H-IIBロケットのCFT

来週末、種子島でH-IIBロケットの実機型タンクステージ燃焼試験(CFT)がある。

http://www.jaxa.jp/press/2009/03/20090313_h2b_j.html

これは、要は本物の機体を使って行う燃焼試験である。その後、エンジンはさすがに交換されるが、この機体がそのまま初号機となって、打上げに利用されることになる。

一応、現地に取材に行く予定でいるが、しかし10秒かー。以前、厚肉タンクステージ燃焼試験(BFT)では55秒の燃焼を見ているので、どうせならもっと長いテストを見たいところだが、まぁ仕方ない。

※3/24追記
諸々の理由で、結局行けなくなってしまった…

ちなみに、CFTは本物の射点を使って実施されるので、じつは誰でも見ることができる(というか隠しようがない)。立ち入りが制限されるのは、今回は1.8kmの範囲。打上げのときは3kmなので、本番よりはかなり近づけるハズだ(ただし、種子島は平坦なので、近くても高い場所でないと、射点が見えない。いいポイントがあるとは明言できない)。

一般の人がH-IIBロケットの機体を見るチャンスはこれが初めてだと思うので、行ってみるのも悪くないと思う。今のところ、機体移動が26日(木)午前9時、燃焼試験が27日(金)午後3時半の実施予定だ。

とよたこうせんCUP優勝

「とよたこうせんCUP」に参加してきた。
http://gijyutsu.toyota-ct.ac.jp/TKCUP/index.html

もともと、豊田高専がロボカップ用に2足歩行ロボットのノウハウを得る、という目的の大会であったので、いつものKONDO CUPほどレベルは高くないのだが、それでも久しぶりの優勝はやはり嬉しい。最近、あまり勝ててなかったし。

決勝前半

決勝後半

今回は、大会前にまた機体を改造した。昨年のROBO-ONEサッカーのレギュレーションにあわせるために、オリジナルフレームで脚を長くしていたのだが、これを四川会コンバージョンキットに変更。2cm近く短くなって、横歩きに昔の速さが戻った。やはりKHRベースであの長さはムリがあったか。

これでまた戦える。

変更前

変更後

UQ WiMAXレビュー

久しぶりのネタ記事。

【レビュー】UQ WiMAXを千葉で試す
http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/03/11/wimax/index.html

実際に使ってみた感触はかなり良い。なにより高速なアクセス性能は魅力だ。定額制も分かりやすい。外付けタイプだといちいち付けたり外したりするのが面倒だが、内蔵型のノートPCが増えてくるだろうから、これは問題にはならない。

ただ私の場合、地方に取材に行く場合も多いので(特に種子島)、サービスエリアが広がらないことには、完全に乗り換えることは難しい。かといって、データ通信用に2回線というのも予算的に厳しいので、しばらくはウィルコムのまま我慢するか…。

それはそうと、テスト中に新浜鴨場の付近をウロウロしていると、こんなものが。合掌。

VIA ARTiGOレビュー


製品レビューが掲載された。

【レビュー】VIAの小型ベアボーン「ARTiGO A2000」を試す
http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/03/06/artigo/index.html

しかし書くには書いたものの、なんだかもうオリオスペックくらいでしか売っていないような…。でも42,000円はちょっと高いな。

AtomのMini-ITXマザーだとデュアルコアの「D945GCLF2」でも9,000円くらいだし、安いMini-ITX用ケースは8,000円くらいからある。ちょっとオシャレなAbeeの「acubic C10」でも20,000円~25,000円程度だ。小さいのがメリットではあるけれど、せめて3万円は切らないと価格的には厳しいかなぁ。

インテル Boxed Intel Board D945GCLF2 Atom330 1.6GHz 1MB FSB533 Diamondville2 BOXD945GCLF2

インテル

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それはそうと、以前の記事にも書いたのだが、最後のページで紹介したグリッターパネルはオススメ。発売当時は6,000円もしたのに、いまだとAmazon.co.jpで2,000円くらい。まぁ電光掲示板マニア向け、ではあるけど。

