HAKUTO記者会見書き起こし(2018/01/11)

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本日(2018/01/11)、HAKUTOからプレスリリースが出た。

HAKUTOは挑戦し続けます
http://team-hakuto.jp/5743/?lang=ja

残念ながら、Google Lunar XPRIZEの現在の期限である3月末までのミッション達成はかなり困難な状況になったようだ。しかしHAKUTOはGLXPからの撤退はせず、期限の延長も含め、今後も様々な方法を模索していくとのこと。

同日14時からの記者会見には、私は別件の取材があって出席できなかったのだが、録音データを入手できたので、以下に書き起こしたメモを貼っておく。記事化する前のメモ書きなので読みにくいが、参考までにどうぞ。

―――――――――――――
ハクト袴田代表

一昨日の報道を受けて
ハクトから直接見解を説明したい

まず第一に
我々ハクトはGLXPからの離脱を考えていない

GLXPの挑戦はこれからも続けていく

ハクトはGLXPへの参加に際し
もともとXP財団が掲げていたレース後の産業化に
大いに共感をし参加してきた

この思いは今も今後も変わることは無い

我々はあらゆる可能性を模索して
引き続きGLXPへのチャレンジ
そして民間での月面探査の実現を
挑戦していく

その一方
先日からチームインダスに関する報道が出てきている

我々としてもその報道を受けて
チームインダスに確認をしている

その結果
チームインダスと
PSLVの間で
協議の中でいろんな調整が起きており
3/31の期限までに
我々のミッションを実現するのが難しい状況であることを
確認した

しかし我々は引き続き
GLXPへの挑戦
そして民間での月面探査に向けて
引き続き挑戦していきたいと考えている

そのために我々は今まで着実に準備を進めてきた

昨年後半には
XPの審査員が来て
我々のミッションレビューを行い
内容を理解している

ハクトのローバーが環境試験をクリアして
先日インドへシッピングも完了している

チームインダス側も
ランダーの開発
そしてミッションコントロールセンターの開設など
準備を着々と進めている

そのような中
我々ハクト、そしてチームインダスも
GLXPの実現に向け
最後の最後まであらゆる可能性を模索し
チャレンジを続けていく

様々な可能性を模索する中には
GLXPの延期も交渉していきたい

ハクトとチームインダスは
XP財団に対して期限の延長を要望することを考えている

それ以外にも様々な方策を考えているが
何としても月面に行くことを実現していく

このプロジェクトは非常に多くの方々に支援してもらっている
パートナー企業に限らず
サポーターズクラブの皆さん
クラウドファンディングでも大勢の人に支援を

クラウドファンディングの中で刻印のプレートもある
そのような支援者の思いを確実に
絶対に月に持って行くことは
今後もチャレンジしていく

ですので今後も引き続き
ハクトの支援を皆さんにお願いしたい

―――――――――――――
質疑応答

Q 朝日
挑戦を続けるにあたってGLXPの延長を求めると
それはいつどのような形で求めるのか

その他の方策とはどんなことを考えているのか

A 袴田
延期の要望は
今後コミュニケーションをXP財団と取っていく
その中でいろんな議論が起こると思う

最終的にはXP側の判断になるので
我々としては要望し続けるしかない

それ以外の模索
詳細については控えたい

GLXPの実現に向けてまだ取れる可能性があるものはある
まずはそういうオプションを検討して
着実に月面に行ける可能性が高いオプションを選択したい

Q 日経
GLXPがもし延期されなかったら
それとは別にローバーを上げるのか?

A たとえ延期がなかった場合でも
我々は月面探査を続けていく

Q その場合の打ち上げ手段はどんな選択肢が考えられるのか

A まだ我々はチームインダスと引き続き
打ち上げの可能性を模索している

それがまず第一のオプション

Q 産経
昨年の発表
独自の月面探査

今回の事態でそのスケジュールや内容が変わることは

A ハクト後のミッションについては
計画に変更は無い

まずはこのプロジェクトを実現することを重要視している

それを前提に
ハクト後についても特に変更は無い

Q 共同
チームインダス側との(※聞き取れず)

A 彼らが打ち上げ契約しているPSLV
打ち上げの調整が難しくなっていることを聞いている

ただそれ以上の詳細については
今後の交渉にも響くので
私からは差し控えたい

我々としてはチームインダスとの契約を
現時点では解約していない
引き続き月面探査ができるように
彼らと組んでやっていく

Q 毎日
ランダーの開発が遅れているとの報道

A 契約の話については
差し控えたい

Q 資金的な問題?

