金星探査機「あかつき」に関する記者説明会(速報版)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月31日、金星探査機「あかつき」に関する記者会見を開催した。同日、宇宙開発委員会の調査部会において、「あかつき」に関する報告が行われており、その報告内容について、中村正人・あかつきプロジェクトマネージャと稲谷芳文・宇宙科学プログラムディレクタから説明があった。
記事は後ほどマイナビニュースに書くつもりだが、今日は諸々の〆切が重なってしまって(※自業自得)時間がとても取れないので、とりあえず取材メモだけさっさと公開しておきたい。
(配布資料はJAXAのWEBサイトからダウンロード可能)
あかつき金星周回軌道投入失敗の原因究明結果を受けた今後の改善事項
「あかつき」の現状と今後の運用について
ーーーーーーーーーーーーーここから
稲谷
報告してきた
これでクローズしてくれるものと考えている
資料2つ
前半を私
後半を中村
その後で質疑
ー
資料1-1
これまでの経過
経緯
燃焼が異常に
燃焼機が破損
探査機がエンジンを止めた
金星に再投入できるか検討
代替手段 RCSを軌道変更に使う
ー
4~5P
逆止弁、エンジン
いままでに発表しているとおり
ー
6P
ー
8P
理解
リークと透過
透過が多くなることがあることが分かった
塩で不具合
ー
10P
今後どうしたらいいか
教訓
付録に書いてある形で
14P
15P以下の課題に教訓をえた
B1~3
10P
今後
部品の調達
何に気をつければいいか
ー
11P
過去の実績
安易に前に使ったからとならないように
使用条件がミッションごとに異なる
安易に実績に頼らない
試験を十分にやる
人材の育成
知識を結びつけていれば防げたかもしれない
思いつくような人材を養成しないといけない
インハウス、自分の手でやりなさいと
これらが具体的なアクション
ー
12P
1.スキームをきちんと用意
2.人材
ーーーーーーーーーーーーーー
中村プロマネ
2P
3P
具体的な運用
3回にわたって投棄した
試験1分
6,9,9分
少し加速される
3回目のあとに急減
出せるものは全部出した
99%に相当する65kgを投棄
ー
マヌーバの結果
3回
横軸 スラスタの累積作動時間
ブローダウン運用
上の弁を閉めて中のガスだけで押し出す
間に補加圧
逆止弁のところにガスがうまくながれていた
それが5P
ー
5P
縦軸 上ほど開いている
ほとんど打ち上げ後の正常時と一致
ー
6P
投入の方針
まだ軌道を
金星にぶつからないというところまでいってない
2つの例をしめした
青が金星で逆噴射
赤道面の絵
長楕円で周回
遠金点が反時計回りに動く
太陽の摂動の影響
それと回る方向が逆
遠金点で原則
非常に金星に積極してしまう
このときは極軌道を選ばないといけない
2016年は何もしない
スイングバイ
約200日後に(金星の1年)に右側から来て
逆噴射で長楕円
すると太陽摂動が遠金点で加速
近金点も上がる
赤道面内に入れる可能性が出る
しかし確定ではない
詳細な軌道決定では2017年以降も有り得る
ー
7P
それぞれの軌道でどんなサイエンスができるか
赤道面に近いと
高速大気 当初と近い軌道
概ね当初の観測
極軌道に近いと
遠金点が南向き
探査機は熱設計で上下には振れない
金星を見る時間が短くなる
ー
8P
今後
太陽に近づくのが7回
熱が上がる
許容温度の逸脱を避けるために
角度の高い温度予測ができるようになった
しかし
3つの項目
に留意しつつ運用する必要がある
ー
9P
まとめ
(読み上げ)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
質疑応答
Q 読売
逆止弁 今後不具合が起きても大丈夫?
2016年に入れるときは
2015年には何もしない?
A 中村
そういう運用も考えられるし
少し噴いてスイングバイも
いま全部検討しているところ
A 稲谷
資料11Pの図
CV-F
仮に完全に閉塞しても
いまの圧力だけで
残りを押し出せる
今後詰まっていても運転はできる
Q 2015年とか2016年
何月?