秘密基地をつくろう! グリッターパネル

タカラトミー

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FC EXPO取材

今日はJAXAで新しい宇宙飛行士(正式には宇宙飛行士の候補者)のお披露目もあったのだが、宇宙飛行士そのものにはあまり興味がないのでスルーし、FC EXPOの取材に行ってきた。

FC EXPO 2009
http://www.fcexpo.jp/

記事は順次マイコミジャーナルに掲載される予定。

3/7追記 以下の2本が掲載
【レポート】FC EXPO 2009 – ソニーが燃料電池スピーカやコーラで動くバイオ電池をデモ
http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/02/27/fcexpo2009_sony/index.html
【レポート】FC EXPO 2009 – 燃料電池で動くアシスト自転車・モバイル電源・ラジコン
http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/03/05/fce/index.html

この展示会、もう5年連続で行っているのだが、相変わらず面白い。勢いとしては併催のPV EXPO(太陽電池展)の方があるのだが、ヘンテコなものが多いのだ。やはりまだ燃料電池は「普通の製品」になっていないからだと思う。何が売れるか見えていないからこそ、いろんなものが出てくる。

それにしても、一番欲しいと思ったのは、全然燃料電池とは関係ないが、ケニスという会社が発売している「サイエンスキューブ」という製品だ。最大3チャンネルに対応するデータロガーなのだが、USB接続のセンサーが多数用意されているのが面白い。データがExcelに取り込まれるのもいい。

センサーいろいろ

これは本体

用意されているセンサー
・温度センサ(ステンレス)
・温度センサ(熱電対)
・電圧センサ
・電流センサ
・検流センサ
・音センサ
・照度センサ
・距離センサ(超音波式)
・フォトゲート
・加速度センサ(5G)
・加速度センサ(25G)
・フォースセンサ
・磁界センサ
・放射線モニタ
・ガス圧センサ
・着圧センサ
・pHセンサ
・導電率センサ
・二酸化炭素センサ
・二酸化炭素センサ(高濃度)
・酸素センサ
・気圧センサ
・湿度センサ

もはや「教材」というレベルではないような気もするが、私のようなセンサーマニアにはたまらない。しかし値段が本体だけでも76,650円か…。

グリッターパネルを追加

2年前にレビューしたタカラトミーの「グリッターパネル」だが、アマゾンで叩き売りされていたので、2つ追加で買ってしまった。以前はほとんど定価で買ったんだけど、2,000円というのは安い。

「秘密基地をつくろう!」のグリッターパネルだけ試す
http://journal.mycom.co.jp/articles/2006/12/20/gp/index.html

ずーっと前から、電車の中の電光掲示板のようなものを作りたいと思っていて、この製品が出たときにはすぐに自腹で買ってしまった。付属ソフトにRSSリーダーの機能が入っているので、簡単にニュースを表示させることが可能だ。

1個だとスクロールされる文章がどうしても読みづらかったのだが、3つになるとだいぶ読みやすい。額縁の部分がちょっと大きいのが残念なところだが、これはまぁ仕方ないか。

○Amazon.co.jp

秘密基地をつくろう! グリッターパネル

タカラトミー

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○楽天
【タカラトミー】秘密基地をつくろう! グリッターパネル

ロケット観光ガイド

Robot Watchに記事が掲載された。

「ロケット観光」のススメ~種子島でH-IIAの打上げを見るには
http://robot.watch.impress.co.jp/cda/column/2009/02/18/1607.html

以前、マイコミジャーナルにも同様の記事を書いたのだが、その最新版ということで。

種子島・ロケット観光ガイド – H-IIAの打ち上げを見に行こう!
http://journal.mycom.co.jp/articles/2005/03/25/jaxa/

記事中でも強調しているが、ロケットの打上げを見るのに、一番大きな障壁となっているのは「スケジュールの延期」だ。私などはフリーランスなのでまだ何とかなるが、普通に勤めている人には厳しい問題だろう。記事を参考にして、スケジュールを立ててもらえればと思う。

