小惑星探査機「はやぶさ」に関する記者ブリーフィング

4月22日、JAXA東京事務所にて、小惑星探査機「はやぶさ」に関する記者説明会が開催された。「はやぶさ」に関しては、すでに昨日、地球への帰還日などが発表されているが、今回開催されたのは、ウーメラや相模原での取材に関するブリーフィングだ。

小惑星探査機「はやぶさ」搭載カプセルの地球帰還について
http://www.jaxa.jp/press/2010/04/20100421_hayabusa_j.html

詳細については控えさせてもらうが、プレスに対しては、現地のホテル事情、交通情報、通信事情などについて細かく説明があった。

予算的に、多分私が現地に行くことはないだろうが、個人で行こうという人のために、分かる範囲で情報を提供しておきたい。「はやぶさ」ファンの中には、現地への渡航を自粛しようという動きもあるようだが、私としては、あまり気にしなくてもいいと思う。もちろん、ルールを守って迷惑をかけないことは前提だが、行けるだけの旅費と休暇と熱意があるようなら、遠慮せずに「はやぶさ」を出迎えに行って欲しい。

現地からの報道は、おそらく、各メディアとも似たような場所からの画になるだろう。そうなると同じようなアングルの写真・動画ばかりになるし、万が一、その場所が曇っていたりしたら、「はやぶさ」の再突入の画が全く残らないことになってしまう(どこか、空撮とかする会社もあるだろうか?)。オーストラリアは広い。私は勝手ながら、いろんな方向からの撮影にチャレンジしてもらえれば面白いかな、と期待している。

「はやぶさ」の再突入のコースについては、こちらのPDFファイルの5ページ目に図が出ている。

「はやぶさ」試料回収カプセルの再突入に係る計画について
http://www.jaxa.jp/press/2010/03/20100331_sac_hayabusa_j.html

その図を見ると、「はやぶさ」はウーメラの西北西から進入してくることが分かる。なので、ウーメラの西側の方が、ファイアボールの観測には適している。私はオーストラリアには行ったことがないので、どのあたりにホテルがあったりするのか良く分からないのだが、軌道を予測して、見えそうな町から観測するくらいなら、特に問題はないだろう。現地は夜であるので(日本時間23時ころ)、数百km離れても見える可能性がある。

※ただし、安全には注意! カンガルーなどの飛び出しがあるので、夜間の車の運転は危険とのこと。制限速度も厳守! 行き当たりばったりでなくて、事前に調べて、ホテルも予約しておいた方がいいだろう。もし行くのであれば、周到な準備をお願いしたい。

最も注意して欲しいのは、カプセルの落下地点が立入制限区域(WPA:Woomera Prohibited Area)であること。オーストラリア国防省の管理下にあるので、許可なく立ち入ることはできない(だからこそ落下点に選ばれたのだろうが)。この制限区域は結構広く、これだけで日本の国土の1/3くらいあるらしい。

ちなみに、ファイアボールはマイナス何等級くらいの明るさになるとのこと。「はやぶさ」本体はここで溶融消滅する。質疑応答で確認したところでは、燃え残って落下する部品はなく、完全に溶けてなくなるようだ。

カプセルは高度10kmのところでパラシュートが開き、減速して降下。回収後は、相模原キャンパスに設置されたキュレーション施設に運び込まれ、1カ月以内には、サンプルが入っているかどうか明らかになる見込みだ。

4/23追記1
書き忘れたが、再突入の予測時刻については、現時点でも「誤差は1分以内」とのこと。詳細な時刻は公表されていないが、23時(日本時間)付近ということで間違いはないようだ。

4/23追記2
関係者の拠点はウーメラ村になるので、そちらには絶対押しかけないで欲しい。このあたりは町が少なく、あったとしてもホテルの数も十分ではない。隣町まで100km、なんてこともあるので、各自、宿泊先は出国前に確保しておくこと。

4/25追記3
カプセルと「はやぶさ」本体の時間差は、せいぜい数秒程度とのこと。バラバラになった探査機の部品の方が減速しにくいため、カプセルに追いついてきて、かなり交錯する可能性もあるようだ。再突入を開始する地点については情報がないので分からないが、ファイアボールは「数分間観測できる可能性がある」とのこと。

今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議 第7回会合

4月20日、「今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議」の第7回会合が開催された。この会合は、今回が最終回となる。今までの議論を踏まえた提言をまとめて、前原宇宙開発担当大臣に提出したとのこと。

会合の後に開催された記者ブリーフィングには、初めて、5人の有識者も出席した。以下に、記者会見の内容をそのまま掲載する。

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泉政務官

13:30~14:30まで有識者会議の第7回会合
最終回を開催した
全員出席した

座長から説明してもらうが
報告書の取りまとめをして
さきほど前原大臣に手交した

ーーーーーー
松井座長

今まで7回の議論

特に新成長戦略が6月までにということ
それに関連して急いでいろんな議論をまとめた

今までの宇宙に関する議論は
内部で閉じて外に漏れないで行われていた

我々としてはそれを分かりやすい形で
みなさんにお伝えしたい

ということで報告書は
A4の1枚にまとめてある

提言は3つ

提言1
宇宙にいつでもいけるような能力を維持し続ける
まずこれが重要なことで
これを決断してほしい

我が国がそういう能力をこれからも
ずっと維持し続けるのかどうか
それをまず政治に決断してほしい

それをいらない、というならもういらないわけだが
それをまず政治としては決断して欲しい

宇宙政策を実現するにはお金がかかる
資料1を見ると
これまでほとんど国が投資して産業を維持してきた

これが減るとそういう能力が維持できなくなる
今はその瀬戸際にいる

大体過去8年で54社の関連企業が撤退している中で
このまま推移すれば
日本は自在に宇宙にいける能力が維持できなくなる

それをもし維持するのであれば
それをどうやって実現するのか

まずは米ロ中のように
すべてを官需でやるやり方

あるいは欧州のように民需
ある程度民間を利用して
民間で産業を生み出す

方式が2つある

これから日本はやるとしたら欧州方式ではないか
もっと民需に目を向けた宇宙政策を活用していかないと
それが提言2

提言3
それらをやるときに
具体的にどうやってやるのか
組織として今までの組織でいいのか
それじゃ困るんじゃないか

国として政策を一元的に決めていく
政策立案、企画
予算を一元化してやっていくような
そういう組織が必要じゃないか
それを仮称で宇宙庁と呼んでいるが
それを内閣府に作る

当面の緊急課題としてはとりあえずこの3つ
それを決断していただきたいというのが
我々が今日提言としてまとめたもの

もちろん具体的な内容
新成長戦略に関連してどうあるべきか
この3つの提言が
具体的に入ると思うが
それを話すと時間がなくなるので省略

以上が我々の提言の中身

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質疑応答

Q 時事通信
民需 経済界の意見は

A 松井
経済界というかタスクフォース会合で
企業の意見を聞いたり

経団連からは国家戦略としての
宇宙開発利用の推進に向けた提言
これは公開されている

基本的な内容としてはほとんど同じ方向
同じような内容が入っている

直接意見を聞いたわけではないが
中身や方向性はそれほど変わらない

Q お金がないから民間でということだが
経団連は国が出して欲しいと言っているのでは

A 今まで国の方針は研究開発
利用は全く考えていなかった
利用と一体に研究開発もやっていく

いま使える衛星やデータがある
これからはそれを増やしていく
それで提言2がある

国として、宇宙が重要だという決断をするんだったら
今までの研究開発主体でなくて
利用コミュニティと一体になった

具体的にはそこに
パッケージ戦略
グリーンイノベーション戦略
こういう方向にいけば民間と共同で
いろんなプロジェクトができるのではないか

Q 宇宙庁
他の省からすれば
個別にやればいい、ということにならないか

A なんで利用が進まないかと具体的に考えると
例えばデータをとると
生のデータを使えといっても
こんなもの使えない
それを使えるように加工するのは国がやる

そのときにどういうデータが必要だとか
根本に立ち返ればH-IIというロケットを
いままでは研究開発でやってきたから
それを急に売り物にしようとしても
急に転用できない

