0d19312fa192e46706e

堀江氏のロケット開発グループ、「なつのロケット団」には、宇宙作家クラブのメンバーが多数参加している。野田氏、八谷氏も関わっており、今回のトークライブでは、当事者からの視点でロケット開発の内幕が暴露されている。

以下に速記メモの内容を一部編集(オフレコの部分を削除&自主規制)して添付する。以前のホリエモン・トークライブのときと同様に、録音は禁止されていたので、内容について録音データで確認することができない。なので、信頼性については完全ではなく、間違いが含まれている可能性があることを予めご承知願いたい。

ーーーーーーーーー
藤谷
なぞなぞ宇宙講座は2年半ぶり
ゲストがいないのは初めてかも

八谷
いつもはゲストに突っ込みつつお酒を飲んでいるが
今日は自分たちが被告人、みたいな感じ

野田
こっちの2人(野田・八谷)がこっそりやっていた
藤谷さんだけ知らなかった

藤谷
もうひとしきり泣いた後なので大丈夫

八谷
いつもは撮影もオーケーだけど
今日はヤバイ動画も多いのでNG

でもブログに書くのはオーケー

来月ロケットまつりもある
似たような動画もある

ここでアップされるとあっちからクレームが来るかも

野田
6月はもっと危ないのが来るかも

今日は明るく楽しく前向きに
ロケットまつりは誰かのせいで暗くなるけどw


八谷
前座で30分ほど時間をもらってもいいですか

金沢21世紀美術館で展覧会
オープンスカイの展示もやっている
金沢に行く人はぜひ寄って欲しい
8/31まで

展示はエンジンなしバージョンの機体

ジェットエンジン付きの機体の動画は
今日初めて公開

いま実機は青梅にある

これは福島でテストした写真
まだ飛ばないけど

(動画)

このときは夕方
エンジンがストール
あれ? という感じ

フィルターが詰まっていた
新品を入れたはずだけど

大きなジェットエンジンじゃないので
ゴミが詰まるとダメになる可能性
3重にしていた

問題点がいろいろ

野田
なかなか思った通りにはいかない

八谷
僕の方はだいたいそんな感じ


藤谷
なつのロケット団の説明を
なんぞやと

八谷
なつのロケットという漫画
あさりよしとおが書いている
小学生がロケットを作る話

番外編がこのまえ出た
ネットで見れる

野田
僕がどこの誰だかは一応ナイショにしている
名乗るには組織の許可を取らないとダメなことになっている

僕はもともとロケット屋じゃない
宇宙船を造りたくて某組織に入った
ロケットなんてどうでもいい

最初の段階では人工衛星を安く打上げようと
安いロケットがないとどうしようもない
ロケットがないと打上げようがない

このときにある漫画家と出会った
ロケットの最小構成はどの程度の大きさかと聞かれた
考え込んじゃった
大きくするのはみんな考えているが
小さくするのは考えてなかった

これがなつのロケットの表紙
小さなロケット
小学生ができる規模ということで

半年くらい考えて
このくらいならいけるんじゃないかと
それがなつのロケット

そのあと日本も有人をやるべしということで
盛り上げようとみんなに集まってもらった
それがふじ

こういう有人宇宙船を日本でも作ろうと
2001年くらいの話

この辺の絵は
なつのロケットの続きを書きたいという話があったので
彼らが作れるように最小限の
有人宇宙船を打ち上げるにはどのくらいの大きさと検討

ロケットの全長は12m、直径は2.5m
打上げ重量30t
パラシュートで帰還する

スニーカー
一人乗りの最小カプセル

このイラストは
H-IIAとの比較
(SRB-Aよりも小さい)

人間が乗るロケットは大きいというイメージがあるが
そうじゃないということが自分で書いていて思った

技術的に不可能なところは多分ない
もしかしたら作れるかもしれない

2004年
清里に別荘を持っている人がいる
誰とは言わないが

そこにみんなで集まって話した

国が作るよりも
民間でやった方がいいんじゃないか
そうするにはどうしたらいいかとなると
お金を一番持っている人に話をするのが
いいんじゃないかと

某SF作家が
わずか2週間でアポを取ってきた
本当におっちょこちょい

飛ぶ鳥を落とす勢いのとき

話がトントンとすすんで私もびびった
八谷さんと知り合ったのもこのころ

そのあとみんなでこれはやろうよと

さっきのロケットはロシアから
エンジンを買えばいいやと思っていたが

ライブドアから話が行ったが
ロシア政府がダメと

そのあと
エンジンを作る気になってきた

小型のエンジンを
社内ベンチャーとして立ち上げようと思ったが
みんなによってたかって断られた

なぜなら予算がつかない
新しい要素がないとお金がでない

なつのロケットは
新しい技術を一切入れないのがコンセプト

オーソドックスなエンジンで構成するとなると
その瞬間にアウト

2005年の暮れに
堀江さんに話をしたら
自分たちで作ろうという話になった

その最中にバレちゃって呼び出し

八谷
学校みたいな会社ですね

野田
でも説明したら
あの組織ではできないから
そういうところとやるしかないねと
分かってくれた

そうしている間に東京地検が動き出して…

藤谷
私も何かやっているのは感づいていた
2人が「行こうよ」とか話をしていたので
近づくと話をぴたっとやめた
これは怪しいと

野田
それは帯広に行く前

八谷
大樹町に航空公園
野田さんとS本さんと行った

野田
向こうで食事していたとき
堀江さんがそろそろ保釈されたけど
どうしようという話をしていた
2006年8月

あちこち町工場をまわって
ロケットエンジンですと言うと
断られる

一点ものだと儲けにならない

藤谷
夢のあるところを探さないと

野田
蒲田にいた
4件まわって「バカヤロー」的な対応をされたのは1件
あと3件はわりとのってきたが
うけてくれたのは1件

(動画)

これは某漫画家の家
ユニットバス
水流し試験

いきなり液酸とアルコールは流せないので水で試す

2007年
鴨川に場所を移行
都内の漫画家の家はまずいということで

これはモーターでバルブを開閉するもの
タミヤのモーター

このときはハンダ付けの嵐
僕ともう一人でやった
いやになるほどやった

さっきのは試作機
同じモノを10個作る

(動画)

近くに人がいるが出てくるのは水
燃焼室はまだ付けてない

八谷
インジェクタの試験が大事
液酸とエタノールをぶつけて燃焼させるが
その前にガス加圧
バルブのシーケンスにあわせて
開閉がうまく行くかチェックしている

こういうことをチェックせずにやると
我々はここにいなかった

野田
ちゃんと手順踏んでいたので時間がかかった

2008年
液体窒素入れ

最初に液体窒素でテスト
苦労した
結論 じょうごで入れるのはやめた方がいい

水は入ったので普通は
液体窒素も入ると思う

八谷
でも即座に気化して下から押し上げる

野田
これで土日が潰れた
近くのホームセンターで買ってきた
デカイじょうごで試してもダメ

(写真)

八谷
エンジニアリングのメインは3人
野田さんとMさんと牧野さん

牧野さんが入ってからすごく早くなった

野田
牧野さんの発案による
ガス押しの注入器
下からごぼごぼっと入れる
これで入った

僕らが一番驚いたのは
水で入ったのがアルコールで入らない
水と全然違う
粘性が違うのか

(動画)

次は燃焼
初めて液酸とアルコールで
燃焼室を付けないで火を付けたもの
5/17

社長は参加率高いし遅刻もしない

僕と牧野さんと後ろの黒い人
この3人が技術者
その次に技術を分かるのが堀江さん

トラブルシューティングがすごい
問題の切り分け
IT企業のデバックと同じなんだと

(動画)

パラメータを変えて実験している

いまのを20倍のスローモーションで取っている
これは某漫画家が持ってきたカメラが大活躍

これで確認してどのパラメータがいいか判断する

プラグはカローラのもの
なんでカローラにしたかというと
どこでも手に入るから
それにスーパーカブ用よりもこっちの方が安かった

インジェクタも何枚も作っている
角度を変えたり

当時2~3週間に1回は鴨川に行っていた

藤谷
これは有人で宇宙に行くため?