天候が理由の延期では、上空の雲にできる「氷結層」が問題となる場合が多い。地上からはあまり雲がないように見えても、氷結層の厚さが規定以上あると判断されれば、打上げは中止される。逆に、雨が降りそうな天気でも、氷結層がない場合もある。15号機の打上げはまさにそれだった。

氷結層の問題はどうしようもないが、強風については、最近はあまり問題になっていない。特に、最も簡素な202型の場合は風に対して強く、15号機での制約条件は最大瞬間風速が22.5m/s以下となっていた。今後、JAXAの地球観測衛星は2トンクラスの中型衛星が主流となっていくので、202型を使うことは増えるだろう。風の心配は減るかも。

H-IIBロケット コア機体公開

H-IIBロケットのプレス公開に行ってきた。記事はRobot Watchに掲載されている。

三菱重工・飛島工場でH-IIBロケット試験機が公開
http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/02/13/1609.html

Robot Watchでの画像は横800ドットが基本なのだが、もったいないので、ここでオリジナルサイズの画像を公開してしまおう(表示は640×480だが、右クリックの保存で1600×1200の写真になるはずだ)。

H-IIBロケットの第1段。直径は5.2mと太くなっている

3Fから見たところ。向こうに見える扉から搬出できる

あまり見る機会がない第1段の上側。こちらには液体酸素のタンクがある

第1段のエンジンLE-7Aのアップ

エンジンのクラスタ化がH-IIBロケットの特徴だ

これは第2段。基本的にはH-IIAロケットと同じものになる

日本の戦後処理とヒソヒソ女将

すっかり田母神問題は沈静化してしまったが、もうちょっと考えてみたい。

あの「作文」については、とても300万円の価値があるとは思えない「駄作」であることは間違いない。選考方法が公正だったかについても、疑惑が出ている(アパ代表だけが最初から”作者”を知っていて、田母神作文に最高点を付けた)。出来レースと言われても仕方がない。

しかし問題はそんなことではない。より重要なのは、田母神氏の作文に全くオリジナリティがないことだ。つまり裏を返せば、田母神氏は特異な存在ではなくて、そういう主張が日本には普遍的に存在しているということだ。あの作文は、そういった説を適当にまとめただけに過ぎない。今後も、同様の価値観を持った人間が出て、一定の支持を集めるだろう。

田母神的な思想の根っこにあるのは、「日本はいつまで謝り続けなければならないんだ!」という苛立ちではないだろうか。

そのことを考える前に、ここで1つ例を出したい。不祥事の際の対応についてだ。

船場吉兆は、もっとも「してはいけない」方法をとった。パート従業員に責任を押しつけたり、夫の社長が退任するかわりに、妻である女将が新社長に就任したり。こういった「身内をかばう」という姿勢は、「全く反省していない」と受け取られる。また、不祥事が次から次へと小出しに明らかになったのも最悪だ。最初の時点で、不祥事は全て公表して、ウミを出し切るべきだった。その結果が廃業である。

対称的に、理想的な対応としてあげたいのは松下電器産業(現パナソニック)だ。一酸化炭素中毒事故を起こした製品について、テレビCM、新聞広告などで何度も点検を呼びかけたほか、全家庭にハガキを送るという思い切った手段も使った。メーカーである以上、問題のある製品が出ることは避けられないことだが、対応のポイントとなるのは、消費者に「何もそこまでしなくても」と思ってもらうことだろう。逆に言えば、そこまで費用・時間をかけなければならないということだ。

ちなみに、同社は社名を変えた現在でも、WEBのトップページには、この件に関するお知らせをいまだに掲載し続けている。

日本の戦後処理というのは、船場吉兆の例に似ていないだろうか。迷惑をかけたアジア諸国の民衆に「何もそこまでしなくても」と思ってもらえただろうか。

戦後の日本は経済復興を優先させ、戦争責任を明確にしてこなかった。ドイツとは対称的だ。

最近の歴代首相を見ても、森、小泉、安倍と来て、福田は少し違うにしても、今度は麻生だ。口を揃えて「村山談話を踏襲する」とは言うが、自分の言葉で語っていない。各氏とも、首相就任前の発言などを見れば、「本当はそう思ってないんでしょ」と思うのが自然というものだ。本来ならば、戦争への反省くらい、もっと踏み込んで発言すべきなのだ。「いつまで謝らせる気なんだ」などと言うのは筋違いというものだろう。