そういうものを開発するときの利用者を入れて
売れるようなロケットを開発するような方向性に踏み出すということ

いままでのやり方を抜本的に改める
そういう方向が提言2
それをやるには組織を変えないと、というのが提言3

A 秋山
宇宙庁が全てやると言っているわけではない
むしろ企画・立案をするという話

例えば利用は各省庁にこういう利用法もあると進めたり
各省庁で利用をどんどん深めてもらう

例えば農水省
リモセンはまだあまり使われていない
こういう使い方があるとどんどん推奨していく

会社で言えば
我が社はWindowsを導入することにしました、
Windowsをどんどん使ってください、ということ

我が社は宇宙をどんどん利用することになったので、
宇宙を使ってくださいということを宇宙庁
実際に使うのは各省庁

Q 朝日新聞
現行の宇宙基本計画の中で
月探査について議論が進んでいるが
どのような方針で臨むべきという結論か

A 松井
基本的に我々は横一線でいままでのを見直すということでやってきた
月探査ありきという考えはとっていない
月探査が必要なのか
いろんな側面から議論していく

月が身近で行きやすい、利用しやすい
それで月を考えることはあり得る
では科学として他の太陽系天体の中で
特別なのかというとそんなことはない

いろんな議論がある中で
それは政治が決めること

しかし月に人が行くと言っても
宇宙に自在に行く能力がなければ
行きようもない

ISSでは滞在する能力だけ開発している
行く技術は独自に持っていない

やるとなったらそういう技術を全部開発しないといけない
あるいはその前に地球の周りで活動しなきゃならん
例えばそこから始めるとか
しかし今の予算だと100%使わないとできない
他を全部切り捨ててそういう方向に行くのかという議論になる

そういうことをきちっと
もう1回議論しないといけない

月探査については
有人宇宙は日本独自の新しい何か
現状を考えた上で
それどころじゃない状況にある
上げるための技術にほころびがでている
それをきちっとやった上で
その先に有人プログラムがどういうものがあるか
きちっと検討した方がいい

Q 月に関してはゼロベースで議論しなおすという考えか

A そう

Q 提言1
いつでも宇宙に行けるというのは
人を含めてか

A もし有人で行くならそう。
でも当面は無人、ロボットでいいじゃないかと考えている

Q 毎日新聞
提言の中に5月中に関係省庁と公開討論とあるが
誰が集まるのか
狙いは何か

A 松井
本当は一番重要なところだが不透明
我々は前原大臣に集められて宇宙開発に関する提言
宇宙戦略本部での提言

僕らはこういう提言が実行に移されないと意味がない
ぜひ実行に移すような具体的な手順を考えてくれと要望している

その要望がここにある
これは我々の要望

なるべくこういう方向でやってくれということ
具体的に何かが決まっているわけではない

これから内閣の中で調整があって
具体的には前原大臣、官房長官、文科大臣とか
その三人が議論してそこで決まることだと思う

Q 政府で意志の統一を図って欲しいと

A それはもちろん

説明しなかったがJAXAの見直しも入る
政府としてどう考えるのか
まとめてくれないと

出して終わりじゃない
前原大臣からフォローアップもお願いされている
意見は出したい

Q テレビ朝日
提言3について
現在の宇宙行政に問題があるのか
事業仕分けでJAXAが取り上げられるが

A 松井
私は事業仕分けとは全く関係ない立場
基本的にこれまでの日本の宇宙政策
透明化されていない

現実に例えば
月探査は
いつどうやって決まったのと
我々がどこに聞いてもわからない
なんかいつのまにかそうなっていた

これはおかしいでしょと
目に見える格好で
どういうものがあり得るのか
資料3-1のような案を出した

企画立案の部分と
個別に専門家が集まって何が必要か議論するようなところを下に置いて

これとJAXA
どことどれがどう重なるのか
詳細な議論はしていない

JAXA
理事長あたりは執行機関と言っているが
実質的には企画立案をやっている
そういう部門はこちらに移してもいいんじゃないか

宇宙庁だからといってJAXAを全部吸収するような
イメージではない

ーここで政務官退出

Q 読売新聞
座長
産業界が能力を維持できない
国に対して何を決断して欲しいのか

研究開発で
大きなプロジェクトがない
もっと大きなプロジェクトをくださいということか

A 松井
基本的に一番何が問題かというと
打上げられるロケットの数が少ないと
これが採算が取れない理由

たくさんあげればコストも下がる
関わっている企業も利益がでる
なんとかやっていける

数が圧倒的に少ないのが
一番大きな問題
それをどう増やすか
その議論をしないといけない

Q 国に対してロケットをもっと上げろと

A 日本だけじゃなくてアジアにも働きかけて
アジアも含めて諸外国と一緒に宇宙をやっていくという
格好で利用を増やすとか

さきほど秋山さんが言ったように
使いやすいデータを我々が用意することで
利用者が増えれば
ロケットの数も増えるでしょう

そういうことを総合的に
方針としてやって欲しいと

Q 限られた予算であれば衛星をやればロケットが減る
もっと国に対してお金を投入しろとならないか

A 基本的に考えている予算の推移
増やすことは考えていない

ほとんど現状維持でどうやって欧州型に移行するか
民需をどうやって増やしていくか

それが新成長戦略に組み込むべきもの

Q 2日間でタスクフォース
これが宇宙産業界の総意か

A 産業界の意見も踏まえて
我々の判断も入れてまとめた

全く違う方向ではない

Q 東京新聞
有人宇宙のところ
ISSについて費用対効果を

投資額ではなくて
投資するかどうかを判断するという理解でいいか

新しい有人プログラムを考案すべきとあるが
これはISSと両立するものか
有人プログラムを2つ並行に走らせることが可能なのか

A 松井
これに関してはじつは委員を含めて
コンセンサスが得られているわけではない

有人をどうするのか
そこまで詰めての話

A~Iまでどう割り振るかという話はしているが
有人をどうするか
具体的な話はしていないが

我々としては今までの有人
ISS的な有人プログラムは
それほど効果を上げてないんじゃないかと
だとすると
日本独自の有人活動を考えてもいいんじゃないかと
方向性としては一致している

具体的にどうかと
そこまで詳細については議論してない

月の有人をやるなんていったら
100%やらないとできない
そんな方向に行くとか
そのためのステップとしてどうやるのか
いろんな議論がありえるが詳細はやってない

Q 新しい輸送系
基幹技術保持の観点からとあるので
H-IIA/Bに次ぐ新たな基幹ロケットの
開発を推進すべきということか

A ロケットは1回作って終わりじゃない
絶えず研究開発を続けないと維持できない

そういう意味でH-IIA/Bだって
それ以外の固体ロケットに関しても
続けるべきというのが我々の意見

A 中須賀
戦略的にどういうサイズのロケットを狙うべきか
新しいロケットを狙った方が産業的に有利であれば
そこを狙っていくということ

今の我々だけではできない
しっかりと戦略を練ることが非常に大事

常に研究開発を続けることが
ロケット技術を維持するためには必要

Q 共同通信
今回の提言は何に対するものなのか
新成長戦略に盛り込まれるものと把握していたが
もっと長期的なものなのか

A 松井
当然、新成長戦略に対する提言ではあるが
方向として、長期的な方向が逆を向いていたら意味がない
まず長期的な方向を考えた上で
短期的な方向としてこういうことが
あり得るんじゃないかと提案している