野田
まずは無人
人工衛星100gでもいいから上げようと

有人は簡単にできるとは言い切れないが
こういうのを積み重ねないとできない

藤谷
今日のテーマは?

野田
明るく前向きにw

(写真)

初チャンバーの燃焼

1Fと2Fで分かれている
エンジンからはかなり離れている
オンラインコントロールで

ロケットのコントロールルームに見えない
みんなTシャツ

(動画)

ビデオではこのときの音の100分の1も再現されてない
衝撃波が来ている
音速を超えているので雷みたいな音が地響きとともに

あまりにも音がひどいので
これはもう日本じゃできないという話に

(動画)

2009年の8/22の動画
撮影場所が違う
高速度カメラ
条件は似ている

音はとんでもなくうるさい

次は別角度の映像
内圧が上がって輪っかが見える
ダイヤモンド
音がクロスしながら進む

よーく見るとシャトルでもアポロでも
これが出ている

あれが広がれば広がるほど速度が速い
あれが出ていると音速を超えている

八谷
鴨川でやっていたが
このまま続けると間違いなく通報されると
別の場所を探さないと
半年くらいいろいろあった

野田
半年くらいはチャンバーやノズルなしの試験をしながら
場所を探していた

北海道で
植松電機

カムイロケットを作っているのが
北大の永田先生と植松電機の植松専務

みんなで話をしにいこうと行ったのが
2009年4月

怪訝な顔で迎えられた
ビデオを見せたら
段々向こうの顔色が変わってきた
LOXを入れるだけでも大変ですよねと言うと
そうそうと

IT長者が顔を札束で殴りに来たと思っただろうが
それで仲間が来たとなった

帰りに植松さんに言われた
「我々は一人ではなかったんだ」と

八谷
植松さんは、みんなもっと真似して欲しいと思っていた

僕らは場所が必要だが
やり慣れてない場所ではできない
収まるべき場所に収まった感

液酸はすぐに切れる
いままでは鴨川に誰かがいないと受け取れない
足りなくて中止というのも何度もあった
植松電機ではそういうことがなかった

~休憩

藤谷
2人はなぜこんなことをしているのか?

野田
宇宙に行きたいから
個人的欲望から入ったが
いつまでたっても宇宙に行けない

いまの宇宙開発は
はっきり言ってあまり面白くない

誰でも参加できるような形にしないと

いまのままだと
宇宙船を造っても
選ばれた宇宙飛行士だけ

もっとみんなで使えるものに

一番最初に考えたのがインテルの4004

世界初のマイクロプロセッサ
コンピュータをいかに安く作るか

何億円もしていたコンピュータが
4004により子供の小遣いで買えるようになった
手に入るようになったときに爆発的に普及した

それを宇宙の世界でやりたい

最初の段階として
みんなで宇宙に行ける世界を作りたい

最初は無人の人工衛星でもいい
そのつぎに人間が

一昨日50歳の誕生日になった
10歳のころから夢見ているが
悲しいことに半世紀が経ってしまった

僕は世界で一番ロケットに冷たいロケット屋
ロケットには興味がないが
ロケットしかない
自分で作るしかない

某組織では衛星屋だからロケットは
やったことはない

秋葉とホームセンターと東急ハンズで買ったもの
あとは蒲田の町工場 おじさんと言うよりも若い人だが
そういうメンバーで作ったというのがいいでしょ

「宇宙暮らしのススメ」という本

宇宙暮らしのススメ
野田 篤司
学習研究社

このアイテムの詳細を見る

僕の究極的な目標は小惑星ではない
究極の目的は空間をねじ曲げて光速を超えること

そこまでいくと理論もへったくれもない

人類が外に広がるのが僕の夢
それを考えると一部の国家が独占して
何を考えているか分からないような宇宙開発
そういう状況はなんとかしたい

さっき言ったコンピュータのような
ブレイクスルーが起きないかと

そういう時代が来て欲しいと願っている
それが今のモチベーション

そういう時代が来たらどうなるか
小惑星に移り住んで
何十億人も移住してジオン公国を名乗るとかw

(動画)

これは赤平に移動してから

八谷
1日に何回もできると
みんな喜んでいた

野田
カムイの実験と同じ場所
まわりの人も多少音が出ても許してくれる

本当にいろんなパラメータをふらないと分からない

八谷
この「初爆発」ってファイルは?

(動画)

野田
この音楽(パズーのアレ)が流れると胃がキリキリ痛くなる
シャトルで山崎さんが朝これで起きると

ここに緊急停止ボタンがあるが
いかに人間が役に立たないかと
反応が全然遅い

(動画)爆発

植松電機の人は慣れているが
僕らは初めての経験だった

燃焼がうまくいかなかったことはあったが
爆発は初

誰一人ケガもしてないけど
こんなの初めてだから

(動画)

これがスロー
点火が遅れて
中に燃料がビチョビチョ
その状態で火が付いたらどうなるか

(動画)爆発
…ない

次は別角度
これは笑える

(動画)燃焼室が吹き飛ぶスロー映像

でもカメラは壊れなかった

今までが30kgfクラス
次が100kgfクラス

チャンバーなしのバージョン

ロケットエンジンの前に雪だるまを置いてみた
100kgf級のエンジン

この音楽(パズーのアレ)
植松さんの人も胃が痛いと言っていた

(動画)頭が吹き飛んだ

見事に吹き飛びますよね

次の動画
SNSのサイトに出てるやつ

(動画)

八谷
次の爆発

続きは次回来たときに
これはすごかった
これは特撮だろうと

野田
こういうことがあるんだなぁと

ありがたいことにこんなことがあっても
何の問題もない

もちろん全員安全なところに逃げている

次はこの前のやつ
500kgf級

八谷
まだ燃焼室がないバージョン

野田
燃焼室がなければ
たいしたことないだろうと思っていたが

(動画)アブレータが飛んだ

左耳だけ殴られたような感じで痛かった

全部のシーケンスをiPadに書いている
堀江さんが進行をやってる

八谷
質問のまえに
さっき見せ忘れたモノ

(ケーキ登場 ローソクと花火付き)

次は質問コーナー

Q エタノールを選んだのはなぜ
Q 宇宙開発が身近になった
Q 堀江さんのこともぜひ

野田
堀江さんは世間のイメージだと
お金だけで何もしてないんじゃないかと
でもそんなことはない
パイプのカットとか
一緒にいろいろやってる

チェックリストを読み上げるのは堀江さんの役割
当たり前だけど指令がうまい
ライブドアを動かしていただけあって
彼は完全に仲間

液体水素は危ないのもあるが
扱いが難しいのと軽すぎる
燃料タンクが大きくなる
液水は損

比較的入手しやすくて
そこそこ燃える液酸とエタノール

もう1つの理由
エタノールは自然界に存在する
汚染の心配がない
石油ならばらまいたら汚染になる

燃え損なってその辺に飛び散っても
問題ないようにエタノールを選んでいる

八谷
ケロシンにしなかったのはその辺がある

野田
性能はケロシンの方がいい
ただ検討はしている
土壌汚染しないようにどうしたらいいか

Q 鴨川は誰の家?