ただ、外国の側にも問題がないわけではない。特に中国。

中国で反日感情が特に強いのは、戦後の反日教育に問題があるのは間違いない。外部に「敵」を作ることは、独裁国家では有効な手段だ。おそらく、中国共産党も当初は体制維持のために利用していたのだと思う。しかし、ネット世論の過激化、都市での反日暴動などの「弊害」も出てくるにつれ、実際のところ、少し手を焼いているのではないだろうか。

もはや共産党も、世論を無視して政策を実行することはできない。ここでいきなり反日教育を中止するわけにもいいかないだろう。では、どうしたら関係を改善できるのだろうか?

それにはやはり、今一度、戦争責任を明確にするしかないだろう。空自のトップが「濡れ衣だった」などと寝ぼけたことを言い出すようでは話にならない。今から思えば、戦後50年という区切りが1つのチャンスだったと思うが、今さら調査委員会のようなものも作れないので、日中共同で歴史教科書を作るような試みも1つの手かもしれない。

また日本も、田母神的な思想を出さないようにするために、きちんと近現代史を学校で教える必要があるだろう。私の小学校・中学校時代では、世界史でも日本史でも、いつも最後の方は時間がなくて、ほとんど省略されていた覚えがある。むしろ授業では、近現代史から始めるくらいでいいと思う。

中国の反日教育が改善され、なおかつ日本も戦争についてもっとしっかり教えるようになれば、そういった世代が主流になる4~50年後くらいには、関係が改善できるだろう。気が長い話だが、そのくらいの時間をかけないと何とかならないくらい、この問題は根が深い。国は人が造る。教育は本当に重要だと思う。

田母神「作文」問題に思う

もう呆れるほかない。いや、呆れるだけで済む話ならそれでいいのだが、それで済まないところが問題なわけで。どうしてこんな人物が今まで野放しで、空自のトップにまで登り詰めることができたのか、それが問題だ。

参考人質疑終了後に、こう言ったらしい。「村山談話の正体が、本日分かった。村山談話は言論弾圧の道具だ。自由な言論を闘わせることができないならば、日本は北朝鮮と同じだ」

はっきり言って、現代の軍隊において、軍人に政治的な発言を許す方がおかしい。「北朝鮮と同じ」と田母神氏は好んで言うが、この点については「米国とも同じ」だ。思想の自由はあるが、国から給料をもらって制服を着ている限り、政治に口を出す自由などない。政治的な意志を持った軍隊がどれだけ危険かは、戦前の日本や、現代の一部諸国を見れば分かる。

ただ北朝鮮とは違って、辞職して民間人になれば、いくらでも政府批判は自由にできる。「言いたいことがあれば、辞めてから言え」というのが筋。結局最後まで辞職せずに、国から退職金までもらっておいて、「政府なんて関係ねぇ」「裁判所も関係ねぇ」では、「甘えるな」としか言いようがない。

それにしても、この種の人間はどうして「過去の歴史を美化しないと、自国に誇りを持てなくなる」と考えてしまうのだろう。「過去の過ちを反省する」ことと、「自国の歴史や伝統に誇りを持つ」ことは全くの別物だろう。むしろ俺は、過ちをきちんと認める国にこそ、より誇りを覚える。

生まれたときから、中国や韓国に「謝罪しろ」と言われ続けている若い世代が中韓に反発を覚えるのは分かるが、それは戦後処理をきちんとしてこなかった過去の政権が批判されるべきことだ。ヤフーニュースのコメント欄を埋め尽くす”ネット右翼”の書き込みを見ると、問題の根深さを感じる。

ことは田母神氏一人の問題ではないのだ。

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