A 稲谷
何月何日も決まっている
1回目は日にちも決まっているが
2回目はやり方によって変わる
2015年11月
A 中村
2016年後は200日後
2016年6月
Q 遠金点と近金点の距離は
A 遠金点はわからない
近金点は300km
A 稲谷
分からないというか
どの作戦をとるかで異なる
極軌道で入れるのか
短時間しかもたないが低い軌道に入れるか
いろんなオプションがある
どれを選ぶかは
2015年の探査機の状態に密接に関わる
その時点の状況を見て考える
Q どっちを狙いたい?
探査機が健全なら2016年?
A 稲谷
そうなる可能性が高いと思う
自由度が高いことは間違いない
Q 共同
状況はどんどん悪くなるのでは
機体の劣化
A スイングバイするごとに軌道は少しずつ変えられる
無限にできればいい軌道に入れられる
一方で時間がかかるので探査機の状態は悪くなる
その意味で2回目3回目は原理的に有り得る
永遠に探すことはしなくて
1回か2回か3回で入れるだろうと
Q 15年のスイングバイのあと
16年の軌道がよくないとなると17年?
A 16年にいれるのであれば15年の入れ方はこうすると決める
作戦は前に全部決める
計画としてはそうなる
Q 15年ので16年
A 少しの微修正はいるかもしれないが
作戦としては決めて1回目をやる
Q 産経
シールの部分を通ったのは設計ミス?
A 定義による
ある種のときに
設計をしていたことが原因
設計条件を間違えたというのか
設計ミスというのか
知識としては
有意にこれほど透過するということは
Q 製造ミスではない?
A 図面通りでないのが製造ミス
これはそれではない
Q 原因は
JAXAの経験不足?
A 中の全てが開示されるかどうか
Q これまでもバルブの不具合はあったという意見が出た
どう思うか
A 大変残念
防げたことだと思う
一方で
このバルブは実績もあった
Q 青木
設計寿命の問題
どのカメラが一番速く壊れそうか
軌道をどの段階で決めるのか
軌道に入れてからでないと分からないのか
A 中村
あぶないのはCCD
撮像素子がやられる
どれも素子を持っている
CCDは段々白飛び
それもどの程度放射線を浴びるかにもよる
経過については星を見て
ときどきそういう撮影をして
どのくらい劣化しているか分かる
Q いつ入れるかはそれも見つつ?
A 判断材料の1つ
Q ダメージは有り得る?
A 根性で耐えるしかない
Q NHK
再投入の時期
2015年11月か2016年6月
2017年以降も
A 中村
その通り
Q 投入できる軌道
一番いいケースで
どのくらい
A 中村
ベストな計算はできるが
微修正が必要とか
軌道決定グループからは待ってくれと言われている
Q 大塚
今後のオプション 15年と16年以降
最終判断はいつ?
A 少し前
2014年とかには決めればいい
Q RCSの推量と比推力はどうだった?
A 稲谷
大体予想通り
Q ?
透過
今回つまったのは
いままでとは違う?
A 稲谷
塩が生成されるのは
あかつきの
Q 会合までにサイエンスは?
A 中村
会合時には撮影をする
Q ?
想定されてはいなかった?
A 稲谷
Q ほかの探査機では?
A 塩ができるほど
のぞみでも
少し起きていたかもしれない
Q 太陽フレアのダメージは?
A 中村
なかった
Q 周回衛星に比べると影響は?
A 太陽風のプロトンからは守られているが
大きなフレアがおきて磁気が圧縮されるとダメージを被る
Q ふんばる姿勢はある?
A 燃料タンクを向けて装置を守るとか
どの姿勢がいいかは運用担当が知っている
Q NHK
抱負は
A 中村
数年後とはいえ入れる可能性がでてきたのは嬉しい
サイエンスからも国民からも期待
チャンスを無駄にしないように頑張りたい
支援を心から感謝したい