野田
いまはもうないはず

Q 堀江さんが仲間になったのはなぜ?

野田
彼は宇宙オタクだった

始めライブドアに行ったとき
大金持ちに会いに行くつもりだったが
単にオタクの友達が増えただけ

僕は六本木に行っても肌に合わない
代官山でも合わないが
六本木でも堀江さんの家はいい
ロケットの模型が山のように並んでいて
その横でミネラルウォーターを飲んでいる

マンガも山ほど置いている
読むと設計ができないから読まないようにしていたが

もっとひどいのは植松さんの部屋

Q ロケットの設計は誰が?

野田
僕と牧野さん
1号機は僕で
2号機と3号機は牧野さん

今年できれば飛ばしたかったが
来年になりそう

カムイの90型と外見的には同じ
ハイブリッドエンジンを
液体エンジンに置き換えてやろうと

八谷
小さい衛星をやっている人に問題なのは
頻度が絶対的に少ないこと

あと試験も意外と負担

野田
たくさんやっている
野尻さんが人工衛星を作りたいと

女の子がネギを振るだけ

国家のためにそんなものは上げられないと言われる
カネを払うと言ってもダメ

それを打破したい

コンピュータも今はくだらないことしかしていない
ゲームとか

昔は高尚な科学のためにと
エロ画像をダウンロードとかあり得ないと

Q カムイは宇宙に届いてない
一番の障害はなにか

八谷
僕も遅いなと思っていたが
一緒にやって分かるのは
技術的な難しさではない

法律がそもそもないので
打上げのたびに
関係の各省に話を

あと海方向に打上げ
回収しないと
漁船も手配しないと

技術的には200kgf級のテストもしてる
でも途中の高度であえて止めている
高く行かないようにしている

僕らが一緒にやることで
そういった問題を打破できるかも
一緒にやることでブレイクできるかも

どっちが先に高度100kmに行けるか
彼らが届いてないのは決して技術力のせいではない

野田
どっちが早いかというとやはり競争
軌道に乗るのが目標だが
宇宙は高度100kmから
まずはそこで競争
競争をやるようになって始めて面白くなる

ここで向こうが勝つとは言えない
当然僕らが先と

八谷
向こうは全て確実
ランチャーもすぐ設置

野田
僕らはオタオタしながらやっている

藤谷
私は宇宙に行きたい
何の努力もせず
そのときに妨げ
説得力がある
宇宙に行かなければいけない理由は?

野田
いまは崇高にしすぎている
それがにっちもさっちもいかない理由
ネギ振りでもいいじゃないかと

俺がいいからいいと
1万件のうちに1つくらいが花開けばいい
そういう世界にしたい
99%がゴミでもいい

山は富士山もそうだが
裾野が広くて頂点が高くなる
そういう世界を作りたい

くだらないかもしれないが
俺がやりたいからやるという

Q 燃焼試験はどうなれば成功?

野田
圧力や推力や流量や振動を全部取っている
データが設計計算通りに行けばオーケー

八谷
ギリギリにしてみようというのも始めてるので
爆発モノがこれから増えるかも

最終的にはロケットも軽くしないといけないので

野田
いまは試験用に頑丈
筒が破裂しない
これが破裂するような可能性もある

八谷
試験は燃焼が成功したから終わりではなくて
次はもっと軽くてもいいんじゃないかと

野田
少しずつ軽くして
ある日削りすぎてドッカーンと

八谷
そういう蓄積がないとできない

Q いくらでできるか
有人はいつくらいになるか

八谷
有人はいつか言えない

野田
目標は1,000万円
達成できるかは分からない

無理だという人もいるし
楽観的に考えても難しい

重量あたりだと不利
1kgあたり100万円が大型ロケットの相場
それよりは高くなる

必ずしも単価が安いといって
デカイのが有利ではない

大型トラックより
スーパーカブの方が買いやすい

そう考えると1,000万円が限界ギリギリかと思う
それくらいなら買えるぞと思う人がいる
僕も嫁と子供がいなければ…

100億なんて個人では出せない
国に頼ることになる
そうなると理由が必要

1,000万円なら失敗しても
俺のカネだと言える

八谷
くだらない使い方も僕は聞きたい
ネギもいいがそれ以外にもあると思う

Q 一番最初に飛ぶのは誰?

野田

藤谷

八谷
僕は乗りません

Q 宇宙開発で役に立つ家畜はあるか?

八谷
最初に人は乗せられない
何か乗せようかという話をしている
ゴキブリはどうかと
強いし
死んでも仕方ないかと

あさり
以前同じ話が出たときにキジを勧めた
ソ連が犬でアメリカが猿だったから

八谷
ゴキブリ、亀、キジ
その次は豚かなと
スタッフがおいしくいただきましたと
牛は重すぎる

Q 実験機1台の費用は

野田
30kgfクラスは安い
自動車1台分もない

その次も
車もう1台くらい

八谷
でも安定すれば生産はもっと安くなる
自動車1台というのは爆発も全部込み

僕は1,000万円
楽観している
量産の費用では

野田
1,000万円なら世界が変わる
億の単位になると大体の人は引く
でも1,000万なら考える人も

八谷
前も言っていたが
デアゴスティーニバージョンとか
あとは自分で作ってくださいとか
作るのは楽しい

今回はFRPが
次号は燃焼室とか

野田
1つ買い損ねると大変なことに

藤谷
そのときはオークションで

Q 一番楽しかったエピソードは?

野田
やはり燃焼のとき

堀江さんがあんなに笑っているのは
映像でもなかなかない

八谷
打上げを近い距離で見れると
それだけで面白いと思う

Q エンジン燃焼実験の公開予定は

野田
当面は公開しない
単純に危ないから
ある程度自信がついたら
大将(堀江さん)が決めるでしょう

八谷
公開には前向きな人

野田
とにかく安全性に自信が付くまでは
今はいつ爆発してもおかしくない

月探査に関する懇談会 第7回会合(速報版)

4月26日に開催された「月探査に関する懇談会」の第7回会合にて、報告書の骨子案が提出された。数日以内に、宇宙開発戦略本部のWEBサイトにも掲載されるだろうが、一応こちらにもアップしておく。

4/27追記
資料が掲載された。こちらからダウンロードできる

○資料2 月探査の考え方の見直しについて(案)
ページ1
ページ2

○資料3 月探査に関する懇談会報告書(骨子案)
ページ1
ページ2
ページ3

そしていつものように取材メモも添付。録音を聞き直してないので漏れている箇所があるし、間違いも残っているだろうが、面倒なのでそのままにしておく(2時間のテープ起こしには4時間くらいかかるのだ)。そのためソースとしての信頼度には留意して欲しいが、事務局の公式な議事要旨はいつになったら公開されるか分からないので(3カ月前の第5回のがまだ掲載されていない)、参考までに載せておきたい。

ーーーーーーーーーーーー
白井座長

ロボットのイメージについて
まとめておいた方がいいのではないか

その後で月探査やシナリオについて議論

どのようなロボットを目指すべきか
ロボットの専門家4名にお願いしていた
その結果の報告

資料1は長谷川
資料1-1は井上


長谷川

何回かディスカッションした

主要は2P~3P

2P
基本的な認識

(資料読み上げ)

