「宇宙基本計画(案)」のパブリックコメント

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「宇宙基本計画(案)」に対するパブリックコメントを送った。ちょうど仕事が忙しい時期で時間的な余裕が全くなく、募集の〆切時間の1分前にギリギリ送信できたようなメモ書き程度であるが、せっかく書いたので、とりあえずここに内容を貼っておきたい。

そんなドタバタ状態で、ちゃんと調べて書く時間が全く無かったため、事実誤認が含まれているかもしれないのだが、まあ間違っていたら無視されるだけの話なので、今回は時間に間に合わせることを優先させた。読むのが間に合わず、書けなかった項目もあるのだが…。反省。

以下がその内容だ。

○項目2-3

「人類の英知を高める宇宙科学や将来に向けた人類の活動領域の拡大等に寄与する有人宇宙活動や宇宙探査は引き続き重要」とあるのに、そのあとで宇宙科学には「一定規模の資源を充当」し、宇宙探査と有人宇宙活動「にも」資源を割り当てるという記述はバランスに欠く。同列にし、「宇宙科学、宇宙探査、有人宇宙活動等に一定規模の資源を充当する」とすべきではないか。

○項目3-1.A

準天頂衛星の整備による利用拡大がどの程度の規模になるのか見通しが不透明で、現時点で4機体制の整備をというのは拙速すぎる。一旦白紙に戻して市場調査からやり直すべきである。現時点で社会に欠かせないのは測位衛星であって、準天頂ではない。準天頂でしかできないことは何か、代替の地上技術に対する価格優位性はあるのか、十分検討の上で判断すべきだ。安全保障面についても、この財政状況では決して聖域ではなく、費用対効果の検証は必須。情報収集衛星にも多額の予算が使われる中、準天頂衛星の優先度が高いとは考えられない。

○項目3-1.B

気象衛星は、国民の財産や生命を守る上で、非常に大きな役割を果たすものであり、定期的な更新が欠かせない。重要性に対して、記述が少なすぎないか。また気象衛星については、現在は国際競争入札による調達が行われているが、安全保障上、非常に重要な衛星システムであり、国として、国内の衛星メーカーから調達すべきではないのか。

○項目3-2.G

資材の輸送や電力の送信など、技術的・コスト的な問題が大きく、実現には数10年単位の時間が必要になるだろう。10年を視野に入れる基本計画の中に入れるのは不適切である。将来のために、基礎研究を続けることは必要であるが、ほかの2項目、宇宙科学・探査と有人宇宙活動に比べ、投資額の差が大きすぎて、並記する意味があるのか。多くの将来技術の中の1つという位置付けで良いのではないか。

○項目3-3.8

新規ベンチャーの参入を促進するための法整備が必要。制度的・資金的な優遇策などを導入する必要があるのではないか。

○項目3-4.3

費用対効果の観点から、ALOSシリーズと情報収集衛星の相互運用が必要ではないか。時間分解能の向上のためには複数の衛星を使ったコンステレーションが有効であり、統合によるメリットは大きい。東海・東南海・南海の巨大地震が懸念されており、安全保障上も、リモートセンシング衛星を最大限活用できる体制の構築は急務。合計の機数を減らすことにより、コストの削減も期待できる。

○項目3-4.5

情報収集衛星は、東日本大震災のときですら積極的に使われた形跡がなく、「安全保障上の理由」を盾に一切の説明を拒む姿勢のままでは、国民の納得を得ることは出来ない。費用対効果や有効性等を評価する独立した委員会を設け、検証結果を、必要な衛星の機能、地上の人員など、今後の改善に活かすべきだ。

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