金星探査機「あかつき」報道公開フォトレポート(その2)

続いては、同時に公開された小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」について。「相乗り」の衛星ではあるが、「機械」として見れば、じつはこっちの方が面白い。

概要については、JAXAのWEBサイトでも見て欲しいが、要は太陽光を受けて進む”宇宙ヨット”なわけだ。JAXAのは、薄膜太陽電池も貼り付けてあって、ついでに電力も得られるのが特徴。燃料と電力の問題を一気に解決できる素敵な技術である。

「ソーラー電力セイル」は、せっかくの大面積を活かして、発電能力も持たせたものになる 主要諸元。「あかつき」と一緒に金星に向かった後は人工惑星となる
ミニマムサクセスとフルサクセスの定義。展開に成功するだけでも世界初となるが、せっかくなら加速まで狙いたい セイルの構造。展開時は一辺14mの正方形となる。一部は太陽電池と液晶デバイスになっており、機能を持たせてある
展開する様子のCG。最初はこのようにセイルは本体に巻かれた状態になっている まずは1次展開。先端の重り(0.5kg×4個)を使って、遠心力で十文字に引っ張る
セイルを拘束していたバーを倒して、2次展開を開始 展開後しばらくすると、徐々に安定する
本体の4方向にカメラが搭載されており、展開の様子をモニターする しかし上方からも見たいところ。そのために、分離するカメラも搭載されている
分離カメラからの映像。このような映像が届けば、展開は成功だ 展示されていた「IKAROS」の1/20模型。割と新しいもののように見える
これが「IKAROS」のフライトモデル。セイルは畳まれて胴体にグルグル巻きにされている 上から見たところ。太陽電池が取り付けられている。今回は試験機であるため、セイルで発電した電力は利用しないとのこと
左上の四角い箱が先端マス(重り)。そこからヒモが延びていて、これがセイルを引っ張る。90°間隔でこれが4つ取り付けられている この黒いバーでセイルを拘束している。これも90°間隔で4つあり、右側にスライドしていって、セイルを少しずつ伸ばしていく
展開の様子を確認するために、周囲には90°間隔で4カ所にカメラが取り付けられている 上から眺めるために、分離させるカメラ。こちらは2台が搭載される
太陽電池の面を良く見ると、小さな穴が開いている。おそらく、分離カメラはここから出る セイルは遠心力で展開する。IKAROS本体にスピンをかけるために、ここにスラスタが搭載されている。2つ見えるのは冗長のため

また同日、たまたま試験をしていた水星磁気圏探査機「MMO」の熱構造モデルも公開された。こちらは水星探査ミッション「BepiColombo」として、ESAの水星表面探査機「MPO」とともに水星に向かう。

金星探査機「あかつき」報道公開フォトレポート(その1)

2010年3月12日、JAXA相模原キャンパスにおいて、金星探査機「あかつき」の報道公開が行われた。「あかつき」は今年5月18日の打ち上げが予定されており、搬出前に見ることができるのはこれが最後。前回の公開時には、一部のセンサーや太陽電池パドルなどが搭載されていなかったが、今回は、ほぼフライト時と同様の構成である。

前回のプレス公開については、以下の記事を参照。今回のプレス公開も、すでに各誌で報じられているので、そちらを見てもらいたい。ここでは、フォトレポートという形で、写真を中心に紹介してみたい。

JAXA、金星探査機「あかつき」をプレス公開
~“スーパーローテーション”現象の謎の解明に挑む
http://robot.watch.impress.co.jp/docs/news/20091201_332700.html

JAXA相模原キャンパス。見学も可能だ 必見はM-Vロケットの実機展示
あかつきの概要 主要諸元
搭載するセンサー 射場でのスケジュール
打ち上げ後の運用計画 公開された「あかつき」。製造はNECが担当
初めてセラミックスラスタを採用。従来の金属製よりも耐熱性に優れるメリットがあるほか、コストダウンにも繋がっている(前述の記事参照)。推力は500N こちらの面は放熱面になっており、銀色の「OSR」(Optical Solar Reflector)と呼ばれる部分で太陽の光を反射するようになっている。右側に飛び出ている2つはスターセンサー
姿勢制御用のスラスタ。下向きのノズルが推力23N、横向きの小さなものが推力1Nとのこと 右側にも同じものが搭載されている
上側には、横向きのスラスタはない 右側も同じ。反対面も同じ構成だ
主要なセンサーは、手前の辺に並ぶ。左側の突起物はローゲインアンテナになる 反対側からの写真
これはミディアムゲインアンテナ。可動するそうだ 上方にも同じものが搭載されている
太陽電池パドルが畳まれているので、その下にあるハイゲインアンテナは隠されている。前回の公開では見ることができた 右側が「あかつき」。左側は、相乗りする「イカロス」(IKAROS)

