ホリエモンロケット・公開燃焼実験

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SNSは2月12日、開発を進めている100kgf級液体ロケットエンジンの燃焼実験を、北海道赤平市の植松電気において報道向けに公開した。同社のWEBサイトに動画が掲載されているものもあるが、これまでの燃焼実験は非公開で行われており、報道向けに公開されるのはこれが初めて。今回の実験は、タンクや燃焼室などの各コンポーネントがバラバラの状態で実施されているが、3月にはこれらが機体の中に納められて、ロケットの打ち上げ実験が行われる予定だ。


SNSのWEBサイト

SNSは、ホリエモンこと堀江貴文氏が所有する事業会社。ロケットの開発は、SNSを主体として、これに笹本祐一氏(SF作家)、あさりよしとお氏(漫画家)、松浦晋也氏(宇宙ジャーナリスト)、野田篤司氏(宇宙機エンジニア)などが手弁当で協力する形で進められている。このゆる~い団体の名称が「なつのロケット団」だ。

堀江氏のロケット開発については、以前取材した記事があるので、そちらも参考にして欲しい。「ホリエモン」というだけでイロモノ扱いするメディアが多く、適当な取材が目立つのだが、彼の宇宙開発について、真面目に詳しく取り上げたのはこの記事が一番最初ではないかと思う。

ホリエモン直撃インタビュー、ロケット開発について聞く
~目指すは小惑星、そしてその先へ

来月の打ち上げ実験については、私も取材に行くつもりでいるのだが(記事はマイコミジャーナルに掲載予定)、今回の燃焼実験はニコ生の中継で見ていた(goma氏に感謝!)。記者会見のテキストをつい習慣で打ち込んでいたので、いつものように添付しておきたい。出席者は、堀江氏と実験責任者の牧野一憲氏の両名。

ーーーーー
堀江
実験は無事成功

3月に大樹町で打ち上げる予定

今日の実験
エンジンの安全性・安定性を確認

いまのところ問題ない
このまま

牧野
燃焼時間は2.5秒 計画通り
推力は約120kgf 計画通り

この条件で3月の打ち上げ
目標高度は500m

昨日も同じ実験をやっている
バラツキのない結果が得られている

ーーーーー
質疑応答

Q 来月以降も大樹町で打ち上げ実験をやるのか

A 特に問題なければ大樹町でやっていきたい
かなり安全マージンをとっている

今後はさらなる高い高度を目指したい
海側に打つとか
そういうことも考慮したい

Q 現状の性能では最高どのくらい行けるのか

A 牧野
今回のエンジンは
宇宙に行くためのものではなくて
安全に打ち上げられるということのデモ用

いまのところ最高19秒まで燃焼している
そのときの高度は暗算ではでないが
5~6kmくらいか

いまはタンクの容量をわざと減らしている

A 堀江
19秒のときはタンクが違う

もっと大きなタンクにすればもっと飛ぶ

エンジンをかなり改良すれば
小型衛星の打ち上げに使える3段目になるようなイメージ

しかし今回はあくまで
安全に打ち上げられるデモ用

Q 目指すものはなにか

A 有人打ち上げも考慮に入れて計画を進めている
当面は人工衛星を宇宙に投入するものをめざして
それを最初のステップに

いきなり宇宙には行けない
技術的、体制的に
今回は低空での打ち上げ試験
そこで実績を積んで先に行きたい

作っているエンジンはこれだけではない
500kg級も平行して開発

SNSのWEBページに燃焼試験の動画も公開している

さすがにそれでやると軽く1kmを超えてしまうので
大樹町での陸地での回収が難しくなる

Q 最短でいつくらいに衛星を上げたいか

A 2014年とWEBには書いているが
技術的以上に条件整備
各省との協議も必要

できるだけ早くはやりたい

まずは危険性がないことを周知できるような
技術力・体制を広く告知して
納得してもらってから打ち上げる

どちらかというと
そちらの方が制約になっている

2~3年のタイムラインで衛星まで行きたい
有人にはしばらくかかるが

安全に安定して動かせる状況を作っていきたい

Q 国のロケット開発を高コストとして批判していたが

A やみくもに批判しているわけでなくて
エレクトロニクスの技術革新が早い
衛星は小さく軽く作れるようになってきた

衛星は重かった
バッテリとか
それが軽くできるように

国が保有しているようなロケットだと
オーバースペック過ぎる
それで高すぎる

H-IIAでも衛星の重量が足りなくて
ピギーバックを乗せるとか

研究機関の人の意見を聞くと
好きな時期に打ち上げたい
1回あたりのコストを下げたい

1kgあたりいくらかと聞かれるが
我々が目指すのは
1回あたりのコストを下げること

好きなときに小型衛星を打ち上げられる

大きなロケットで
たくさん相乗りして100個打ち上げるようになれば
1個あたりの単価は下がるだろうが
それは難しい
となると1回の打ち上げコストを下げるのが重要

国のロケットでは
1本1億円以下にはならない

1000万円くらいで打ち上げられればいい
計算していてかなり厳しい数字であることは間違いない

できるだけ枯れた技術で開発することを念頭に置いている

国の開発では最先端技術でないと予算が下りない
すばらしい技術だが高くなる

我々の部品の加工は
町工場でもできるような
安くできるような

職人がミクロン単位でやるような話しになると
高コスト体質になるので
そうでなくても動くエンジンを指向している

しかしハードルが意外と高くなる
高くするとできるのになという場面も

Q ロケット開発を北海道でするのは適しているか

A 冬は寒い
マイナスの日が多い

エアアクチュエータのホースとバルブ
その辺のコネクタが寒さでうまく繋がらずにエアが漏れるとか

計測機器の電池
普通の2次電池は使えない
1次電池を使ったり

配管は特殊なことをやったり

そういうことはあるが
湿度は低いので
水蒸気が入り込んで問題になることはない

それに人口密度が低いので実験しやすい

植松電気が先駆者としてここで実験をしてきた
そうした環境がなによりも重要

植松電気が実績を積んできた
僕らはその道の上を歩かせてもらっている

Q 打ち上げの日にちは

A 牧野
まだ
改めてプレスリリースで

全長が3m20cmくらいになる
「はるいちばん」という名前で

ロケットと宇宙開発 決定版 (Gakken Mook 大人の科学マガジン別冊)
クリエーター情報なし
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昭和のロケット屋さん (Talking Loftシリーズ)
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国産ロケットはなぜ墜ちるのか
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