だから両方議論しているわけだが
ここで言っているのは早急にすべきこと

Q この先10年くらいの方針か

A ただし提言3にあるが
組織改革をしないとなかなか
ここで言ってることは実現しない

新成長戦略を進める上では
こういう体制を整えてやらないと
今までの延長のバラマキでやっては
全く意味がない

Q 前回の資料では市場の目標などもっと具体的な数字があったと思うが
あれらはこの提言内では有効なのか

A 1枚にコンパクトにするために
関連する資料で付け加えているが

基本的には今までの議論を踏襲している

Q 質問者不明
測位についてだが
準天頂
民間が参加しない
あれをやめればH-IIAが1機余る
やめた方がいいのでは

A 松井
それを我々が決めることじゃない
そういう問題がありますよと
国交省がどう考えるかという問題

実際にそういう議論は今日あった

A 秋山
測位を推進するのは国の方針としてある
我々も測位の重要性は認識している

ただ残念なことに重要性は唱えられているが
ユーザーが出てこない

準天頂の1号機は研究開発
でも実用のためには2号機3号機が必要

それに投資しようという民間が生まれていない状況
これは非常に大きな問題だと我々は認識している

今回の話もベースは全て
日本が宇宙の進出能力を持つために産業を維持しなければならないが
もうお金がないということ

例えば測位はいい例
これを本当にやるんであれば
ちゃんと民間投資が生まれてくるような状況を
国が施策としてしないといけない

その尻叩きとして宇宙庁があって
実働部隊として各官庁がある

測位が上がれば国として使う体制を整えようと
要は測位のアンカーテナンシーを
もし国が保証すれば民間参入は増える

そういう政策を打たないと
民需を取り込めない

ここの話はすごく端的
まさに研究開発に偏っていると
実利用の部分をもっとやるべきだと

Q 毎日新聞
提言3つあるが研究開発から利用へと
民間の参加を促すと
これはいまの基本計画にも入っている
今の基本計画と今回の提言の大きな違いはなにか

A 松井
一番の違いは考え方を整理したこと
いままでの何が問題か
研究開発の中身がどういうことなのか

本来は利用があって研究開発がある
目的がある

しかし今まではその目的がなかった
歴史を考えたときに

その結果として変な格好になって
利用が進まなかった

最初から利用ありき
利用があって初めて研究開発がある
そういう枠組みの中で
今までのいろんなものを全部整理して順番付け
つまりウェートをつける
まずこういうことをやるべき
それが大きなこと

Q その中で測位や通信を推進と

A 通信は民需を考えたときに
現実的に一番大きな分野

測位はやるところがないのに
やれやれと言っても駄目

やるところと一緒にどうやってやっていくのかと
踏まえて研究開発もやっていく

そういうことを始めないといけない
そのために新成長戦略を使うんなら
いいんじゃないかと

今ないことをやろうとするのだから
そのためにどうやってやっていくか
考え方、道筋を示したのがこの提言

A 中須賀
利用を重視しようという政策をたてても
省庁がその気にならないと駄目

本当に潜在利用者であるべき省庁が
宇宙を使ったらこれだけ良くなるよと
本当に信じてやっていかないといけない

それがない限りいくら枠だけ作っても駄目
そう思わせるにはどうしたらいいかと
真剣に考えようというのが大事

トップダウンでやらないといけないし
インフラを整備して省庁が使いやすい環境を
作っていかないといけない

あるいは各省庁の中にそれなりの研究機関を作って
その中で利用をどうしていくか考えていく体制を作るとか

そういうことをいくつか提言している

枠や見かけはあまり変わってないかもしれないが
その中で実際に動くダイナミックスを作っていかないといけない
そこが非常に大事なところ

A 松井
利用者が利用するようなデータを出さないといけない
それをどうやっていくか

維持していくために新しい技術を開発し続けないといけない
そういうのが新しく付け加えたところ

それ以外は基本的に、宇宙基本計画に含まれている

ーーーーーーーーーー
ぶら下がりにて

記者
会合のやりとりを通じて決断できる三役だと思ったか?

松井
珍しく非常に積極的に実行していこうという三役だと思う
だからこそこういうことが実現した

我々はタスクフォースで体制まで議論したときに
文科省からは「そんなことやる場じゃないでしょ」という意見が出た
それを押し切れるのはそれだけのサポートがあるから

方向性としては同じだが政治の世界はそれだけで決まらないから
提言を出したからといってすぐに通るわけがない
かなり政治的な議論があると思う

大塚
政務官あたりは「提言は提言として受け取ってあとは政治の判断」と
一歩引いた言い方をしているがやる気はあると考えていいか

松井
やる気はあるが全部が実現するとは言っていない

今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議 第6回会合

4月13日、「今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議」の第6回会合が開催された。以下に、泉政務官による記者ブリーフィングの内容を掲載する。

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泉政務官

今日は3:15から有識者会議の第6回会合を行った
その次は4:30から月探査懇談会のメンバーに入ってもらって
前原大臣とともに月探査に関する円卓会議(合同会議)を開催した
大島副大臣以外は全員参加した

資料
徐々に有識者会議としてまとめつつあるということでご理解いただきたい

資料6-1-1で全体
資料6-1-2以降でそれぞれの詳細

有識者会議としてはグリーンイノベーション戦略
そしてそれをパッケージ化していくという戦略
この2つをしっかりと実施しながら
さらに先端的、挑戦的なイノベーションエンジンということで、
いくつかの政策をあげている

これまで何度か話をしてきたことだが
基本的には、これまでは研究開発ということで
衛星を打ち上げても
例えば複数を系統的に結びつけたり統合したり
データを総合的に活用したり集約したり
そういうことは行われてこなかった
それを販売するとかそういったことにも
あまり考えられてこなかった

衛星はいろいろと上がってはいるが
それを体系的に位置付けて
データの利用やそういったことについて
より取り組んでいこうというのが
グリーンイノベーション戦略の主旨

資料6-1-3
日本全体を5mの分解能で一日に一度撮像できる
これはあくまで事例

現在の基本計画でも3時間に一度 8機体制ということがあるが
要はそういった様々な観測衛星・監視衛星
複数運用しながら
データアーカイブ解析センターを設置することで
その利用を高める

1時間以内にユーザーに即時配信
例えばグーグルの写真はいつ撮られたモノかわからないが
リアルタイムに更新されることによる価値があるのではないかと

資料6-1-3の下
アメリカもデブリ対策にかなり乗り出しつつある
日本としてはデブリ除去について目を向けていくべき

資料6-1-2
要はパッケージ戦略
衛星もそうだが
それを打ち上げて中の部品等々、あるいはシステム
ここに救急車の絵が描いてあるが
交通事故が起きたらクルマから事故信号が出て
自動的に救急車が出動できるようなものがある
それをセットに売り込むことで
他国の防災とか様々な政策全体の底上げを図れる
喜んでもらえることになる
必ずしも救急車そのものは新しいインフラではないが
それに付加価値を付けることでセットで売り出せる
そういうことでパッケージ化を考えていこうと