今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議 第2回会合

「今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議」の第2回会合が開催された。
以下は会議後に開かれた記者会見の内容。取材メモをそのまま添付する。

(正式版を掲載しました。速報版との大きな差はありません)

出席者:泉政務官

今日は第2回会合
前原大臣は30分ほどで国会のために退席した

今日の話し合いは新成長戦略に対して
宇宙から何らかの提案をしていくことになるので
そのための議論ということと

月探査についても
各先生からご意見をもらった

また米国の計画についての意見も頂いた

あるいはJAXAの位置づけ、体制についても
ご意見をいただいた

今日は主にそういう点について話し合いをした

意見交換ということで
基本的に何かを決めたということはないが
いくつか話をすると

3/11に宇宙機関長会議がある
基本的にISSの運用の延長については
JAXAとしてもそれを求めてきた流れがある
基本的には今回の米国の方針は
批判をしたり中断を求めたりするものではないが
まだ米国側の具体的な考え方がそう示されていない状況

日本としてはあまり踏み込んで支援を表明したり
具体的な在り方を明言したりすることは
現段階ではしないほうがいいのではないかという
意見が多かった

今後のISSについての米国の考えを注視しながら
もう少し今後の協力のあり方について検討していく姿勢が望ましい

月について
前回の懇談会

その中での基本方針
レジュメでも示されていたが
やはり月での2足歩行のロボット
現時点で目標にする状況にはないという意見が複数あった

月をどう利用活用するのか
もっと明確にすべきだし
本当に月なのかも
場合によっては考えるべき
という話もあった

いずれにしても月であるならば
国民に理解してもらえる理由を明確にしないと

そして体制については
今後宇宙行政の一元化に
取り組んでいかないといけないが

JAXAの中のISASの存在については
いろんな案が提唱されているが
とにかく必要なのは科学をしっかり守っていく
日本の科学の優位性を生かしていく

という意味で、
ボトムアップ、自由な発想、独自性というものが
特に大学と連携している位置付けのISASというものについて、
その役割が衰えることがあってはいけない

体制として
まだ頭の体操のレベルだが
JAXAと同一組織で引き続きやるのがいいのか
それとも分離独立もあり得るのではないか

しかしその場合でも
予算と許される研究の枠が確保されなければ
ただ単に組織を切り離しても仕方ない
一体的に保証されるなかでしかできないので
今後そういうことも検討しないといけない

新成長戦略については
基本計画にもとづいてまずは総花的に記述はするだろうが
一方で2020年までに何を具体化するのか、何を実現できるのかを
より明確に書いた方がいいのではないかと

一般的に、例えば民需の割合を増やすとか
衛星打ち上げの受注をするとかだーっと書いていくが
とはいえ、そうであるならば
より具体的に現実性をもった記述にするべきではないか
という指摘もあった

さらっとした説明になるが
そういったことが今日の議論の中ではあった

前原大臣からは冒頭の挨拶で
「今日はまだ収束するわけではない
思いっきりいろんなことを言ってもらって
議論を拡散していく段階であると考えている」
という話があった

そして30分で退席
議論の途中での大臣の発言はなかった

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質疑応答

Q 朝日新聞
ISSの延長について出た意見
延長そのものに対して意見を留保なのか
延長は前提でどのような協力をということについての留保か

A 泉政務官
延長は前提だと思う
日本の乗り方の度合いには様々あろうということ
離脱するということではないが
全面的協力なのかというと
まだそういう状況ではない
先走ってはいけないという状況