A 我々が現在言えることは
残念ながら3月の期限までに打ち上げることが
難しくなっているということ

Q ?
3月までが難しい期限的な問題なのか
延期すれば解決するのか

A 我々の理解としては
3/31のミッション実現に向けての打ち上げの
調整がついていないと

Q どのくらい伸ばせば可能なのか

A 現時点では言えない

Q 延長すれば実現の可能性があるという交渉?

A チームインダスとしては
今後打ち上げのタイミングが延びようとも
何かしら月面に辿り着くようなミッションを実現しようとしている

Q 日経
現時点でXP財団に何らかのアクションは起こしているのか

A コミュニケーションは進めている
我々からはXPに関してコメントする立場ではない

Q 延長して欲しいというコミュニケーションなのか

A GLXPの延長を求めている

Q ?
以前、GLXPの延長は難しいのではと袴田さんは見解を示していた
現時点で延長は可能だと考えている?

A 可能性はあると考えた上で
要望を伝えている

Q NHK
ファイナリスト5チームがいずれも
打ち上げ日が決まっていない

延長の可能性があるというのは
そういったことも含めて?

A 我々としては他チームの打ち上げについては
関知していないので状況については応えられない

延期の要望を出している

Q 朝日
延期の要望は他チームと共同して出す?
チームインダス以外と共同して申し入れることは?

A 現時点では
我々とチームインダスで要望している

Q 今後は他チームとの共同は考えている?

A 現時点で明確な予定は無いが
もしそういう要望があれば
一緒に要望したい

Q 読売
資金的なところで(※聞き取れず)

A 今回のハクトのミッションについては
いまある資金でやっていけると考えている

各パートナー企業にもご理解いただいている

Q 朝日
チームインダスからは3月が間に合わないと
どういう説明を受けているのか具体的に

A 私とチームインダスのリーダーの間で打ち合わせ
彼からそういう状況と
3月の打ち上げは難しい状況だと

打ち上げロケットの調整が難航していると

Q 調整は具体的に何が問題なのか
技術的な問題か資金的な問題か

A 私の立場から言えることは無い
コメントは控えたい

Q 延期の理由はそこなのでぜひ説明を

A 我々としてはいま伝えられる範囲で
最大限説明している

打ち上げ側との交渉が難航していると
3月末までのミッション実現に向けて打ち上げることができないと

Q 交渉難航の理由については言えない?

A 申し訳ないが言えない

Q ?
交渉が難航しているのはいつごろ認識したのか

A 今回の報道で確認した
それでチームインダスに

Q 報道があるまでは
難航していることは知らなかった?

A はい

Q ?
去年11月くらいから資金難という報道があった
それでもそういう状況は入ってなかった?

A チームインダス側とは常にコミュニケーションしていて
彼らの開発状況は把握しながら進めている

彼らの今までの課題についても
我々が協力できることはやって
一緒に問題解決してきた

把握していることは多かったが
打ち上げについては報道で知ったという状況

Q ?
ispaceとしてはハクトがミッション0
今後の月面探査に繋がると説明

いつまでに打ち上げられるか分からない中では
2020年のミッションに影響は出るのでは

A 我々のミッション1と2については
ローバーもそうだがランダー開発がメイン
それに対して大きな影響は無い

Q ハクトのローバーはすでに完成
それがロケットやランダーの都合でこのような影響を受ける
レースの設定自体の難しさをどのように受け止めているか

A まず第一に
レースとしては打ち上げから各チームがやってくださいと

我々は相乗りを選択
ローバーにフォーカスして
打ち上げと着陸は他チームにという戦略

ランダーを我々自身ではなくて他チームが開発
その難しさは納得した上で相乗りを選択した

それについて我々が後悔していることはない

Q チームメンバーは現地に?

A エンジニアはインドと日本を行き来

Q メンバーの士気は落ちていないか

A 3月末までのミッション実現が困難と

それは時期だけの問題
我々自身は月面着陸を目指すことは変わらない

士気が下がっているわけではない

Q あくまでインドのロケットで?
調整を何とかクリアしていく?

A はい
我々としてはインドのランダーから変更というのは
この短い時間では難しい
もし可能性があれば検討するが
基本的にはチームインダスのランダーを活用する

Q ?
打ち上げ延期のスパンは
数週間か数カ月か

A それが分かればいいが
現時点では明確に言えない

Q 長期にわたる可能性も?