そのほかいろいろ書いてあるが
質問があれば答えたい

イノベーションエンジンのところは
それほど詳細には触れられなかった
小型衛星打ち上げシステムの開発とか
探査も
宇宙基本計画では月探査に重きがおかれていたが
月にロボットをどう走らせるかよりも
有識者会議としては
探査というものを大きく捉えて
優先順位を高いところから真に必要な探査を行うというスタンス

新輸送システムの開発
無重力環境の利用
基本計画にも触れられているが
頭出しをしていきたい

資料6-2 新成長戦略時代の宇宙開発新体制
現状
いままでも言われてきたのはトータルバランス戦略
宇宙機器産業市場は
国費が2,000億円以上投入され続けているにもかかわらず
産業規模が減ってきている状況
これをなんとか改善しないといけないという
問題意識が有識者会議の中では強い

以前から話している民需をどう広げていくか

そのための新しい宇宙開発体制が右の図
これはもう見ての通り

一方で今日の政務三役を含めた議論では
これは将来的な1つの姿と考えている
現在でもできることはそれなりにある
戦略本部がある
そのなかでしっかり議論すれば
当面の問題は様々解決できる

有識者会議としては理想的な姿として
宇宙庁、経営会議、専門調査会
その元に様々な利用コミュニティが
意見交換できるような体制を描いている

有識者会議の今後について
スケジュールに狂いはない
次回は4/20
この資料からさらに修正が加えられたモノがでてくる

4/20の段階でどんなやりとりがあるか
今日はまだ議論していない
まだ確定していない

これから有識者の先生方と調整して
どういう報告になるのか詰めていきたい

16:30からは円卓会議を行った
初めての顔合わせだっと思う

両方とも大臣の下の会議だが
政権交代以前からの月探査の懇談会
我々も興味深く聞いた

非公表扱いになっているので
誰が何を言ったかお伝えしにくいが
とはいえ思い切って少し話をしてみると
……怒られますかね?(事務方の顔色を窺う)

私も感じていたことで皆さんもうんうんと頷いていたが
懇談会のみなさんも、自分たちが積極的に
自ら基本計画の中に月をやってくれと入れて
自分たちが主人公になって月政策を推し進めていくという
位置付けではそもそもなくて、
基本計画に位置付けられていることで懇談会ができて
その懇談会に集まった皆さんなので、
ともすれば彼らが月政策を推進している主体ではないかという
見られ方をするかもしれないが
それではなくて我々は懇談会のみなさんに意見を伺うという立場
月の意義についていま議論をしてもらっている最中

そういった意味では
なぜ月が基本計画に入ったのかについては
我々がまさに政治の側として
過去の政策の決定過程の検証を行っていくことが本来大事なこと
現在の懇談会の方々に何か問題点があるというような性質のものではない

もう1つは彼らも基本的にはそういったもとに議論をしてきて
いま報告書を上げてくるという段階になりつつある
その中でその報告書をどのように扱うかは
政治の側に委ねられてくる

いずれにせよ、どちらも専門家同士でもあるので
いろんな側面から改めて月探査の必要性についての議論があった

もう1つあった話は
月探査を何か他のミッションと比較をしたという議論ではない
懇談会そのものは

懇談会はあくまで月探査の懇談会をするようにと課題を設定されて議論してきた
月がいいのか金星がいいのか木星がいいのかというのは
懇談会の中での議論としてはありえない

改めて様々な他のミッションと比較してどうなのかということについては
まさに政治の側が戦略として決めて行かなくてはいけないという認識を持った

ーーーーーーー
質疑応答

Q 朝日新聞
資料6-2 新しい宇宙開発体制について
理想的な形と言ったが
宇宙庁というのは現在の戦略本部に取って代わるものか

民主党の政策集のなかに
JAXAの企画部門と各省の宇宙部門を内閣府のもとに一元化
日本版NASAというのが入っていた
今回の宇宙庁はそれを具体化したものか
民主党のインデックスとの整合性は

A 泉政務官
有識者会議の皆さんは
民主党のインデックスにどう書かれていたかを見て
こういった案を出してくれたとは思っていない
民主党のインデックスはインデックスとして

様々な専門家から話を聞いた中でのインデックスでもあるので
方向性が一致している

民主党とすりあわせをしたわけではない

ただ、それはあくまで有識者会議のみなさんの話
いま政府として宇宙庁を具体的に採用して
取り組んでいるわけではない
今の段階では

宇宙庁が発足すれば
戦略本部とは別ということは多分ない

Q 東京新聞
イノベーションエンジンのところ
無重力実験でタンパク質
きぼうを使った生命科学の実験に繋がる印象
となると経済成長戦略は10年を見越した計画
ISSの延長問題とも関連してくると思うが
このタンパク質実験を盛り込むということは
2015年以降も日本はきぼうを使って生命科学を
やっていくという理解でいいのか

A 泉政務官
無重力環境の利用についての資料
今回初めて提示してもらったが
今日は詳細はあまり触れてない

いままでの有識者での流れでは
ISSにあまり前のめりになってはいけない
その中でこの無重力環境の利用というものが出てきた
それは僕もじつは聞きたいところだったが時間がなくて聞けなかった

資料の位置付けはもう1回聞いてみないと分からない

Q 読売新聞
確認だが月探査に関して
これまで基本計画を前提としていたが
そこも見直すのか
月ではないとする可能性もあるか

A 泉政務官
基本計画では3つの目標を設定している
文面だけいうと
国の総力を挙げて様々な月の可能性を検証していくことになっているが
じつはその後の文章を見ると
検討しても必ず実施するような書き方にもなっていない

一方で純粋な意味で検討してもらったら
その上で実施するしないは判断していい

私が座長に言ったのは
国の総力を挙げて検討するということなら
本当に検討環境がみなさんに与えられてましたかと
私から問いかけた

いまの有識者会議がやっているような機動的な会合の開き方や
必要があればコミュニティに意見を聞くとか
それよりもかつての審議会に近い形で議論されている
残り期間はそうないが
本当に必要であれば追加でどんどん入れても構わないと
私から伝えた

今日の議論のあとに
月探査の懇談会の先生方からは
いまの中間報告からはもう少し書きぶり
より伝わりやすい形の改善はできるのではないか

そういうことは積極的にやっていきたい

現段階では懇談会をしてもらったから月ありき、ではない

月の意義というものついては
全ての委員のみなさんが認めている

月の意義はある
しかし金星、水星、火星にも意義はある
意義がある中での比較
優先順位はまた考える段階に来ていると

先行してこれだけ議論してもらったという重みはある
そこは十分に受け止めながら
だからというわけではない

スカイツリー空撮

4月10日、「東京スカイツリー」の空撮ツアーに参加してきた。スカイツリーのマニアとして最近よくメディアにも出てくる日高彰氏が主催しているもので、今回が4回目とのこと。大体2カ月ごとくらいに実施されているようなので、「乗ってみたい」という人がいれば、彼に問い合わせてみるといいだろう。

スカイツリーToday
http://skytree.reporting.jp/

このツアーでは、ヘリを団体でチャーターする。フライト時間は大体15分程度。新木場の東京ヘリポートからスカイツリーまで飛んで行って、何周か上空を旋回してから戻ってくる。チャーターといっても金額は思ったほどではなく、今回は5名で総額63,000円。1人あたり1万円ちょっとで乗れるのだ(金額は決まっているわけではなく、飛行コースによっても変わるし、そのときの燃料代によっても違ってくる。あくまで一例として考えて欲しい)。

このイベントは基本的にスカイツリーのファン向けなのだが、私の興味はむしろ、ヘリコプターの方にあった(というか、スカイツリーはまだ見たことがない。地上よりも空撮が先になってしまった)。まだ乗ったことがないからだ。欠員が出たということで、急遽前日に彼から連絡が来たのだが、即答で搭乗を決めてしまった。