Q 資料には撤退すべきという話もあるようだが
秋山先生の資料

A 秋山先生はそういう意見だった
そうでない意見もあった

山川先生の資料の中には
5P
その中のG
参画はするけれども
積極的に財政負担を、という感じではない書き方

度合いの違いはあっても、
前のめりになってはいけないというところは
共通していた

Q 東京新聞
宇宙行政の一元化
どういうスケジュール感なのか

A 泉政務官
今日の資料でいうと
山川、秋山先生は宇宙庁の創設と言っている

全体計画をしっかり構築できる体制は当然できるべき

政権交代以前から基本的にイメージはそう変わっていないが
すいません、まだあまり進んでませんという状況で
まだ一元化は正直言うとめどは立っていない

Q 委員からはスピード感を持ってやるべきという意見か

A スピード感という発言はなかったが
描かれている絵姿は大体一緒だろうし
やろうと思えばそんなに時間がかかるものではない

Q 実現には難しい側面もあると思うが

A 現時点ではそう
ただそこはある種、政治の決定に大きく委ねられているところ
我々がまだその状況に至っていないということなんだと思う

Q 産経新聞
体制について
これまで戦略本部でのWGが中間報告を出している
それをベースに話しているのか
それと結論はいつまでに出すのか

A 泉政務官
ここまで率直に言うと事務局はドキドキするかもしれないが
今それをベースに話し合いをしているという状況ではない
時期についても設定されていない

Q するとWGとの有識者会議の関係は

A いまは併存
有識者会議は前原大臣の直属組織
戦略本部の中で位置づけられているものではない

常設的にはWGがあるが
今のところWGとしてはいくつかの案を出してもらっていて
その時点での役割はすでに果たした

政治に決定がゆだねられている状況だと
自分ではそういう認識しているが
今のところスケジュールは決まっていない

Q その2つの流れの収斂は専門調査会になるのか

A 有識者会議の場合は
専門調査会にも本部にも上がっていくものではない
あくまでも大臣に対して1つの結論を出していくことになる

Q 読売新聞
ISSについて確認したい
撤退ではないが前のめりはどうかという話
日本政府の方針を拘束するような性質のものか
それとも先生方が言っただけで
機関長会議でJAXAがどう主張するかについて
拘束力はないのか

A 泉政務官
少なくとも宇宙担当の政務三役として言えば
機関長としてのJAXAの理事長がどう発言するか
まだ明確に説明を受けていない

米国であれだけの計画の変更があったことを踏まえて発言するのであれば
当然事前に我々がチェックすべきものと考えている

JAXAがどう発言するのか事前に説明をもらって

現時点での認識としては
今日の有識者からの指摘
それなりに同意できるものだと考えている

政務の側としても、あまり前のめりになるべきではないという見解

今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議

「今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議」の第1回会合が開催された。

会合自体は非公開だったのだが、終了後に記者ブリーフィングが行われたので、そちらに出席してきた。

以下はその内容。取材メモをそのまま添付する。

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出席者:泉内閣府大臣政務官

今日の3時半から5時まで
有識者会議の初会合を行った
本日付で官房長官決裁ということで
前原大臣のもとで開催することが決定された

座長が松井先生
副座長が中須賀先生

プラス政務三役
今日は中須賀先生は欠席

冒頭に前原大臣から挨拶があって
戦略を作っていきたいという話があった

資料1~3があるが
資料を見たかたちの議論ではない
まずは全体の意見交換というかたちで行われた

それぞれから意見があった

これまでの宇宙開発戦略専門調査会との関係について
有識者会議は特に3~4月と集中して開催する

有識者会議の中で結論というか提言的なものができたら
これを調査会のほうにわたすことになる

有識者会議は
まさに国の方で新成長戦略がつくられるなかで
そのなかにも宇宙政策が盛り込まれるように
そういった提言を行っていこうと話がもたれた

宇宙基本計画は昨年6月に出されたわけだが
開発利用計画
いますぐに何か変更がきまったわけではないが
特に選択と集中というか
より戦略的に再構成をして考えていく必要がある

