今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議 第6回会合

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4月13日、「今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議」の第6回会合が開催された。以下に、泉政務官による記者ブリーフィングの内容を掲載する。

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泉政務官

今日は3:15から有識者会議の第6回会合を行った
その次は4:30から月探査懇談会のメンバーに入ってもらって
前原大臣とともに月探査に関する円卓会議(合同会議)を開催した
大島副大臣以外は全員参加した

資料
徐々に有識者会議としてまとめつつあるということでご理解いただきたい

資料6-1-1で全体
資料6-1-2以降でそれぞれの詳細

有識者会議としてはグリーンイノベーション戦略
そしてそれをパッケージ化していくという戦略
この2つをしっかりと実施しながら
さらに先端的、挑戦的なイノベーションエンジンということで、
いくつかの政策をあげている

これまで何度か話をしてきたことだが
基本的には、これまでは研究開発ということで
衛星を打ち上げても
例えば複数を系統的に結びつけたり統合したり
データを総合的に活用したり集約したり
そういうことは行われてこなかった
それを販売するとかそういったことにも
あまり考えられてこなかった

衛星はいろいろと上がってはいるが
それを体系的に位置付けて
データの利用やそういったことについて
より取り組んでいこうというのが
グリーンイノベーション戦略の主旨

資料6-1-3
日本全体を5mの分解能で一日に一度撮像できる
これはあくまで事例

現在の基本計画でも3時間に一度 8機体制ということがあるが
要はそういった様々な観測衛星・監視衛星
複数運用しながら
データアーカイブ解析センターを設置することで
その利用を高める

1時間以内にユーザーに即時配信
例えばグーグルの写真はいつ撮られたモノかわからないが
リアルタイムに更新されることによる価値があるのではないかと

資料6-1-3の下
アメリカもデブリ対策にかなり乗り出しつつある
日本としてはデブリ除去について目を向けていくべき

資料6-1-2
要はパッケージ戦略
衛星もそうだが
それを打ち上げて中の部品等々、あるいはシステム
ここに救急車の絵が描いてあるが
交通事故が起きたらクルマから事故信号が出て
自動的に救急車が出動できるようなものがある
それをセットに売り込むことで
他国の防災とか様々な政策全体の底上げを図れる
喜んでもらえることになる
必ずしも救急車そのものは新しいインフラではないが
それに付加価値を付けることでセットで売り出せる
そういうことでパッケージ化を考えていこうと

そのほかいろいろ書いてあるが
質問があれば答えたい

イノベーションエンジンのところは
それほど詳細には触れられなかった
小型衛星打ち上げシステムの開発とか
探査も
宇宙基本計画では月探査に重きがおかれていたが
月にロボットをどう走らせるかよりも
有識者会議としては
探査というものを大きく捉えて
優先順位を高いところから真に必要な探査を行うというスタンス

新輸送システムの開発
無重力環境の利用
基本計画にも触れられているが
頭出しをしていきたい

資料6-2 新成長戦略時代の宇宙開発新体制
現状
いままでも言われてきたのはトータルバランス戦略
宇宙機器産業市場は
国費が2,000億円以上投入され続けているにもかかわらず
産業規模が減ってきている状況
これをなんとか改善しないといけないという
問題意識が有識者会議の中では強い

以前から話している民需をどう広げていくか

そのための新しい宇宙開発体制が右の図
これはもう見ての通り

一方で今日の政務三役を含めた議論では
これは将来的な1つの姿と考えている
現在でもできることはそれなりにある
戦略本部がある
そのなかでしっかり議論すれば
当面の問題は様々解決できる

有識者会議としては理想的な姿として
宇宙庁、経営会議、専門調査会
その元に様々な利用コミュニティが
意見交換できるような体制を描いている

有識者会議の今後について
スケジュールに狂いはない
次回は4/20
この資料からさらに修正が加えられたモノがでてくる

4/20の段階でどんなやりとりがあるか
今日はまだ議論していない
まだ確定していない

これから有識者の先生方と調整して
どういう報告になるのか詰めていきたい

16:30からは円卓会議を行った
初めての顔合わせだっと思う

両方とも大臣の下の会議だが
政権交代以前からの月探査の懇談会
我々も興味深く聞いた

非公表扱いになっているので
誰が何を言ったかお伝えしにくいが
とはいえ思い切って少し話をしてみると
……怒られますかね?(事務方の顔色を窺う)

