2008年国際航空宇宙展
1日はパシフィコ横浜で開幕した国際航空宇宙展の取材へ。
「2008年国際航空宇宙展」が開幕~宇宙やロボット関連の展示をレポート
http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/10/02/1343.html
「宇宙開発戦略本部」が始動、日本の宇宙開発はどう変わる?
~国際航空宇宙展・特別講演レポート
http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/10/03/1346.html
宇宙開発戦略本部の事務方の講演があるというので行ってみたのだが、概要の説明にとどまり、あまり踏み込んだ話はなかった。まぁまだ発足したばかりなんで、これから議論していくところなんだろうけど。
日本の宇宙開発は、今までの役人任せ・JAXA任せのやり方に問題があるのは明らか。予算に柔軟性がなく、必要なところにまわせていない(気象衛星とか)。「はやぶさ2」のように、意義は大きいのに、なぜか冷遇されている例もある。
仕組みとしては、宇宙開発戦略本部というのは正しいと思う。たとえば有人ロケットを開発するようなときには、政治のリーダーシップが必要になる。万が一、事故で人命が失われるようなことがあれば、日本の場合、反対の世論が沸き上がるだろう。そこで国民に対し、丁寧に説明して理解を求めるのは政治の役割で、JAXAには無理だ。
ただ懸念は、政治家がちゃんと科学を理解できるのか、いや、そもそも理解する気があるのか、というところだ。宇宙基本法が成立した経緯を見ても、目的が国防にあるのが透けて見える。それ以外には興味がないんじゃないの? と思えてしまう。
実際、的川泰宣氏はメルマガで「宇宙基本法の後に来る総理大臣を長とする戦略本部の動きに期待する向きも多いようですが、現在聞こえてくる限りでは、軍事とGXロケット復活という議論だけが華々しいようで、全般的な政治の傾向と同様に、世界と人類の現段階を踏まえて、この経済大国がどのような歴史的貢献をするかという気概は伝わってきません」と述べている。全く嘆かわしいことだ。
結局、はりきって軍事利用だけやって、興味のない科学分野のことは事務方に丸投げ、ってことになりそうな気がする。宇宙開発戦略本部の動きについては、今後も監視していく必要があるだろう。