計画の見直しという言葉ではなくて
計画の中でどこをより強く進めるのかということで
今日は意見交換

それぞれの先生から話があった

例えばどこを目指すのか
地球・月の戦略を重点的にやるのか
それとも深宇宙を目指すのか

そういうことは今後議論が必要だろうと

あるいは国としてどこまでやるのか
どういうところを民需にお願いするのか

いままでの国の宇宙開発というものについて
本当にユーザーサイドの考え方に立ってきただろうか

ユーザーサイドが宇宙に魅力を感じ
そして宇宙に対し何らかの構想を持ち
ユーザーサイドからアプローチして
開発に至ることが少なかったとの指摘もあった

ユーザーコミュニティを育てていくことも重要だろうと
そういう中で教育も重要であるという話も今日の議論の中であった

原則非公開ということにしている
まさに政務三役も含めて
自由闊達な議論をしていくということで非公開にしたい

今後については
3/9が次回 1.5時間ずつ行う

3/16、30、4/6、13、20
原則的には火曜日に行う

次回も今回同様に自由闊達に議論しようと

ーーーーーーーーー
質疑応答

Q 朝日新聞
短期間で結論を出すというのは
新成長戦略に盛り込むことを意図したのか
別の狙いが?

A 泉政務官
新成長戦略ということがあって
3月~4月に集中的に

それ以外の事情はない

開発利用計画を作られてきた経緯があるので
開発利用計画を前提にしながら
その中でよりスピードアップできるものや
重点的に力を入れるものを決める

そういうことはそう長く議論するものでもない

Q 東京新聞
資料には「長期的な視点で」と書いてあったが
そうすると20年30年先を見据えた長期的な方針というよりは
いまの基本計画の中に盛り込まれた中で
どこに力を入れるかを決めるのが中心になるのか

A 泉政務官
一方ではそもそもの大方針を闊達に議論する場

基本計画をベースに重点を議論するのはそれはそれ

一方では、日本の宇宙政策はどうあるべきかということも
この有識者会議の中では議論する

例えば有人について
議論をしないわけではない
計画に縛られたものをやるだけではない

Q H20に宇宙開発委員会で
長期的な計画が出ていたが
それとの関係は

A 泉政務官
議論でも出てきたが
これまでの日本の宇宙の体制というのは
いろんな研究者の研究を持続させるために総花的にやってきた

宇宙関連産業がそれほど広くないこともあって
あちらの会社もこちらの会社もと
そういう意味では
いままでのいまままでの計画、長期的な戦略はあったが
そういうものを踏まえながら
場合によっては選択すべきところは選択する
それを議論できる場も必要であろうと

これまでの行政サイド
あるいは業界サイドでは
なかなかできない議論

一例で言うとGXの件
自主的にはなかなか切りにくい
ここは政治が意志決定をしていかなくてはいけない

今回の有識者会議は意志決定するにしても
しっかりと有識者と意識の共有や
知識の積み重ねをさせて頂く中で
総合的な判断をしていくような場としたい

Q 読売新聞
日本の宇宙政策がどうあるべきかについては
専門調査会でずいぶん検討してきた
そこでまとまったものに不備があるのか?
それとこの人選はどういう基準か
大学研究者が多いが

A 泉政務官
人選については
造詣の深い方を我々なりに選んだ
網羅すると専門会とどう違うのか

網羅するものはいくつも作れるが
我々の政権の中でぜひ意見をいただきたいという人を選んだ
明確な基準はないが

一方でこの方々を中心に据えながら
ヒアリングでほかの先生にも来てもらう

事業者にも来てもらう予定

専門調査会で出てきたものが
かなり数が多い
しかし日本の宇宙にかける総予算はそう多くない中で
すべてをおしなべて進めるのが本当にいいのかと
政治の側から見たら計画は計画としながらも
その中でより具体化する力配分は考えないといけない