東京ヘリポート。新木場からは路線バスが出ている

今回、フライトをお願いしたのは東邦航空

今回搭乗したヘリ。フランス製とのことだ。定員は6人乗り

搭乗時は全員がヘッドセットを着用。これで会話ができる

飛んですぐにスカイツリーが遠方に見えた

と、その前に、日本一を奪われた東京タワーも

最初は右側に座っている人向けに右旋回。私は逆サイドで見えないので、しばらく別方向を撮影

次は左側の番。スカイツリーを中心に左旋回に入る

実際のフライトについては、動画を見た方が感覚的に分かりやすいかもしれない

あっという間のフライトだった。せっかくの機会だったので、私は今回、撮影ばかりに熱中するのではなく、半分くらいは肉眼で見て飛行感覚を楽しむことにしていた。存分に堪能できた。

ヘリは最初浮いたとき、ちょっと揺れ方が気持ち悪かったが、すぐに慣れた。フライト時間も15分くらいと短いので、酔う間もないだろう。時間としてはちょうどいいかもしれない。

今回はスカイツリー目的のフライトだったが、他に見たいものがあるようなら、自分でプランを考えるのもアリだ。チャーターでも割り勘にすれば料金はそれほど大きくならないので、同乗者を募って、運行会社と直接交渉してみるといい。

ヘリのチャーターって、意外と現実的なものなのね。

【宣伝】書籍「日本の宇宙産業 Vol.1」が発売

私も執筆に加わった書籍が発売となった(名前は出てないけど)。

宇宙を開く 産業を拓く 日本の宇宙産業 Vol.1 (日本の宇宙産業 vol. 1)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
日経BP出版センター

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(目次)

・特集 ドキュメント宇宙産業 メーカー技術者たちの挑戦
宇宙ステーション補給機「HTV」
「H-IIB」ロケット
月周回衛星「かぐや」

・探訪 ものづくりの現場
ロケットをつくる
人工衛星をつくる
打ち上げを支える

・直言・提言
三菱重工業相談役 西岡喬氏
東京大学教授、理事(副学長) 松本洋一郎氏
スカパーJSAT宇宙ビジネス推進部長 前田吉徳氏

・独自技術で貢献する中堅・中小企業
川邑研究所
ユー・コーポレーション
北陸電気工業
ニチダイフィルタ

・宇宙産業が歩んだ半世紀
・世界の宇宙産業 新興国も台頭、激化する国際競争
・人工衛星を売れ! 欧米メーカーの牙城に挑む三菱電機とNEC
・世界が認めた宇宙コンポーネント

まず見どころは、滅多にカメラが入ることがないロケットや衛星の製造現場を、グラビアでふんだんに紹介していること。撮影はカメラマンの清水健氏。ロケットやフェアリングの内部、また熟練の技術者による作業風景(ハンダ付け、ミシンも!)の写真もあり、これだけでも買ってみる価値はあるだろう。

本文では、ロケットや衛星を開発した技術者に焦点を当てた。JAXAやメーカーに何度も取材し、インタビューを特集にまとめてある。外部からは順調に見えたHTV/H-IIBのプロジェクトにも大変な苦労があったことを知れば、読者は驚くかもしれない。中小企業にスポットを当てたのもユニークなところだ。

また巻末には、宇宙産業に関わるメーカーの一覧が掲載されている。宇宙の仕事がしたいと考えている学生や、あるいは部品を探しているメーカーなどには参考になるだろう。

価格は1,000円。普通ならAmazon.co.jpで送料がかかってしまうところだが(通常は1,500円以上で無料)、今なら「全品無料配送キャンペーン」中なので、配送料は不要。この機会に、ぜひお手にとって読んでいただければ幸いだ。

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今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議 第5回会合

4月6日、「今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議」の第5回会合が開催された。いつものように、会合自体は非公開だが、終了後に泉政務官による記者ブリーフィングが行われた。論評抜きで、取材メモをそのまま添付する(手抜きとも言う)。

4/7追記
提出資料がWEBに公開された。こちらを参照のこと。

ーーーー
泉政務官

今日は16:40から17:40まで第5回の会合を開催した
副大臣だけいなかったがそれ以外は全員出席

資料として5-1と5-2
体制について今日は主に話をした

大臣からは
山崎さんがシャトルで飛び立った
みなさんと喜びを分かち合った

私からは
有識者のみなさんが専門家100名以上を東大に集めて4/2~3に議論
そのときのお礼を申し上げた

それから先生方から資料を使った説明があり
欧州は民需が非常に活発
欧州型の産業構造、市場構造を生み出すべきではないかという
意見があった

テーマ別に宇宙をどう活用できるのか示して
政策課題を解決する視点から
プログラムを策定していくのが大事

これまでは開発研究に重きを置かれていたので
利用について基本法、計画、戦略本部ができたわけだが
いまだエンジンとしては機能するに至っていない状況
早急にそういう体制を作るべきではないかという話

例えば農水省は
様々な農地の調査などに
いろいろと宇宙が使えるという話がある
実地で調べるよりも
衛星を使った方がコストを安くできる
そういったものが徐々に進み始めているが
それぞれの施策を衛星を使ってやればどう変わるのかということを
各省とも構想したことがないのではないか

国交省でも徐々に進んでいるが
取り組みはまだまだ

例としては
ドイツのアウトバーン
トラックの上に通信機が付いていて
それによって自動課金している
そういった取り組みなどは日本はもっと参考にすべき
それがあればETCでゲートがなくてもいい

いろんな施策を検討して実施するにしても
頭脳というかエンジンというか、企画立案部門がしっかりとないといけない

例えば
ガリレオは5名が中核の人材でリーダーシップ
GMESはは2名くらいが意志決定をしている
そういうものを参考にして
あまり大人数で議論ばかりしていても仕方がない

その他諸々いろんな話がでたが
全体を見渡しながら
ポートフォリオ、バランス
そういったものを考えながら、

ここでは研究のために投資、あるいは新規技術のために投資し
ここでは多少損をしてもこちらではしっかりと利用を促進して稼ぐんだと
全体戦略を考えて、そのときに日本政府全体の宇宙政策を実証していく
そういうことが今求められている
そういう人材を育てないといけない

議論は一致している

現在、宇宙基本計画は
年間5,000億円くらいの規模をベースに策定されている
現在政府が出しているのはいま3,000億
まだまだ民間の需要が足りない

政府が5,000億円を出して最初の呼び水にしていくのもさることながら
一方ではできる限り民間の裾野が広がるような投資をして
政府が全部出すのが前提ではなく
民間が利用しやすいような
土壌を作り出すことが大事だと

そういった体制論について今日は話をして
資料5-1にあるように
宇宙庁への権限の一元化が銘打たれているわけで
そういう方向で進めたいというのが有識者の意見だった


質疑応答

Q 日経新聞
その案は有識者会議で
コンセンサスは得ているのか

A 泉政務官
有識者会議のみなさんはよく連携しているので
一致して議論を進めてきていると理解していい

Q 東京新聞
今日の会議では
JAXAの所管問題や組織のありかたについては
出たのか

A 泉政務官
JAXAの中の組織をどうするかについては
今日は出なかった

基本的にはJAXAのこれまでの研究開発を
否定したり削減したりして何かをしようという発想ではなくて、
その成果をいまの時代で
例えば静止衛星では
世界中には260機あって
そのうち日本で打ち上げられたのは2機というか1.5機というか
そのくらいの割合しかない

