あかつきOME噴射テストに関する記者説明会(速報版)

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「あかつき」の模型を見ながら説明するJAXAの石井教授

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月5日、金星探査機「あかつき」(PLANET-C)に関する記者説明会を開催、破損した可能性が高い軌道制御エンジン(OME)の噴射テストについて詳細を明らかにした。説明者はJAXA宇宙科学研究所・宇宙航行システム研究系の石井信明教授。記事は後ほどマイコミジャーナルに掲載するが、とりあえず以下に取材メモを添付する。


(追記)掲載されました
【レポート】「あかつき」の噴射テストは9月7日と14日に実施、使用可能かどうかの判断に

ーーーーーーーここから
9月と11月に予定している軌道制御について
目的等を説明する

資料読み上げ

OMEはスロート付近で破損していることが想定
破損しているかどうかも含めて
軌道制御に使えるかどうか

使えないときは姿勢制御用のスラスタを
軌道制御に使えるかどうか

OME使用可のときは観測軌道に投入可能

横推力や外乱が起こるかもしれない
それらをきちんと制御できるかどうか検証する必要がある

RCSだと速度制御は確実に行えると思うが
推力が小さいので同じ観測軌道には投入できない

なるべくOMEを使いたい

事前の試験噴射ということでOMEで推進性能・横推力・姿勢外乱の定量評価をする

9月の結果をもとに近日点での軌道制御をどうするかの方針を決めたい


試験噴射は2回。1回目は9/7に2秒程度

横推力とか外乱を定量的に把握してから
2回目のテスト 20秒


近日点で噴射して遠日点であかつきと金星を再会合させる

9月には軌道面変更に適している
試験噴射をそれに利用する

ーーーーーーーーーーーーーー
質疑応答

Q NHK
意気込みを端的に

A なるべく早く金星にやって会合して
観測できるような軌道に投入したい
関係者一同全力で万全の体制で臨みたい

去年11月に投入してから
健全性は確認しているが
エンジンに関しては地上試験のみ
地上試験を有効にデータを活かしたい

Q 共同
試験噴射をしてどうなる可能性が高いか

A OMEの試験噴射は打ち上げ直後にもやっている
そのときはもちろん健全
外乱量を量っていた

今回も外乱量が去年の状態とは変化しているはず
それをきちんと図る
制御ロジックの検証を実施する

姿勢は多分揺らぐが
時間が短いので大きなことにはならない
それをもとに2回目の20秒程度に
それで姿勢が維持できることを確認

Q 方法は同じか

A 同じ

制御のフィードバック
パラメータが外乱の量で決まる
新しく測定して決まる

Q 外乱を抑えるような別の…

A RCSで姿勢を保持する
保持する制御をする

Q OME どのくらいの可能性

A 去年の加速度
その程度であれば十分姿勢制御可能と考えている

Q 青木
酸化剤を捨てた後
駆動時間は減るのか

観測軌道に入れられない場合
一番影響が出る観測は何か

A 2番目のケース(RCSを使う)はOMEは使わないとイコール
そのときは酸化剤は使う用途はない
軽くするために捨てる

金星の大気が4日間で回る
同じ角速度で回る
1つの雲の動きを精密に観測する
軌道周期がどうしても長くなるので
もう少し離れたところから見る
金星の大気の力学はかなりの部分は解明できると思っているが

Q ほかの装置を使ってやることは

A 同じ装置で
ただし同期していない

Q NHK
姿勢外乱が起こる仕組みは

A 本来は横推力は働かないはずだが
厳密にはゼロではない
打ち上げ直後の状態でも横推力は発生する
重心がずれているので

さらに今回は大きなスカートが破損しているかもしれない
軸方向に出るガスが横方向にも飛び出るかも
それが姿勢をクルクル回す力になる
それが不正推力

そうなるとこちらのRCSを吹いて
軌道を保持する予定
去年の加速度と外乱の量であれば
RCSで制御できる

ー東京

Q 日経
11月にやった場合とやらなかった場合で
再会合はどのくらい違うのか

A かならず必要になる

Q 軌道面変更を兼ねている
軌道が変わるのか

A 3次元的に合わないといけない
軌道面の制御を9月
軌道面変更は今回で100%ではない
近日点制御のあとでもう一度計画を立てる

Q 時事通信
最初の2秒
噴射できない可能性は
噴射して壊れる可能性は
壊れてからRCSの運用に変更できるのか

A 2秒の噴射
バルブを開けるという操作なので必ず開く
ただしその結果燃焼が正常に行われない可能性はある
こちらが期待している推力が本当に2秒分が出たかどうかは
その後の計測で評価しないと分からない