ーーーーーーー
井上

そもそも意義・目的として3本


・国際プレゼンス

この懇談会の第1回
資料2にあった

第1段階
ロボットを活かして~
調査

私はその立場で検討してきた

大きく分けると2つ意味がある

1つ
JAXA 月探査を考えていた
そこで月面ローバー
その延長で確実に探査ができるような案

もう1つ
技術のフロンティアとしての高度なロボット
どんなロボットか
ロボット産業のイノベーションとして人型
もしそれを実現するとなればこうというのがこの資料


月探査の予算でロボットに関するのは1割

8~9割はそれ以外に
その中でロボットについてどう考えるか


JAXAローバー案
ヒューマノイド案

目的が違う
一緒にやるのは困難
確実なモノはJAXAのローバー案しかない

将来を考えたら今からどう考えるか
それがヒューマノイド案

それをどう融合させるか
取り込みながらやるか
それを補完的統合案と名付けた

1台のロボットには全てむり

ローバー
ヒューマノイド

外国の動向
ヒューマノイドは夢物語ではない

ロボノートをISSに
NASAではプロジェクトM
1000日以内に月に持って行く

技術内容を分析すると
我々が考えている案に似ている
この懇談会の後に始めたものだろう

葉山委員から絵が出ていた
絵はプラスとマイナス

2020年 どんなロボット
目標
作業を代行

基地を建設
基地に残る

科学者と技術者と市民にわけて考える


今からどうすべきか

ヒューマノイドは
今でも数千万で売っている
地上で実験をやる

次の5年

研究開発も

最先端技術を取り組むために開放性が必要
開発のときから技術パートナーシップが必要

JAXAが中心にはなるが
宇宙以外の専門家も呼び込んだ方が


システム開発のパラダイム転換


インフラ

5~10年
運搬費用を使えば
いろいろ持って実験できるのは実現できる

大きな月探査

ーーーーー
白井

だいぶまとめてもらったが
質問や意見は

ロボット
この5~10年
そういうスパンで現実的に
月を考えると
こんなストーリーになるのではないかと

若干
もあるが

イメージが示されたのではないか

毛利
ロボットの月探査
専門家が議論したので
説得性があるが
1つ井上先生に質問

せっかく国全体で体制を組むという
非常に重要な立場に日本はある

システム開発のパラダイム
日本にとって重要だと思うが
もう少し説明を

井上
これから先 産業にしてもこうなるだろう
車が1つの例
研究開発
アポロから
大きなパラダイムだったと思う
将来大きなモノになると予算が膨大に
ロボットの観点からすると
あれは総合技術
機械
エレクトロニクス
システム
一番進んだモノを取り入れるとなると
モジュールが交換可能になっていないといけない
インタフェースをしっかり決めて
プロトコルをしっかり決める
そういう形で研究開発をしないといけない

現実に知能ロボットの開発はこうしないと成功しない
そういう体験

今決めて15年先まで縛れない
人の出入りや技術のアップデートもある
トライアル
夢のある大きなプロジェクトでトライアルができればいい
プロジェクトM
Mはムーンと1000
一つの研究開発のやり方かなと

毛利
今までは研究者レベルの予算で
今回は

おそらくこういうシステム開発体制
そのほかの分野でも参考になるかなと

葉山
産業界として参加したが
2020~2025年を対象としたロボットの開発

長期的な視点も入れて

一見すると2つの案が出たように見えるが
時間的な経過もあるが
これからは宇宙ビジネス、宇宙産業を視野に入れながらやる時代

月探査
科学的な探求でするが
技術のイノベーション
エンジニアの育成
という観点も

将来伸びていく宇宙産業、ビジネス
日本が海外に売り込める技術を
持って行くことが重要

井上先生からパラダイム転換
ヒューマノイドのみではなく
ローバー主体のものでも
世界に対して取り込める
体制をきとんと
できれば提案できれば

ーーー
国井

パラダイム転換
自動車産業だけでなく
オフィス機器でも極めて重要

米国のIT系産業の発展
NASAの技術の貢献が大きかった

とりわけ人材

日本がそれだけ弱いというもの
ぜひこういうプロジェクトを強化して
現実にローバーの方が月探査には有力
それに対してどれだけチャレンジするか
4足でも何でもいいが
統合的なシステムにチャレンジして欲しい