やはり利用
この部分にもう少し重点をおかないといけないが
現在のJAXAの組織に営業部門を付けても
そこはこれまで研究開発一本できた経緯があるので
何かしら別の部門を作って
これまでの研究成果を活用していく体制が必要じゃないか
そういう意味で宇宙庁というものが出ている

Q 宇宙庁までの移行のイメージは出てきたのか

A 何年に法案を出して、何年までにどうのこうのと
そういう話まで今日はしていない

現在の戦略本部でできることもあるとは思うが
要は今の戦略本部をもっと強化しないといけないし
権限も持って
政府全体の宇宙予算3,000億円
その2/3がJAXAの研究開発に使われているが
その全体戦略を含めて
しっかりと方針を出して
その中に研究開発を位置付けられるという
順序をしっかり整理すべきじゃないか
という方向で進んでいる

Q 読売新聞
来週原案がまとめられるが
その中に宇宙庁や組織論など
すべて盛り込まれるのか

A 泉政務官
今ひとつは公務員の世界のいろんな制約がある
新しい組織を作る場合
定員や局の数の問題がある

これは有識者の構想として
こういった推進体制があればいいなという話だが
実務的にはそれ以外、役所が考えなければいけない部分もある

そのままの提言で出てくるか
それともそういったことを調整した上で現実的なものが出てくるか
まだ煮詰まってない

Q 来週出てくるのは新成長戦略に向けての提言だが
そこにも組織論が入ってくる?

A いろんな新成長戦略に向けての具体的な施策があって
それを今後円滑に推進していくためには
体制の一元化が大事ですよという書き方になっている
順番としては、体制が先に来るわけではないが
いろんな新成長戦略を考えるとこういう体制が必要だろうと提言の中に入る

Q 不明
新成長戦略 2020年まで
という文言があったが
体制に関しては2020年までに、という観点からは
何か記述は入らないのか

A 泉政務官
2020年の時点でのあるべき姿をいま書いているかなぁと
そのプロセスを全く書いていないわけではないが
現時点で宇宙庁を何年までに作るとか
そういうところまでは書いていない

Q 毎日新聞
民間との共同体制をどう作るのか
宇宙庁は役所のイメージなのか

A 泉政務官
議論の中のブレインストーミング的なものでは
新しい株式会社を作るようなイメージかなと
半官半民というと評判は良くないかもしれないが

要はそれくらいの営業感覚を持って
日本の宇宙資源を売り出していくという体制が
必要じゃないかという話はあった

Q 読売新聞
年間5,000億円という数字が出たが
いま国の予算が3,000億円
残り2,000億円は民間に負担をということか

A 泉政務官
いや、負担をしてもらいたいということではない
3,000億円も使い方によってはもっと民需を高めて
同じ100億円でもそこから500億円の成果を出すものもあれば
100億円が100億円として消化される研究もある
そこは予算の使いようと思っている

有識者の意識としては
同じ予算でももっと民需に結びつくものであるべきだし
民間側が積極的に自ら宇宙市場を作っていけるような、
それを後押しするような施策をやれば、
全て政府が出すことありきではない環境ができるのではないか

Q 朝日新聞
今日は大臣からは体制について何か意見や感想は出たか

A 泉政務官
宇宙庁かどうかは別にして
いまから日本が世界に向かって宇宙産業を前面に押し出していく
何らかの体制は必要だと言っていた

Q NHK
JAXAは文科省の所管
文科大臣との調整はないまま出すのか

A 泉政務官
文科大臣の会見ではそういった質問があって
有識者会議で議論されていることについては
有識者会議で議論していることだろうという話があった

今のところ有識者会議は
提言を宇宙担当大臣にするもの

有識者のみなさんが事前に文科省とどこまで調整をするか
必ずしも必須ではないと思う

Q あくまでも提言の段階ということか

A 現段階ではそうだ
しかし有識者の会合には常に大臣が参加しているので
提言だからということではなくて
それなりに提言に重みはある

月探査ナショナルミーティング

4月3日に開催された「月探査ナショナルミーティング」を取材してきた。

公式WEBサイト
https://www.boshu-jaxa.jp/tsukitansaNM/

このイベントが”ナショナルミーティング”という名にふさわしかったかどうか。答えはノーだ。一応、媒体の取材で行っていたのだが、「記事にしない」ということで、抗議の意志を示したいと思う。結局、何のために開催したイベントだったのか。

民主党政権になってから発足した「今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議」では、いま、本当に月でいいのか、という議論まで出ている。自公時代から続く「月探査に関する懇談会」側としては、月探査にはこういう意義がありますよ、ということを全力でアピールすべきだし、そういう説得力のある話が聞きたかったのだが、驚くほど危機感は希薄。熱意も最後まで感じられなかった。

当日のプログラムは以下の通り。

13:00 第1部講演

13:05~13:20 日本の月探査の現状(JAXA・加藤學教授)
13:20~13:50 米国の宇宙探査と日本への期待(NASA ジャスティン・ティルマン駐日代表)
13:50~14:00 「月探査に関する懇談会」における月探査シナリオ(月探査に関する懇談会・白井克彦座長)

14:00~14:20 休憩

14:20~16:45 第2部討論「日本らしい月探査への夢と希望を皆で語ろう」
パネリスト:
前原宇宙開発担当大臣、JAXA・若田宇宙飛行士
白井克彦、井上博允、古城佳子、長谷川義幸、山根一眞
学生パネリスト5名

16:45~16:55 休憩

16:55~17:30 第3部対談「月探査への期待」
若田宇宙飛行士、山根一眞、前国立天文台長・海部宣男

第1部は、まぁいい。基礎知識があまりない人も会場にはいるだろうから、現状の説明は必要だ。「月探査に関する懇談会」についての白井座長の説明については、いろいろと思うところがあるのだが、それは後述したい。

問題は第2部。「ナショナルミーティング」というからには、この「討論」がメインになるべきだ。時間も2時間25分と長く確保しており、(この手のイベントでありがちな、まず各パネリストがそれぞれ10分くらいでプレゼンして、最後の議論の時間がほとんどありませんでした…ということにならなければ)十分議論になるだろう。前原大臣の出席も意味として大きい。担当大臣がどう考えているのか、議論を通して知りたい。

が、しかし。

「なんじゃこりゃ?」とまず思ったのは、ひな壇の配置。前列に座ったパネリストの後ろに、50人くらいいそうな学生達。この人数で討論するのか? それに、「月探査に関する懇談会」の構成員5名はいいとして、一般からのパネリストが学生のみというのはどういうことだ?