構想としてもう少し研究を続けるものもあれば
具体化をしていかないといけないものもある

アメリカの今回の宇宙政策にあわせた、
基本的にはアメリカにすぐ影響されるものではないが、
情勢の変化を踏まえたときどきの対処が必要

Q 日経新聞
アメリカの政策
ISSは2020年まで延長
コンステレーション計画の打ち切り
それに議論は

A 泉政務官
今日の議論の中では
アメリカの話題はそんなに出なかった

アメリカについては
月に対するアプローチが変わったというくらいの話は出た

今日はそれに対してこうしていこうという結論はなかった

Q 今後のアメリカの方針についてはこの会合では議論はしないのか

A 泉政務官
アメリカの方針は我々が変えられるものではない

基本的にアメリカの現状を踏まえながら
日本の強みをどこで出していくかという議論にはなる

ISSでの役割もあるし

今後の宇宙開発は国際協力なしには行っていけないので
我が国の強みの部分
我が国がなくてはならないというものを
いかに作っていくかは
今後大事な議論になる

Q 日経新聞
日程について
4/20に提言なりをまとめるのか

A 泉政務官
基本的にはそうなる

1回くらいずれ込むのか
4/20までに議論してその後にまとめたものを作るのか
という話もなくはないが
基本的には4/13までに原案を作って4/20に了承するようなスケジュール

Q 読売新聞
今日の資料を見ると衛星市場とかロケット市場のデータ
最終的には宇宙産業をどうすすめるのかというところに
重点を置くように見えるが議論の重点は
長期的な戦略に重点を置いて議論するのか
あくまで産業の振興に重点を置いて提言をまとめるのか

A 泉政務官
今日は資料を見て議論はしなかった
なので出た資料とはほとんど関係がない
全体的な話をした

産業や利用という言葉
今までの使われ方の議論だけでは足りない

本当の意味でユーザーサイドに立っていたのかといえば
それは国民全体を巻き込むということも含めて
足らなかったという共通認識はできていたと思う

利用と言えばすぐいくつかの会社、産業界ではなく
真の意味での国民参加ということは
今回議論されるのではないか

リモートカメラで打上げを撮る!~H-IIAロケット15号機の巻(中編)

○では実際に作ってみる

サーボモーターのカメラへの取り付けは、近所のホームセンターで購入したクランプと金具を組み合わせることで、簡単にできた。サーボモーターは、余っていた「KRS-788HV」を使用した。トルクはそれほど必要ないので、これで十分。カメラはパナソニックの「DMC-FZ3」を使っている。

最初に、土台となる金具をクランプでしっかり固定 その上に、シャッターの位置にあわせてサーボを取り付ける

リレーはパナソニック電工のフォトMOSリレー「AQZ102」を購入。ちょっと高い(といっても700円くらいだが)ので、使い回しができるようにソケットも利用した。これを、KCB-1のデジタル出力から制御して、外部バッテリからカメラに電源を供給する。カメラ側の電源スイッチをONにしておけば、供給開始と同時にカメラを起動できる。

フォトMOSリレーのほか、ケース、コネクタ、ピンヘッダ、基板なども購入 システム構成。マイコンで、サーボの動作と、カメラの電源供給を制御する

開発したプログラムはこちら。原因は良く分からないが、タイマーの誤差が結構大きく、1時間で実際よりも12秒ほど早く動作してしまう。ただし、この誤差はランダムではなく、毎回一定なので、運用でなんとかできる感じだ。

remote.c

#include <led.h>
#include <pwm.h>
#include <wait_timer.h>
#include <pio.h>
#define target_hour 24	//システム起動(時)
#define target_min  50	//システム起動(分)
#define start_hour  03	//タイマー始動(時)
#define start_min   45	//タイマー始動(分)
void main(void)
{
cpu_init();			//CPU初期化
ledgrn_on();		//緑LED点灯
wait_timer_init();				//タイマー初期化
pwm8_init(PIO0, PWM_F8, 77);	//PWM初期化
ledred_on();		//動作確認用の点滅
wait_timer_sec(1);
ledred_off();
wait_timer_sec(1);
ledred_on();
wait_timer_sec(1);
ledred_off();
//指定時間だけ待機
wait_timer_min(target_hour*60+target_min-start_hour*60-start_min);
//カメラ電源投入
pio_out(6, HIGH);
//カメラ起動待ち
wait_timer_sec(10);
//撮影開始
pwm_start(PIO0);	//PWM出力開始
pwm_out(PIO0, 38);
wait_timer_sec(1);
pwm_out(PIO0, 42);
wait_timer_sec(1);
pwm_out(PIO0, 38);
//指定時間だけ撮影
wait_timer_min(30);
//撮影終了
pwm_out(PIO0, 42);
wait_timer_sec(1);
pwm_out(PIO0, 38);
wait_timer_sec(1);
}