予算の制約があるが
ぜひともこういうプロジェクトを進めて欲しいと思う

久保田
システムなのでいろんな問題が出てくる
評価、検証のシステムも作ってもらって
見直しをしてもらう

白井
大体イメージが分かった

次に月探査
6回議論してきたが
これまでの我々のまとめかた

誕生、進化を解明する科学的意義
ロボット、エネルギー、人材育成

波及効果

そういうストーリーで大体まとまってきた

ではなぜ月でないといけないか
探査対象はいろいろある

月探査が特に重要であるといえるのか
これは個人の興味にも依存するが
優劣は付けられないが

重要性を位置付けるストーリーを作るのが1つ

もう1つはオバマの宇宙戦略
必ずしも

有人での月着陸は取りやめるのは明確

火星
可能性は難しいんじゃないかという批判はあるが

この懇談会はこの国際動向
影響するものではないが
しかし日本が月を目指すことについて
十分な戦略的な価値を考える必要があるだろう

この委員会以外にも
大臣の下に有識者会議
この提言がまとまった
そのメンバーともこの前意見交換

若干ニュアンスの異なるメンバーが多かったのは有意義だった

それも踏まえて今後の考え方

どういうことになるか

いま月を目指すのか
何故月を目指すのか

月の重要性

3つにまとめればいい

1.月は最も近い
日本が重力があるところで何かやるには月しかない
まず探査して帰還する技術を得る

2.そこに科学的な重要性
日本は月では世界で最先端
引き続き世界をリードするような
月はやめたというのは損

3.有人、無人は問わず複数の国が月を目指す
そういう状況の中では
将来的な月の開発利用ということになる
月で活動しているんだ
関心が高いんだということを
明確に

効果的に進めるのはどうするか
まとめた

そろそろ報告書を作らないと
来年の概算要求に間に合わない
事務局に作ってもらった

国民の意識調査もしている
まず事務局から資料の説明


宮本参事官

たたき台を作成した

左側にこれまでの考え方
目的 2つを大きく
シナリオ
2025年にサンプルリターン

右側が見直し案
重要なのは月だけではない
様々な天体の探査が重要

1.太陽系探査のための技術の確立
重力天体への往還技術
月は最も近い 最も適している

2.世界トップレベルの月の科学の発展
中国インドも取り組んでいる
やめてしまえば日本の優位性は失われる

3.国際的プレゼンスの確立
月の資源の開発・利用が進展
持続的な活動
人とロボットの
リーダーシップ発揮を可能に

シナリオ
3本柱を低コストで効果的に
技術
科学

2020年に月の南極に基地を建設
サンプルリターン

2015年は最初のステップ
月面への軟着陸
600~700億円

2020年
サンプルリターンは小規模にやったらどうか
累計で2000億円
前回のシナリオから増やさないでできる

以上がメインミッション

有人のキーとなる技術を平行して
2020年までに見通し
900億円

2020年以降
さらなる発展的探査を目指す

資料3 骨子案
全体のポイントを示したので3枚
大きく1~5章でまとめたらどうか

1は今説明した内容

2 事実関係の整理

3 取り組み

4 基本的な方針
有人の具体的な目的は定めない

5 位置付け


参考1 アンケート

インターネットから調査を実施
シナリオを紹介した上で調査
6000サンプル

ーーーーーーーー
白井

意見をどうぞ

折井

井上・久保田が言っていた
宇宙開発にはお金がかかる
肝に銘じないといけないが

従って評価
終わった評価でなくて
毎年評価する仕組みを入れて明らかにすることが重要

資料3に
サイクルをやるんですよと
文言に入れて欲しい

白井
具体的に大きな

鶴田
月の科学
内部構造調査とサンプルリターン
この2つは非常に重要

骨子案で混乱したのは
月の内部構造を調べるためには地震計を数カ所に
国際協力でいいが

その議論がないままに内部構造を明らかにするという
議論になっている

もう1つは南極
裏側の隕石がと
実際にそうこうことはあると思うが
どうやって区別するのか
もっと専門家に

白井

宮本
月の科学の専門家とも話をしている
いま来てもらっているので

専門家(JAXA加藤)
地震計
広帯域地震計
水平方向は難しいが
縦方向の変化が分かるような仕掛け
もし単独になってもかなりの内部情報が分かる

インド中国とは継続して話をしている

南極に行く意義は
長期の地震観測ができるエネルギーが得られる
あわせて地質学では
直径2500kmの太陽系最大のクレーター
地層ができているはず
その地層を丹念に調べると
本当の年代が分かる

白井
北極は

専門家(同)
典型的な高地 一番古いところ
地質学としては行きたい第1希望だが
地震学では2020年では難しい
太陽エネルギーが取れるのは難しい

鶴田
アポロのは

専門家(同)
アポロのは
3点ないと全く分からない

鶴田
私は現役のころ
ペネトレータを散々やってきた
ここでいきなり1点でいいと言われて奇異な感じが

専門家(同)
地球も広帯域と狭帯域
同じアプローチ
両方とも狙うのが一番
ネットワークで構築するのがいい

鶴田
世界をリードするとあるが
世界的な(良く聞こえない)
そういう書き方にしてもらった方が現実的ではないか

オグミ
2020年
世界で初めてが大事なのか2020年が大事なのか
科学的価値の高い岩石

宮本
2020年
それより先は技術的に難しい
世界で初めても重要
2002年は技術的なところから出ているが世界初は狙いたい

オグミ
それでは先を越されたらダメになるのか

宮本
観測でも世界でトップでないといけない
今の段階でこれは世界トップだろうと
世界の状況を考えていかに価値があることができるか
その場合には絶対修正しないことはないが
技術は

往還活動は必要
世界に遅れようがこの時点で確立したい

専門家(同)
月はいろんな人が調べているが
かぐやで確定したこと
リモセンの領域範囲ではみた


全球に渡って分布している
そのデータも大いに使っている

井上
懇談会の報告書はどこに出すのか

私はこの懇談会
大きな柱があった

この報告書の中ではそういう立場は
考えはどこに書かれているのか
4番の波及効果のところか

先導するイノベーションと波及効果は全く違う

先導するんだという高い思想と意義が入っていた
それが第2回の委員会の資料1のP1~2
それが報告書には

白井
委員会の名前が
技術は当然波及するだろうが

幅広い議論

鈴木
エンジニアリングの立場からは全く正しい道
もっとも近い月で技術開発
真っ当な正しい考え
基本的には正しいと思う

1つ気になる点
技術基盤の構築
具体的な議論はしてない
規模がこれでいいかどうかは議論

技術基盤の構築
お金が小さいと要素技術のみ
システム開発ができない

900億円は小さいのでは

別の面からいうと
Plan do see
と評価しながら変えるのが重要

2000億円
将来に禍根を
フレキシビリティが必要

白井
もうちょっとしっかりしたプランにしておかないと
現実的にはそうかも

久保田
有人をするといろいろある
輸送系が重要なのは同感
900億円でいいのかという話も出たが
基盤となると
可能性のあることをいろいろやらないといけない

有人ロケット、有人宇宙船という言い方
またかと思われるかもしれないが
ロケットでいいのかと考えると
現状ではシャトルが退役
ソユーズがロバストで信頼性が高い
これが確実な輸送系であるのは確か
でもそれでいいかとまだ考えている

輸送系は必要
有人輸送系という言葉で
基礎技術をやってもらうといい
有人ロケット、宇宙船を含めた輸送系
そういう書き方がいい

葉山
各ページにロボットという言葉がたくさんでてくるが
ロボットが有する技術、機能
ロボットの姿が
ロボット月探査というわりには
この文言からは見えてこない
想像するしかない

ロボットや次世代エネルギー技術の革新、人材育成
波及効果とあるが
それがあって初めて日本らしい月探査

どこまで具体的に書くか
見えるようにできれば

白井
ロボット技術には2つ
月探査だから月面で何をやるか
宇宙で有人に関係するが軌道上でのロボットの活用

具体的なことを書いた方がいいかもしれない

井上
ロボットの観点から言えば月は非常に特殊

人材育成にも効果

白井
まだ発言がない人は

的川
喋るつもりはなかったが
第1回 有人を視野に入れた
有人をやるのになぜ月からと発言したが
時間をかけて議論して
報告書の原案が示されて
ずいぶん時間をかけた割には普通の案が出てきたなと
しかし普通の案は妥当な案だと思う

米国の宇宙戦略
オバマは月はもう行ったからと発言

人間が行ったからもう人間が行く必要がないというニュアンス
月探査をやらないという意味ではないが
当面、月が重点ではないという言い方がある
それで日本の月探査はどうなると新聞にも

月は日本にとってはかなり重点を置いてやらないといけない目標
米国が方向転換したからといって
日本が月から目を背ける必要はない

一番近い天体に対して
いろんな技術を注ぎ込んで
科学的な意義があることを確認

太陽系を自在に活動するという目的からいえば
月だけが確かに特殊ではない
金星もあり火星もあり小惑星もあり
日本にははやぶさという立派な経験もある

太陽系全体を見ながら月探査を進めるという観点は維持したい
今後の予算配分も含めて
惑星系すべてに目を向けて探査を進めるという
計画は維持しないといけない

有人について
当初から月探査と有人というのは
重点の置き方が違う

このメンバーを見ても
有人の議論をやるなら別の場所でやらないといけないなと
あまり適当でない印象を持つ

月についても私はそう思っていた
月の専門家が一人もいないのは不思議
加藤先生が答えたように
月探査の2015~2020年の具体的なものについては
もう少し専門家が議論したほうがいい
ここでいい悪いを議論する資格は我々にはない

有人に関して900億円というお金
日本の宇宙
具体的に有人を視野に入れたお金が出たのは初めてのこと

これから新しい議論をしてこの900億円が消えていくのは困るが
有人の議論は場所を改めて、しっかりやってもらうのがいいと思う

これからISSの2020年までの延長の議論が本格化

参加各国で議論 賛成・反対が出る
日本でも毎年400億円の意味 議論が出る
その中で日本がこれから本当に有人計画をやるのかどうか
やるのであれば400億円がどうなのか
ISSの延長がどうなのか