最初に、学生パネリストからのショートプレゼンがあった。面白い意見も少しあったのだが、全体として見れば、若者らしい青臭さがあり、優等生的な答弁といった印象。そりゃそうだ。学生がこんな場に出てきて、批判的なことはなかなか言えるものではない。学生を集めたのは、「将来の月探査を担うのは次世代の若者だから」という理由らしいが、単に、扱いやすいような人選をしたのでは、と思えてしまう。

念のため補足しておくと、5名の学生パネリストは、みな真面目に考えて、参加していた。問題なのは、むしろ大人の側だ。「討論」といいながら、「すごいねー」「しっかりしてるねー」的な反応でべた褒めするばかりで、はなから対等に話し合おうという雰囲気は感じられなかった。一体、何のために集めたのか。

そして最大のガッカリ事項は前原大臣。1時間も滞在しておらず、ひな壇の学生とのやりとりが少しあっただけで、会場との意見交換は全くないままだった。これで国民との対話を果たしたと言えるのか。

発言内容も、あまりにもお粗末。せっかくの国民との対話の場だ。ケネディばり、とまでは行かなくても、「~年までに~をやる!」と宣言くらいして欲しかったのだが、「国民の意見を聞いて決めたい」などの姿勢に終始。挙げ句の果てに、「情報収集衛星はもっと必要」などと言い出す始末だ。彼は、「今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議」で先生方からちゃんとした意見を聞いているはずだが、一体何を勉強してきたのか。もともと、タカ派の政治家なわけで、情報収集衛星が大好きなことは分かっているが、このイベントでわざわざ言うべきことだろうか。

もう1つ。他国が月に人間を送ったときに、日本人がそこに行けなかったら、「誇りや自尊心が失われると思う」というようなことを言っていたが、本気で言っているのだろうか。これは個人的な感覚なので、人に押しつけるつもりはないのだが、私はもう40年も前に人間が行った月に再び誰かが行ったところで、あまりワクワクしない。それよりも未踏の地だ。火星に行くためには大きなギャップがあるが、地球近傍小惑星なら、現実的な予算・スケジュールで実現できるという検討もある。イトカワみたいな小さな星に、人間が立っていたら、もっとワクワクしないか?

加えて言うならば、月探査は、誇りや自尊心などでやるべきことではない。第2部のタイトルにあるような、夢や希望でやるものでもない。これは現実の話として議論していることだ。科学的な意義や、あるいは将来の利用を考えた上で、戦略的にやるべきこと。第2部は、タイトルからしてボケている。いまだに夢だ希望だと言い出しているようでは、建設的な議論ができるわけがない。

前原大臣が退席後は、もうグダグダ。ひな壇の後ろの学生に話を振ったり、たまに会場から意見を聞いたり、1時間以上も、生ぬるい時間が過ぎた。第3部が押し気味だったので、むしろそっちに時間を配分した方が良かったのでは。

話が前後したが、第1部の白井座長の話について、思ったことを少し。私はこの講演中、日本がなぜ有人の月探査を目指すのかについて、白井座長がどう説明するのか、注意深く聞いていたのだが、結論から言うと、満足のいく内容ではなかった。月探査をやるということ。これはいい。科学的な意義は分かる。では、なぜ有人なのか。無人機による探査だけでは駄目なのか。一番大事なのはそこなのだが、明確な説明がない。

私としては、もし本当に「月を経由しなければどこにも行けない」というのであれば、どんどんやって欲しい。私は人類が外へ進出すること自体には大賛成なのだ。しかし実際には、様々な選択肢が存在する。最初が月の有人探査でいいのか。順番の差はあっても、いずれ将来には、月面を利用するようになるだろうが、いま議論しているのは、この10年、20年の話だ。宇宙予算が限られる中で、まずは最大の効果が得られる場所に投資する必要がある。

日本は独自の有人輸送手段を持っておらず、このまま月を目指すのであれば、他国との協力が必須となる。私が懸念しているのは、膨大な経費をかけながら、キーとなる技術は結局他国に握られたまま、という事態だ。とりあえず日本人を月面に送ることはできても、それで日本のプレゼンスが向上するのか。同じだけの予算を使うのであれば、もしかしたら独自の有人ロケット・宇宙船が開発できたのではないか。もしかしたら、小惑星にも行けたのではないか。

もともと、日本が月の有人探査を言い出したのは、ブッシュ前大統領のコンステレーション計画が前提としてあったはずだ。しかしオバマ政権になり、それはキャンセルされた。影響は決して小さくないはずだが、「月探査に関する懇談会」はいまのところ、当初の慣性だけで動いているように見える。米国なしでどうやって行くのか、明確なビジョンが見えてこない。

白井座長からは、月探査のロードマップについて、2015年頃、2020年頃、2025年頃と、段階的に探査機を送るというプランの説明があった。この計画自体は良いと思うのだが、「2015年頃」となると、こんなのんびり議論ばかりしていて、果たして間に合うのだろうか、という気がしないでもない。本当ならば、「かぐや」後継機くらい、もう予算を付けてさっさと開発を始めていないとおかしいのだが。

まぁ、「月探査に関する懇談会」も、当初は2足歩行ロボットの是非について紛糾するという馬鹿げた事態になっていたわけで、今回の説明において、イラストやCGにヒューマノイドが全く出てこなかったのはまだ良かった(上半身だけヒューマノイドの”ガンタンク型”はあったが)。ここにきて、ようやく本来の議論に戻れたということかもしれない。井上委員は相変わらず、ヒューマノイドを支持しているようだけれど。

イベントの最後、前方のスクリーンに大画面で「かぐや」からのハイビジョン映像が映し出され、「ふるさと」の唄が流れる。「いいイベントだった」と感動して帰ってもらおう、という意図が見え見えの演出を、私は冷め切った思いで見ていた。とんだ茶番。これで、「国民からの意見を聞いた」とでも言うつもりだろうか。

この意味のないイベントで、1つ光るものがあったとすれば、それはやはり若田宇宙飛行士の存在だろう。彼は、このイベントのために、前日に来日し、米国にとんぼ返りするという。疲れもあるだろうに、終始笑顔で対応し、自分の役割を果たしていた。それだけに、この内容はあんまりだろう、という思いがある。

イベント終了後、控え室にて、若田宇宙飛行士の囲み取材があった。以下、私の質問への返答のみ抜粋して掲載する。

Q 月に行くにしてもどこに行くにしても、まず地球低軌道に出る能力がなければ話にならない。そういうこともあって、若田さんは「日本も独自の有人輸送手段を持つべきだ」と言っているのだと思うが、気になったのは前原大臣の反応。以前、若田さんと会談したときは、もっと前向きな発言をしていたように思うが、今日は情報収集衛星を力説していたばかりで、ずいぶんと後退したような印象を受けた。若田さんはどう感じたか。

A 大臣からは、日本がやらなければならないミッションは何か、しっかりと見つめ直す必要があるという話があった。情報収集衛星の重要性についても仰っていた。そのために、日本はロケットを持っているんだと。そういう意味では、ロケットの信頼性を高めていくことは、人工衛星を打ち上げることのみならず、長期的に見れば、それが有人宇宙機に使えるような信頼性の高さに繋がっていくと思う。大臣がミッションを明確に捉えているということで、それは有人にも繋がっていくんじゃないかと、そういう風な印象は持った。

Q 今回、後ろ向きになったというようには捉えなかった?

A ええ。前回の会談は、大臣になられた直後だった。それからの間、本当に宇宙のことをしっかりと勉強されて、世界における宇宙開発の現状を捉えた上でのご発言だったという感じを持っている。

Q 個人的には、「日本も独自の有人ロケットを持つ」と宣言くらいして欲しかったのだが。

A そうですね。ただ、やはり宇宙開発担当大臣が自ら、こういうナショナルミーティングという機会に参加して、しかも学生の皆さんとこんな長い時間お話をしてくださったケースというのは、なかなかまれなケースだと思う。前原大臣のほか、泉政務官もいらっしゃってくれたが、政治の分野でも、月探査に関して強く関心を持って、取り組んでくれているという印象を持った。

今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議 第4回会合

3月30日、「今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議」の第4回会合が開催され、同日、泉政務官による記者ブリーフィングが行われた。以下にその内容をまとめる。

ーーーーーーーー
泉政務官

今日は第4回の会合を開催した。
大変失礼ながら、私自身は別件で到着が遅れてしまった。
前段の部分の議論は聞けていないが、大体その後の説明を聞いて、
今日は特に新経済成長戦略の進め方というところにほとんど議論を使い、
そして今後のタイムテーブルの確認したということだ。
主にその2点について議論した。