私も感じていたことで皆さんもうんうんと頷いていたが
懇談会のみなさんも、自分たちが積極的に
自ら基本計画の中に月をやってくれと入れて
自分たちが主人公になって月政策を推し進めていくという
位置付けではそもそもなくて、
基本計画に位置付けられていることで懇談会ができて
その懇談会に集まった皆さんなので、
ともすれば彼らが月政策を推進している主体ではないかという
見られ方をするかもしれないが
それではなくて我々は懇談会のみなさんに意見を伺うという立場
月の意義についていま議論をしてもらっている最中

そういった意味では
なぜ月が基本計画に入ったのかについては
我々がまさに政治の側として
過去の政策の決定過程の検証を行っていくことが本来大事なこと
現在の懇談会の方々に何か問題点があるというような性質のものではない

もう1つは彼らも基本的にはそういったもとに議論をしてきて
いま報告書を上げてくるという段階になりつつある
その中でその報告書をどのように扱うかは
政治の側に委ねられてくる

いずれにせよ、どちらも専門家同士でもあるので
いろんな側面から改めて月探査の必要性についての議論があった

もう1つあった話は
月探査を何か他のミッションと比較をしたという議論ではない
懇談会そのものは

懇談会はあくまで月探査の懇談会をするようにと課題を設定されて議論してきた
月がいいのか金星がいいのか木星がいいのかというのは
懇談会の中での議論としてはありえない

改めて様々な他のミッションと比較してどうなのかということについては
まさに政治の側が戦略として決めて行かなくてはいけないという認識を持った

ーーーーーーー
質疑応答

Q 朝日新聞
資料6-2 新しい宇宙開発体制について
理想的な形と言ったが
宇宙庁というのは現在の戦略本部に取って代わるものか

民主党の政策集のなかに
JAXAの企画部門と各省の宇宙部門を内閣府のもとに一元化
日本版NASAというのが入っていた
今回の宇宙庁はそれを具体化したものか
民主党のインデックスとの整合性は

A 泉政務官
有識者会議の皆さんは
民主党のインデックスにどう書かれていたかを見て
こういった案を出してくれたとは思っていない
民主党のインデックスはインデックスとして

様々な専門家から話を聞いた中でのインデックスでもあるので
方向性が一致している

民主党とすりあわせをしたわけではない

ただ、それはあくまで有識者会議のみなさんの話
いま政府として宇宙庁を具体的に採用して
取り組んでいるわけではない
今の段階では

宇宙庁が発足すれば
戦略本部とは別ということは多分ない

Q 東京新聞
イノベーションエンジンのところ
無重力実験でタンパク質
きぼうを使った生命科学の実験に繋がる印象
となると経済成長戦略は10年を見越した計画
ISSの延長問題とも関連してくると思うが
このタンパク質実験を盛り込むということは
2015年以降も日本はきぼうを使って生命科学を
やっていくという理解でいいのか

A 泉政務官
無重力環境の利用についての資料
今回初めて提示してもらったが
今日は詳細はあまり触れてない

いままでの有識者での流れでは
ISSにあまり前のめりになってはいけない
その中でこの無重力環境の利用というものが出てきた
それは僕もじつは聞きたいところだったが時間がなくて聞けなかった

資料の位置付けはもう1回聞いてみないと分からない

Q 読売新聞
確認だが月探査に関して
これまで基本計画を前提としていたが
そこも見直すのか
月ではないとする可能性もあるか

A 泉政務官
基本計画では3つの目標を設定している
文面だけいうと
国の総力を挙げて様々な月の可能性を検証していくことになっているが
じつはその後の文章を見ると
検討しても必ず実施するような書き方にもなっていない

一方で純粋な意味で検討してもらったら
その上で実施するしないは判断していい

私が座長に言ったのは
国の総力を挙げて検討するということなら
本当に検討環境がみなさんに与えられてましたかと
私から問いかけた

いまの有識者会議がやっているような機動的な会合の開き方や
必要があればコミュニティに意見を聞くとか
それよりもかつての審議会に近い形で議論されている
残り期間はそうないが
本当に必要であれば追加でどんどん入れても構わないと
私から伝えた

今日の議論のあとに
月探査の懇談会の先生方からは
いまの中間報告からはもう少し書きぶり
より伝わりやすい形の改善はできるのではないか

そういうことは積極的にやっていきたい

現段階では懇談会をしてもらったから月ありき、ではない

月の意義というものついては
全ての委員のみなさんが認めている

月の意義はある
しかし金星、水星、火星にも意義はある
意義がある中での比較
優先順位はまた考える段階に来ていると

先行してこれだけ議論してもらったという重みはある
そこは十分に受け止めながら
だからというわけではない

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