国際的なプレゼンスを維持するのに
それは国家の戦略だと思うが
宇宙開発が国家戦略として重要かどうか
そういう立場での議論が有人だと思う

議論の場を確保して欲しいと思う

里中
税金を使うので説得力の面で分かりやすい方がいい
必要なことを真面目に書いているが

オバマ
米国の場合は国威発揚で力を入れているのが伝わってきた

科学力のイメージアップのために
自信と誇りを持つような何かを

米国が月から手を引くということでショックを受けている人
もう月はいいんだという人
がいるだろうが

私は素人だが
なぜ手を引くのか分からない

米国の判断にそう振り回されなくてもいい
月とロボットと

アンケート
一人当たり200円
非常に多かった

はやぶさのけなげな姿が目の当たりにできれば
これが300円くらいになるのでは

はやぶさの帰還時
何も入ってなかったらどうしうようとビクビクせずに
みんなで盛り上げていくのが
子供達から

広瀬
10年間で2,000億円の予算で
ロボットが動いて地球に持って帰る技術
すごく大変なこと

これからやるのはすごく大変なことで
集中してやろうという方向性になっているのは賛成

白井
固まってくると議論が面白くなくなってくる傾向はあるが

次回までに
報告書の骨子を修正したい

有人の技術基盤の構築
輸送系の可能性を極めようというストーリーがいいか

2900億円で有人の基礎が
2020年までに大体できればいいんじゃないか

結構夢はあると思う

今日もらった意見のなかで
システムの問題

実行する機関、組織
評価の重要性
それも重要

技術開発をやっていくこと
何ができるかという

確かに米ソがやったのは国威
中国インドは追いつけという意味

日本はその真ん中で
我々は何のためにやるのかという
イメージをどう表現すればいいか

本当に実行されるときには
「なんとか計画」とか
イメージできるようにしないとつまらない

米国はすぐに「なんとか計画」とか言う

井上
目玉というか派手に
この懇談会はもともと2足が派手

有人で900億円を足した

その中に人型を送るのであればプラス数百億円
そういうのを足していくと華やかになるかもしれない

宮本
次回は今日の意見も踏まえて
文章も披露したい
詳細も書きたい

骨子案の文章そのものというよりも
こういうものをかいてくれという意見

コメントがあれば4/30厳守で
事務局に欲しい

白井
月探査の重要性というよりは
太陽系全体を意識するというストーリーに

内容が変わったわけではないが

小惑星探査機「はやぶさ」に関する記者ブリーフィング

4月22日、JAXA東京事務所にて、小惑星探査機「はやぶさ」に関する記者説明会が開催された。「はやぶさ」に関しては、すでに昨日、地球への帰還日などが発表されているが、今回開催されたのは、ウーメラや相模原での取材に関するブリーフィングだ。

小惑星探査機「はやぶさ」搭載カプセルの地球帰還について
http://www.jaxa.jp/press/2010/04/20100421_hayabusa_j.html

詳細については控えさせてもらうが、プレスに対しては、現地のホテル事情、交通情報、通信事情などについて細かく説明があった。

予算的に、多分私が現地に行くことはないだろうが、個人で行こうという人のために、分かる範囲で情報を提供しておきたい。「はやぶさ」ファンの中には、現地への渡航を自粛しようという動きもあるようだが、私としては、あまり気にしなくてもいいと思う。もちろん、ルールを守って迷惑をかけないことは前提だが、行けるだけの旅費と休暇と熱意があるようなら、遠慮せずに「はやぶさ」を出迎えに行って欲しい。

現地からの報道は、おそらく、各メディアとも似たような場所からの画になるだろう。そうなると同じようなアングルの写真・動画ばかりになるし、万が一、その場所が曇っていたりしたら、「はやぶさ」の再突入の画が全く残らないことになってしまう(どこか、空撮とかする会社もあるだろうか?)。オーストラリアは広い。私は勝手ながら、いろんな方向からの撮影にチャレンジしてもらえれば面白いかな、と期待している。

「はやぶさ」の再突入のコースについては、こちらのPDFファイルの5ページ目に図が出ている。

「はやぶさ」試料回収カプセルの再突入に係る計画について
http://www.jaxa.jp/press/2010/03/20100331_sac_hayabusa_j.html

その図を見ると、「はやぶさ」はウーメラの西北西から進入してくることが分かる。なので、ウーメラの西側の方が、ファイアボールの観測には適している。私はオーストラリアには行ったことがないので、どのあたりにホテルがあったりするのか良く分からないのだが、軌道を予測して、見えそうな町から観測するくらいなら、特に問題はないだろう。現地は夜であるので(日本時間23時ころ)、数百km離れても見える可能性がある。

※ただし、安全には注意! カンガルーなどの飛び出しがあるので、夜間の車の運転は危険とのこと。制限速度も厳守! 行き当たりばったりでなくて、事前に調べて、ホテルも予約しておいた方がいいだろう。もし行くのであれば、周到な準備をお願いしたい。

最も注意して欲しいのは、カプセルの落下地点が立入制限区域(WPA:Woomera Prohibited Area)であること。オーストラリア国防省の管理下にあるので、許可なく立ち入ることはできない(だからこそ落下点に選ばれたのだろうが)。この制限区域は結構広く、これだけで日本の国土の1/3くらいあるらしい。

ちなみに、ファイアボールはマイナス何等級くらいの明るさになるとのこと。「はやぶさ」本体はここで溶融消滅する。質疑応答で確認したところでは、燃え残って落下する部品はなく、完全に溶けてなくなるようだ。

カプセルは高度10kmのところでパラシュートが開き、減速して降下。回収後は、相模原キャンパスに設置されたキュレーション施設に運び込まれ、1カ月以内には、サンプルが入っているかどうか明らかになる見込みだ。

4/23追記1
書き忘れたが、再突入の予測時刻については、現時点でも「誤差は1分以内」とのこと。詳細な時刻は公表されていないが、23時(日本時間)付近ということで間違いはないようだ。

4/23追記2
関係者の拠点はウーメラ村になるので、そちらには絶対押しかけないで欲しい。このあたりは町が少なく、あったとしてもホテルの数も十分ではない。隣町まで100km、なんてこともあるので、各自、宿泊先は出国前に確保しておくこと。

4/25追記3
カプセルと「はやぶさ」本体の時間差は、せいぜい数秒程度とのこと。バラバラになった探査機の部品の方が減速しにくいため、カプセルに追いついてきて、かなり交錯する可能性もあるようだ。再突入を開始する地点については情報がないので分からないが、ファイアボールは「数分間観測できる可能性がある」とのこと。

今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議 第7回会合

4月20日、「今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議」の第7回会合が開催された。この会合は、今回が最終回となる。今までの議論を踏まえた提言をまとめて、前原宇宙開発担当大臣に提出したとのこと。