wait_timer.h

#include <timer.h>
_Bool			flg_timer;
unsigned long	cnt_timer;
void wait_timer_init(void);
void wait_timer_ms(unsigned long);
void wait_timer_sec(unsigned long);
void wait_timer_min(unsigned long);
void wait_timer_hour(unsigned long);
void wait_timer_day(unsigned long);
// タイマー初期化
void wait_timer_init()
{
cpu_int_set();
ta0_set(FQ10Hz);
}
// 指定時間(ms)だけ待つ関数 ※最小単位は100ms
void wait_timer_ms(unsigned long ms)
{
cnt_timer = ms / 100;
flg_timer = TRUE;
ta0_start();
while(flg_timer) {};
ta0_stop();
}
// 指定時間(秒)だけ待つ関数
void wait_timer_sec(unsigned long sec)
{
wait_timer_ms(sec*1000);
}
// 指定時間(分)だけ待つ関数
void wait_timer_min(unsigned long mi)
{
wait_timer_ms(mi*60000);
}
// 指定時間(時間)だけ待つ関数
void wait_timer_hour(unsigned long h)
{
wait_timer_ms(h*3600000);
}
// 指定時間(日)だけ待つ関数
void wait_timer_day(unsigned long d)
{
wait_timer_hour(d*24);
}
// 割り込みルーチン
#pragma INTERRUPT /B ta0_int(vect=21)
void ta0_int()
{
if (--cnt_timer==0) flg_timer=FALSE;
}

動作のテスト。指定時間にカメラの電源が入り、起動を待ってから、10秒後にシャッターを押す


後編に続く。

リモートカメラで打上げを撮る!~H-IIAロケット15号機の巻(前編)

H-IIA/Bロケットの取材時、我々プレスが打上げを撮影しているのは、主に竹崎展望台である。安全のため、射点から3km以内への立ち入りは禁止されているので、この竹崎展望台もそれ以上の距離にあるのだが、じつは、もっと近くから撮影する手段があるのだ。

種子島宇宙センターの竹崎展望台。ここにプレスセンターがあり、屋上から撮影できる ここから、肉眼に近いイメージだとこんな写真になる。ロケットがかなり遠くに小さく見える

今年1月、私はRobot WatchでH-IIAロケット15号機の打上げを現地・種子島より伝えた。取材する一方で、このとき、じつはそれを試していたのだ。

その手段とは、リモートカメラによる自動撮影。本レポートは、ロボット技術を活かしてこれに挑戦した顛末記である。

○まずは要求仕様をまとめる

細かいところは打上げごとに異なっている可能性もあるので、以下はH-IIAロケット15号機の場合として、話を進めたい。

プレスに配布された取材要領を見ると、使用可能なカメラについては、タイマー式、音響感知式、光感知式等の起動方式によるもの、と記されている。無線はロケットの機器に影響が出る恐れがあるため、一切使えないのだ。タイマーによるタイミングか、センサーによる反応で撮影するしかない。

撮影場所に電源は用意されていないので、バッテリも考える必要がある。ここで問題になりそうなのは、スタンバイ時間の長さだ。15号機の打上げウィンドウは12:54~13:16と短いのだが、カメラを設置できる時刻は前日の15:30~16:00あたりになるという。ほとんど、丸1日待機できるだけの電力を確保する必要がある。

カメラを設置可能なポイントは3カ所。最も近いところは「海岸通前カメラ用スタンド」で、これは中型ロケット発射場の目の前にある。Googleマップで計測してみたら、射点からは直線距離でおよそ700mという好条件である。ただし、撮影ポイントは全て屋外にあるので、雨や風に耐えうる装備が必要となる。

海岸通前カメラ用スタンドの場所はこのあたり

○そして設計を考えてみる

以上を考慮した結果、私はマイコンボード「KCB-1」(近藤科学)とサーボモーターを組み合わせた自動撮影システムを提案した。サーボモーターでシャッターを押す仕組みなので、どんなカメラにも使える汎用性の高さが特徴である。

近藤科学のマイコンボード「KCB-1」。同社のサーボモーターを簡単に動かせるのが特徴である サーボモーターを使ってシャッターを押すことにした。指となる部分はアームを切って作成した