新経済成長戦略の進め方については、
宇宙政策を成長戦略にのせていくときに、
各省それぞれから案が国家戦略の側に届いているという現状がある。
一方で、宇宙戦略本部があるということを踏まえれば、
やはり本部の中で調整しながら宇宙政策を一本にまとめて、
国家戦略のほうにお出しするのが全体の整合性から見ても
よろしいのではないかという指摘が有識者会議から出されて、
基本的に我々政務三役も同じ思いである。

各省からそれぞれ宇宙政策に関する新成長戦略のペーパーが出されているわけだが、
我々はいまそれを集約している。
それを我々自身でよく研究させてもらって、ここはひとつ
有識者会議の皆様にある種の旗振り役になってもらって、
広範な宇宙の専門家、
とくに基本計画にもとづくそれぞれの分野の専門家のかたに知恵を借りたい。
100人くらいの宇宙の専門家、利用・開発それぞれの専門家に集まってもらって、
タスクフォース会合を4/2~3に開催したい。

これは政府そのものの会合というよりは、
有識者会議の有識者のみなさんが新成長戦略に向けての宇宙政策をみたときに、
さらに整合性のとれた、より戦略性のあるものに、
大きく仕上げていくための取り組みであり、
自主的に開いて頂く形を考えている。
場所は東大の本郷キャンパスで行いたいということ。
これは政府の会合ではなく、あくまで有識者の皆さんの自主的な会合。
我々としてもぜひ取り組んでもらって、最終的に良いものを
有識者の先生方でまとめてもらう一助にしてもらいたい。
その動きについては了承した。

その会合を経て、おそらく何らかのペーパーが上がってくると思うので、
それを有識者会議の中で議論させてもらい、最終的には国家戦略のほうに
提出させていただく。

今後の有識者会議のスケジュールについては、
4/6 日本の宇宙開発体制について、何かしらの案を示してもらいながら議論
4/13 成長戦略についての提言の案が出てくる時期、それについて議論
今後のあるべき宇宙開発体制については引き続き議論
4/20 最終的な有識者会議の提言書について議論、検討

ーーーーーーー
質疑応答

Q 朝日新聞
タスクフォースの役割について
各省からの案をここで議論してまとめるのか

100人の専門家は大人数だが誰がどう選んだのか
もしくはもう決まっているのか

A 泉政務官
現在すべての方のお名前を出す状況ではないが
JAXAのかたもたくさんいる
あとは企業、各省庁の担当者にも声をかけている
実務的、専門的な話をしてもらうので、
有識者の先生方に人選は任されている

役割については
各省庁の方にも来てもらうので、
最終的には一本にまとめたい

Q 新しい提案が出されるというわけではないのか
すでに上がってきているということか

A すでに上がってきているものを
どうまとめるかという理解だ

Q 読売新聞
タスクフォースについて
松井座長の提出資料を見ると、
位置づけについて
中長期的が有識者、
短期的がタスクフォース会合とある
そういった役割分担か

A 泉政務官
そうなる

Q NHK
資料4-4 今後の議題について
4/6の宇宙開発体制案
有識者の先生が案を示して
それをたたき台に議論するのか

A 泉政務官
そういうことをイメージしている
もちろん宇宙庁という考え方や
いまの戦略本部でいかに政策立案を実施していくか
いまはいろんな意見が併存している状況
先生方から案を提示してもらう

Q 何か結論を出すのか

A 多分4/20の最終的な提言の中には
そういうものが入る
政策を実現する体制案などについて提言がなされるのでは

Q 東京新聞
今後の戦略本部の開催予定について
各省庁による会合の開催予定について
教えて欲しい

A 事務局
まだ決まっていない

Q 最終的な提言が決まった後に
戦略本部の会合が開かれて
総理も出席する流れか

A 泉政務官
このゴールを持ってして開くというところまで
まだ我々も決定していないが
いずれかの時期に本部会合は持ちたいと考えている
ただそう頻繁には持てないので、次の本部会合に
どこまでの荷物を載せていくのか考えたい

3/31追記
松浦さんのWEBサイトにも記事が掲載された。私の方はいつもながら単なる”取材メモ”なので記事と呼べるものではないのだが、松浦さんの方にはきっちり考察も書かれているのでそちらを参照するといいだろう。また、有識者会議の秋山先生のWEBサイトには、さっそくそれを受けて、返答が書かれている。そう、いま必要なのはこのスピード感なのだよな。

第1回 ROBO-ONE Light 参戦結果

3月20日(土)、川崎市産業振興会館にて開催された「第1回 ROBO-ONE Light」に参加してきた。これは、認定された市販機または1kg以下の自作ロボットが出場できる格闘技大会。ROBO-ONE本戦のレベルが高くなってしまい、初心者が参加しにくくなってしまったために、新たに設けられたカテゴリである。
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金星探査機「あかつき」報道公開フォトレポート(その2)

続いては、同時に公開された小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」について。「相乗り」の衛星ではあるが、「機械」として見れば、じつはこっちの方が面白い。

概要については、JAXAのWEBサイトでも見て欲しいが、要は太陽光を受けて進む”宇宙ヨット”なわけだ。JAXAのは、薄膜太陽電池も貼り付けてあって、ついでに電力も得られるのが特徴。燃料と電力の問題を一気に解決できる素敵な技術である。

「ソーラー電力セイル」は、せっかくの大面積を活かして、発電能力も持たせたものになる 主要諸元。「あかつき」と一緒に金星に向かった後は人工惑星となる
ミニマムサクセスとフルサクセスの定義。展開に成功するだけでも世界初となるが、せっかくなら加速まで狙いたい セイルの構造。展開時は一辺14mの正方形となる。一部は太陽電池と液晶デバイスになっており、機能を持たせてある
展開する様子のCG。最初はこのようにセイルは本体に巻かれた状態になっている まずは1次展開。先端の重り(0.5kg×4個)を使って、遠心力で十文字に引っ張る
セイルを拘束していたバーを倒して、2次展開を開始 展開後しばらくすると、徐々に安定する
本体の4方向にカメラが搭載されており、展開の様子をモニターする しかし上方からも見たいところ。そのために、分離するカメラも搭載されている
分離カメラからの映像。このような映像が届けば、展開は成功だ 展示されていた「IKAROS」の1/20模型。割と新しいもののように見える
これが「IKAROS」のフライトモデル。セイルは畳まれて胴体にグルグル巻きにされている 上から見たところ。太陽電池が取り付けられている。今回は試験機であるため、セイルで発電した電力は利用しないとのこと
左上の四角い箱が先端マス(重り)。そこからヒモが延びていて、これがセイルを引っ張る。90°間隔でこれが4つ取り付けられている この黒いバーでセイルを拘束している。これも90°間隔で4つあり、右側にスライドしていって、セイルを少しずつ伸ばしていく
展開の様子を確認するために、周囲には90°間隔で4カ所にカメラが取り付けられている 上から眺めるために、分離させるカメラ。こちらは2台が搭載される
太陽電池の面を良く見ると、小さな穴が開いている。おそらく、分離カメラはここから出る セイルは遠心力で展開する。IKAROS本体にスピンをかけるために、ここにスラスタが搭載されている。2つ見えるのは冗長のため

また同日、たまたま試験をしていた水星磁気圏探査機「MMO」の熱構造モデルも公開された。こちらは水星探査ミッション「BepiColombo」として、ESAの水星表面探査機「MPO」とともに水星に向かう。

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