A 残念ながら未定だが
早いタイミングで打ち上げできるよう模索している

Q 朝日
3月までの打ち上げができなくなった所感を
応援していた人にメッセージは

A 我々としてはGLXPのチャレンジを諦めたわけでは無い
引き続き挑戦を進めていく

ハクトとしては7年間
今までいろんな困難があった
今までもそれを1つずつ解決してきた
その方針は今後も変わらない

今回また1つの大きなヤマになるかもしれないが
我々としては一歩ずつ歩みを進めて
必ず解決策を見つけて
今回のミッションも実現したい

今までサポートしてもらっている方々には
引き続きご支援をいただきたい

Q ?
ハクト側の問題ではなく
もらい事故的な状況だが
最近ではアストロスケールも

自分達がやってきたことがうまく繋がらない
もどかしさのような思いはあるか

A 宇宙開発特有の難しさはある
ただ現在は技術も進展してきた
失敗リスクも削減されている

その中で次の産業として始まったばかり
いろんな失敗がこれからも出てくる

ただその1回の失敗で歩みを止めてしまうと
その後の産業の発展はない

その失敗を乗り越えて
次へチャレンジしていけるやり方を模索していくのが重要

それこそがハクトがやろうとしていること
そういうスタンスを忘れずに

失敗したいわけではないが
そういう失敗があるかもしれないことは認識しながら
それを克服するためのチャレンジをしていく

Q ?
ispaceとして資金集めを手伝ったり
パートナーとして何かする予定は

A 具体的には今後話し合っていくことになる
我々としては最大限協力できることはやっていく

Q 資金調達を手伝う可能性は?

A 内容によっては
我々にもメリットのある形で合意できるのであれば
様々な可能性は検討したい

Q もしレースを断念するとなると
判断する最終的な期限はいつか

A 可能な限り早く次の可能性を検討していきたい

GLXPの期限は3/31
それまでにXPが延長しないということであれば
GLXPについては残念ながら
その枠組みの中では飛ばすことができない

ただGLXPが無ければ飛ばさないというわけではない
引き続きチームインダスとともに最短で打ち上げられる
可能性を模索する

延期があればベストだが

Q それはかなりミラクル?

A いろんなプレイヤーが絡んだ話になるので
一筋縄にすぐ決まらないかもしれない

ただ最初から可能性を捨ててしまえば実現しない
まずは可能性があるかどうか判断して
オプションの実現に向けて動くのが重要

Q 朝日
ロケットも引き続きインドで?

A ロケットの選択については
チームインダス側が担当すること
我々の担当ではないが

我々の理解ではチームインダスも
あらゆる可能性を模索
最短で着陸できるように
オプションを探ろうとしている

A ハクト広報
袴田の回答を補足

打ち上げロケットの調整が付かなかった理由

我々がチームインダスに事実確認して把握している情報は
3月の打ち上げが難しいであろうということ

ただ調整が付かない中身については
我々とチームインダスとの契約の中で守秘義務もあって
話せない部分があるのはご理解いただきたい

海外の報道にあった
資金の不足、開発の遅れ

我々としてはそういう報道を見て
開発資金などの複合であるとは思うが
そういう要素が重なって調整が付かなかったのではと
推測している

Q 報道を見て判断したことなのか
チームインダス側とのやり取りでそういう感触を得たのか

A チームインダスとの契約の守秘義務にも絡む
これ以上は回答できない

Q 交渉して、報道を見た上で
資金と、開発の遅れと、複合的な問題だろうと思っている?

A 我々としてはまず海外の報道を見て
そういう複合的な理由ではないかと推測

Q チームインダスとの交渉を経た上でもその推測は変わらない?

A 海外の報道を受けて
我々はそう推測している

Q 確認だが
3/31までの期限が延びるかどうか
他のチームがその期限までに打ち上げられるかどうかにも関わる

現時点で上げられそうなチームはあるのか

A 袴田
我々も確認は取れていないが
まだGLXPから離脱するという話が出ていない以上
彼らとしてもまだ打ち上げられる可能性があると

Q どのチームも苦戦している?

A 我々も報道ベースでしか知っていない

Q 延期の可能性はある?

A 最終的にはXP財団の判断になるが
我々は有力候補だとは思っている
我々が要望すればXP財団も話を聞くのでは

Q ?
ハクトの枠組み
もし延長がなければ
その後も打ち上げるまで
ハクトは続ける?

A ハクトの名前はGLXP向けだが
仮に期限が延期されなくても
ハクトとしてやっていきたい

Q ?
(※質問聞き取れず)

A いまのローバーは
チームインダスのランダーに合わせて開発した
我々はチームインダスのランダーで月に行くことを考えている
その可能性がある限りローバーはインドに置いて打ち上げを待つ