もしそれで壊れたら20秒の噴射はできないが
軌道面変更は14日にできなくても
別の日にできる

10秒くらいで大きな事件が起こったときには
そこからRCSの制御に切り替える時間は確保されている

Q 大塚
6月末の報告時点から、何か追加で検証はやったのか
新しく分かったことは

A それ以降は新しい情報はない

Q 2011年11月(ケースA)と2012年6月(ケースB)の2つのケース
マヌーバの時期は11月に決まったのか

A 11月に実施する
来年の6月にもチャンスがある
何らかの形で中断したら
残りは来年の6月に実施する

Q テスト噴射もブローダウンか

A ブローダウンでやる
ガス押しのバルブは止める

Q NVS
結果は即日分かるのか

A シーケンスが予定通り実施したかは早く分かるが
推進力がどの程度
外乱がどの程度
データを詳細に検討しないと分からない
オペレーションの結果は夕方には報告したいが
定量的な結果や14日はどうするのか
それは解析した結果で報告したい

Q 短時間噴射が問題なければ
それを繰り返して

A 短時間がどのくらいかにもよるが
2秒をなんども、というわけにはいかない
20秒とか100秒のオーダーでないと
もともとは700とか800

Q NHK
何時頃に噴射

A 再会合に向けた制御
いろいろ解析することが多いので
一刻も早く投入できるように
まだお答えできない

朝8時から運用を開始
11:50に噴射を開始

アンテナが地球を向けられないので
リアルタイムにデータはこない
夕方にデータを再生する

Q 毎日
軌道傾斜角に変更に利用
角度がどのくらい変わるのか
なぜ必要なのか

A 11月のはXY面
Z方向にもずれているので
そちらも金星に合うように制御する
それは9月に行うのが効率的
軌道面と垂直に
3ページの絵だと真下に吹く
傾斜角は0.1度以下

Q 7日と14日であわせて0.1度?

A もっと小さい
あとで報告する

縦方向に5000kmくらい

Q 遠日点で5000kmくらいずれると

A そのくらい
角度でいうと1/2000度くらい

ー相模原

質問なし

ー東京

Q 毎日
結果がどうであれ
11月の軌道制御を1でやるのか2でやるのか
判明するのはいつくらいか

A 今月末か
10月の初めくらいには
判断する材料が揃う

Q 当日夕方には何が分かる?

A 噴射が予定通りに実施されたかどうか

Q NVS
軌道が予想外に変わったとき
リカバリーは

面内であれば11月の制御で吸収できる
面外では今後の

Q 時事
熱環境対策
不安な点はないか

A 心配なことはないが
MLIが劣化する
それはデータを持ってない
この1~2年内ではない

Q 大塚
OME破損時の外乱はどのくらいだったのか
RCSで十分抑えられるのか

A 去年の結果
最初にドカンと大きな横推力
それが戻る傾向を示した

RCSによる制御能力は外乱を十分上回っていた

ただ最初にドカンときたときに
それが予測していなかった
制御ロジックが追いつかずに姿勢が乱れた
その結果中断したが
その直前の状態ではRCSによって制御できていた

それが同じ状態が維持できていれば
制御できると思っている
それを確認するのが14日の20秒の制御テスト

Q 今回もドカンと来る可能性は?
その場合は大丈夫か?

A それは分からない
それも含めて2秒と20秒で確認したい

ドカンがあったとしても
何百秒も吹くわけではないので
衛星へのダメージはない

Q 産経
マヌーバは小刻みにやるのか

A 11月上旬に400秒相当の調整
小刻みが良ければそうするし
1回でやるかもしれない
まだ決まっていない

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