会合の後に開催された記者ブリーフィングには、初めて、5人の有識者も出席した。以下に、記者会見の内容をそのまま掲載する。

ーーーーーーーー
泉政務官

13:30~14:30まで有識者会議の第7回会合
最終回を開催した
全員出席した

座長から説明してもらうが
報告書の取りまとめをして
さきほど前原大臣に手交した

ーーーーーー
松井座長

今まで7回の議論

特に新成長戦略が6月までにということ
それに関連して急いでいろんな議論をまとめた

今までの宇宙に関する議論は
内部で閉じて外に漏れないで行われていた

我々としてはそれを分かりやすい形で
みなさんにお伝えしたい

ということで報告書は
A4の1枚にまとめてある

提言は3つ

提言1
宇宙にいつでもいけるような能力を維持し続ける
まずこれが重要なことで
これを決断してほしい

我が国がそういう能力をこれからも
ずっと維持し続けるのかどうか
それをまず政治に決断してほしい

それをいらない、というならもういらないわけだが
それをまず政治としては決断して欲しい

宇宙政策を実現するにはお金がかかる
資料1を見ると
これまでほとんど国が投資して産業を維持してきた

これが減るとそういう能力が維持できなくなる
今はその瀬戸際にいる

大体過去8年で54社の関連企業が撤退している中で
このまま推移すれば
日本は自在に宇宙にいける能力が維持できなくなる

それをもし維持するのであれば
それをどうやって実現するのか

まずは米ロ中のように
すべてを官需でやるやり方

あるいは欧州のように民需
ある程度民間を利用して
民間で産業を生み出す

方式が2つある

これから日本はやるとしたら欧州方式ではないか
もっと民需に目を向けた宇宙政策を活用していかないと
それが提言2

提言3
それらをやるときに
具体的にどうやってやるのか
組織として今までの組織でいいのか
それじゃ困るんじゃないか

国として政策を一元的に決めていく
政策立案、企画
予算を一元化してやっていくような
そういう組織が必要じゃないか
それを仮称で宇宙庁と呼んでいるが
それを内閣府に作る

当面の緊急課題としてはとりあえずこの3つ
それを決断していただきたいというのが
我々が今日提言としてまとめたもの

もちろん具体的な内容
新成長戦略に関連してどうあるべきか
この3つの提言が
具体的に入ると思うが
それを話すと時間がなくなるので省略

以上が我々の提言の中身

ーーーーーーーー
質疑応答

Q 時事通信
民需 経済界の意見は

A 松井
経済界というかタスクフォース会合で
企業の意見を聞いたり

経団連からは国家戦略としての
宇宙開発利用の推進に向けた提言
これは公開されている

基本的な内容としてはほとんど同じ方向
同じような内容が入っている

直接意見を聞いたわけではないが
中身や方向性はそれほど変わらない

Q お金がないから民間でということだが
経団連は国が出して欲しいと言っているのでは

A 今まで国の方針は研究開発
利用は全く考えていなかった
利用と一体に研究開発もやっていく

いま使える衛星やデータがある
これからはそれを増やしていく
それで提言2がある

国として、宇宙が重要だという決断をするんだったら
今までの研究開発主体でなくて
利用コミュニティと一体になった

具体的にはそこに
パッケージ戦略
グリーンイノベーション戦略
こういう方向にいけば民間と共同で
いろんなプロジェクトができるのではないか

Q 宇宙庁
他の省からすれば
個別にやればいい、ということにならないか

A なんで利用が進まないかと具体的に考えると
例えばデータをとると
生のデータを使えといっても
こんなもの使えない
それを使えるように加工するのは国がやる

そのときにどういうデータが必要だとか
根本に立ち返ればH-IIというロケットを
いままでは研究開発でやってきたから
それを急に売り物にしようとしても
急に転用できない

そういうものを開発するときの利用者を入れて
売れるようなロケットを開発するような方向性に踏み出すということ

いままでのやり方を抜本的に改める
そういう方向が提言2
それをやるには組織を変えないと、というのが提言3

A 秋山
宇宙庁が全てやると言っているわけではない
むしろ企画・立案をするという話

例えば利用は各省庁にこういう利用法もあると進めたり
各省庁で利用をどんどん深めてもらう

例えば農水省
リモセンはまだあまり使われていない
こういう使い方があるとどんどん推奨していく

会社で言えば
我が社はWindowsを導入することにしました、
Windowsをどんどん使ってください、ということ

我が社は宇宙をどんどん利用することになったので、
宇宙を使ってくださいということを宇宙庁
実際に使うのは各省庁

Q 朝日新聞
現行の宇宙基本計画の中で
月探査について議論が進んでいるが
どのような方針で臨むべきという結論か

A 松井
基本的に我々は横一線でいままでのを見直すということでやってきた
月探査ありきという考えはとっていない
月探査が必要なのか
いろんな側面から議論していく

月が身近で行きやすい、利用しやすい
それで月を考えることはあり得る
では科学として他の太陽系天体の中で
特別なのかというとそんなことはない

いろんな議論がある中で
それは政治が決めること

しかし月に人が行くと言っても
宇宙に自在に行く能力がなければ
行きようもない

ISSでは滞在する能力だけ開発している
行く技術は独自に持っていない

やるとなったらそういう技術を全部開発しないといけない
あるいはその前に地球の周りで活動しなきゃならん
例えばそこから始めるとか
しかし今の予算だと100%使わないとできない
他を全部切り捨ててそういう方向に行くのかという議論になる

そういうことをきちっと
もう1回議論しないといけない

月探査については
有人宇宙は日本独自の新しい何か
現状を考えた上で
それどころじゃない状況にある
上げるための技術にほころびがでている
それをきちっとやった上で
その先に有人プログラムがどういうものがあるか
きちっと検討した方がいい

Q 月に関してはゼロベースで議論しなおすという考えか

A そう

Q 提言1
いつでも宇宙に行けるというのは
人を含めてか

A もし有人で行くならそう。
でも当面は無人、ロボットでいいじゃないかと考えている

Q 毎日新聞
提言の中に5月中に関係省庁と公開討論とあるが
誰が集まるのか
狙いは何か

A 松井
本当は一番重要なところだが不透明
我々は前原大臣に集められて宇宙開発に関する提言
宇宙戦略本部での提言

僕らはこういう提言が実行に移されないと意味がない
ぜひ実行に移すような具体的な手順を考えてくれと要望している

その要望がここにある
これは我々の要望

なるべくこういう方向でやってくれということ
具体的に何かが決まっているわけではない

これから内閣の中で調整があって
具体的には前原大臣、官房長官、文科大臣とか
その三人が議論してそこで決まることだと思う

Q 政府で意志の統一を図って欲しいと

A それはもちろん

説明しなかったがJAXAの見直しも入る
政府としてどう考えるのか
まとめてくれないと

出して終わりじゃない
前原大臣からフォローアップもお願いされている
意見は出したい

Q テレビ朝日
提言3について
現在の宇宙行政に問題があるのか
事業仕分けでJAXAが取り上げられるが

A 松井
私は事業仕分けとは全く関係ない立場
基本的にこれまでの日本の宇宙政策
透明化されていない

現実に例えば
月探査は
いつどうやって決まったのと
我々がどこに聞いてもわからない
なんかいつのまにかそうなっていた

これはおかしいでしょと
目に見える格好で
どういうものがあり得るのか
資料3-1のような案を出した

企画立案の部分と
個別に専門家が集まって何が必要か議論するようなところを下に置いて

これとJAXA
どことどれがどう重なるのか
詳細な議論はしていない

JAXA
理事長あたりは執行機関と言っているが
実質的には企画立案をやっている
そういう部門はこちらに移してもいいんじゃないか

宇宙庁だからといってJAXAを全部吸収するような
イメージではない

ーここで政務官退出

Q 読売新聞
座長
産業界が能力を維持できない
国に対して何を決断して欲しいのか

研究開発で
大きなプロジェクトがない
もっと大きなプロジェクトをくださいということか

A 松井
基本的に一番何が問題かというと
打上げられるロケットの数が少ないと
これが採算が取れない理由

たくさんあげればコストも下がる
関わっている企業も利益がでる
なんとかやっていける

数が圧倒的に少ないのが
一番大きな問題
それをどう増やすか
その議論をしないといけない

Q 国に対してロケットをもっと上げろと

A 日本だけじゃなくてアジアにも働きかけて
アジアも含めて諸外国と一緒に宇宙をやっていくという
格好で利用を増やすとか

さきほど秋山さんが言ったように
使いやすいデータを我々が用意することで
利用者が増えれば
ロケットの数も増えるでしょう

そういうことを総合的に
方針としてやって欲しいと

Q 限られた予算であれば衛星をやればロケットが減る
もっと国に対してお金を投入しろとならないか

A 基本的に考えている予算の推移
増やすことは考えていない

ほとんど現状維持でどうやって欧州型に移行するか
民需をどうやって増やしていくか

それが新成長戦略に組み込むべきもの

Q 2日間でタスクフォース
これが宇宙産業界の総意か

A 産業界の意見も踏まえて
我々の判断も入れてまとめた

全く違う方向ではない

Q 東京新聞
有人宇宙のところ
ISSについて費用対効果を

投資額ではなくて
投資するかどうかを判断するという理解でいいか

新しい有人プログラムを考案すべきとあるが
これはISSと両立するものか
有人プログラムを2つ並行に走らせることが可能なのか

A 松井
これに関してはじつは委員を含めて
コンセンサスが得られているわけではない

有人をどうするのか
そこまで詰めての話

A~Iまでどう割り振るかという話はしているが
有人をどうするか
具体的な話はしていないが

我々としては今までの有人
ISS的な有人プログラムは
それほど効果を上げてないんじゃないかと
だとすると
日本独自の有人活動を考えてもいいんじゃないかと
方向性としては一致している

具体的にどうかと
そこまで詳細については議論してない

月の有人をやるなんていったら
100%やらないとできない
そんな方向に行くとか
そのためのステップとしてどうやるのか
いろんな議論がありえるが詳細はやってない

Q 新しい輸送系
基幹技術保持の観点からとあるので
H-IIA/Bに次ぐ新たな基幹ロケットの
開発を推進すべきということか

A ロケットは1回作って終わりじゃない
絶えず研究開発を続けないと維持できない

そういう意味でH-IIA/Bだって
それ以外の固体ロケットに関しても
続けるべきというのが我々の意見

A 中須賀
戦略的にどういうサイズのロケットを狙うべきか
新しいロケットを狙った方が産業的に有利であれば
そこを狙っていくということ

今の我々だけではできない
しっかりと戦略を練ることが非常に大事

常に研究開発を続けることが
ロケット技術を維持するためには必要

Q 共同通信
今回の提言は何に対するものなのか
新成長戦略に盛り込まれるものと把握していたが
もっと長期的なものなのか

A 松井
当然、新成長戦略に対する提言ではあるが
方向として、長期的な方向が逆を向いていたら意味がない
まず長期的な方向を考えた上で
短期的な方向としてこういうことが
あり得るんじゃないかと提案している

だから両方議論しているわけだが
ここで言っているのは早急にすべきこと

Q この先10年くらいの方針か

A ただし提言3にあるが
組織改革をしないとなかなか
ここで言ってることは実現しない

新成長戦略を進める上では
こういう体制を整えてやらないと
今までの延長のバラマキでやっては
全く意味がない

Q 前回の資料では市場の目標などもっと具体的な数字があったと思うが
あれらはこの提言内では有効なのか

A 1枚にコンパクトにするために
関連する資料で付け加えているが

基本的には今までの議論を踏襲している

Q 質問者不明
測位についてだが
準天頂
民間が参加しない
あれをやめればH-IIAが1機余る
やめた方がいいのでは

A 松井
それを我々が決めることじゃない
そういう問題がありますよと
国交省がどう考えるかという問題

実際にそういう議論は今日あった

A 秋山
測位を推進するのは国の方針としてある
我々も測位の重要性は認識している

ただ残念なことに重要性は唱えられているが
ユーザーが出てこない

準天頂の1号機は研究開発
でも実用のためには2号機3号機が必要

それに投資しようという民間が生まれていない状況
これは非常に大きな問題だと我々は認識している

今回の話もベースは全て
日本が宇宙の進出能力を持つために産業を維持しなければならないが
もうお金がないということ

例えば測位はいい例
これを本当にやるんであれば
ちゃんと民間投資が生まれてくるような状況を
国が施策としてしないといけない

その尻叩きとして宇宙庁があって
実働部隊として各官庁がある

測位が上がれば国として使う体制を整えようと
要は測位のアンカーテナンシーを
もし国が保証すれば民間参入は増える

そういう政策を打たないと
民需を取り込めない

ここの話はすごく端的
まさに研究開発に偏っていると
実利用の部分をもっとやるべきだと

Q 毎日新聞
提言3つあるが研究開発から利用へと
民間の参加を促すと
これはいまの基本計画にも入っている
今の基本計画と今回の提言の大きな違いはなにか

A 松井
一番の違いは考え方を整理したこと
いままでの何が問題か
研究開発の中身がどういうことなのか

本来は利用があって研究開発がある
目的がある

しかし今まではその目的がなかった
歴史を考えたときに

その結果として変な格好になって
利用が進まなかった

最初から利用ありき
利用があって初めて研究開発がある
そういう枠組みの中で
今までのいろんなものを全部整理して順番付け
つまりウェートをつける
まずこういうことをやるべき
それが大きなこと

Q その中で測位や通信を推進と

A 通信は民需を考えたときに
現実的に一番大きな分野

測位はやるところがないのに
やれやれと言っても駄目

やるところと一緒にどうやってやっていくのかと
踏まえて研究開発もやっていく

そういうことを始めないといけない
そのために新成長戦略を使うんなら
いいんじゃないかと

今ないことをやろうとするのだから
そのためにどうやってやっていくか
考え方、道筋を示したのがこの提言

A 中須賀
利用を重視しようという政策をたてても
省庁がその気にならないと駄目

本当に潜在利用者であるべき省庁が
宇宙を使ったらこれだけ良くなるよと
本当に信じてやっていかないといけない

それがない限りいくら枠だけ作っても駄目
そう思わせるにはどうしたらいいかと
真剣に考えようというのが大事

トップダウンでやらないといけないし
インフラを整備して省庁が使いやすい環境を
作っていかないといけない

あるいは各省庁の中にそれなりの研究機関を作って
その中で利用をどうしていくか考えていく体制を作るとか

そういうことをいくつか提言している

枠や見かけはあまり変わってないかもしれないが
その中で実際に動くダイナミックスを作っていかないといけない
そこが非常に大事なところ

A 松井
利用者が利用するようなデータを出さないといけない
それをどうやっていくか

維持していくために新しい技術を開発し続けないといけない
そういうのが新しく付け加えたところ

それ以外は基本的に、宇宙基本計画に含まれている

ーーーーーーーーーー
ぶら下がりにて

記者
会合のやりとりを通じて決断できる三役だと思ったか?

松井
珍しく非常に積極的に実行していこうという三役だと思う
だからこそこういうことが実現した

我々はタスクフォースで体制まで議論したときに
文科省からは「そんなことやる場じゃないでしょ」という意見が出た
それを押し切れるのはそれだけのサポートがあるから

方向性としては同じだが政治の世界はそれだけで決まらないから
提言を出したからといってすぐに通るわけがない
かなり政治的な議論があると思う

大塚
政務官あたりは「提言は提言として受け取ってあとは政治の判断」と
一歩引いた言い方をしているがやる気はあると考えていいか

松井
やる気はあるが全部が実現するとは言っていない

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