起動方法は、一番確実なタイマー方式を採用する。設置時に、プログラムで時間をセットして、その時間が経過したときにシャッターを押すのだ。ただし、この方法だと、少しでもタイミングがずれると打上げの瞬間が撮影できない上、天候や不具合でスケジュールが遅れたときには対応できない。

この問題は、スチールではなくてムービー撮影にすることで解決した。少し早めに撮影を開始すれば、ムービー中のどこかで打上げが写っているだろう、という算段だ。今回に関しては、打上げウィンドウが22分間と短いのも好都合だ。30分間くらい撮影すれば、十分カバーできる。

本当ならば、もっとスマートにセンサー式を使いたいところなのだが、音にしても光にしても、ロケットは一発勝負なので、本番と同条件での試験ができないのが不安材料。起動しませんでした、という最悪な事態だけは避けたいので、今回は最も無難な方法を採用したわけだ。

バッテリは少し困った。シャッターを押して撮影するためには、カメラの電源は入れっぱなしでないといけない。外付けのリチウムバッテリを使うことにしたのだが、これでも少し足りないことが判明。シャッターとは別に、電源を入れるためのサーボモーターを設置することも考えたが、これは面倒くさい。どうしようか迷った末、KCB-1でリレーを制御して、撮影の直前にカメラに電源を供給するようにした。

バッテリはカメラ用のほか、マイコンとサーボモーターの分も用意する必要がある。これは特に工夫はせず、ニッケル水素バッテリの大容量タイプ(800mAh)を使った。じつはリモートカメラの準備が直前になってしまい、本番と同条件(約21時間の待機)の動作テストは一度もできなかったのだが、8時間テストの結果から、なんとかもちそうだ、という目処はついている。

あとは防水対策なのだが、手っ取り早いのは防水カメラを買うことだ。もちろんそれも考えたが、主に金銭的な理由により却下。現地での工作でなんとかすることにして(天気予報が晴れで、何もしなくても大丈夫という可能性にも期待)、最悪、壊れてもいいように、すでに引退した古いカメラを使うことにした。そのため、動画はQVGAというショボい解像度になってしまうが、今回はテストということで妥協した。

中編に続く。

第18回KONDO CUP参戦結果

ロボットサッカー大会である第18回KONDO CUPに出場してきた。我々RFCバンブーブリッジは、強敵のスピード☆スターズと同組。各リーグ3チームなので、予選を突破するためには、このチームと少なくとも引き分ける必要があるが、大敗して終了。機体が不調だったとはいえ、準備不足だなこりゃ。来年からはもっとしっかり準備して参加したい。

戦績
1試合目:対スピード☆スターズ 0-6
2試合目:対日本工業大学2年チーム 12-0

結果
予選リーグ敗退(1勝1敗)

決勝戦は、Aリーグ1位のトリニティとBリーグ1位のスピード☆スターズとの対戦。現在のKONDO CUPでは、この2チームがダントツの2強なのだが、今のスピード☆スターズは本当に強い。トリニティがあんなに押されるのは見たことがない。ガルーが故障で抜けてしまったのが大きいにしても、しばらくはスピード☆スターズの天下が続きそうな勢いだ。

第18回KONDO CUP決勝戦(前半)

第18回KONDO CUP決勝戦(後半)

二足歩行ロボットキット KHR-3HV(ケイエイチアール・スリーエイチブイ)

KONDO (近藤科学株式会社)

このアイテムの詳細を見る

ホリエモン・トークライブ

新宿ロフトプラスワンのイベント「ホリエモン・トークライブSESSION 6 堀江貴文&松浦晋也&笹本祐一&あさりよしとおの宇宙はそんなに遠くない!」を見てきた。

“ホリエモン”こと堀江貴文氏は、今年になってから各メディアのインタビューにおいて、宇宙開発をやっていることをさかんにアピールしていた。その中で、「僕らが」と表現していたのがすごく気になっていた。一体誰とやっているんだ?

で、今日、それが判明。なんと協力者は身内に。私も宇宙作家クラブのメンバーなんだが、全然知らなかった。ずーっと、こんな楽しそうなことを、内緒でやっていたのね。

正式なプレス発表でも何でもないが、結果として、これがホリエモンの宇宙プロジェクトのお披露目となった。

せっかくなので内容をそのまま以下に紹介したい。なぜか録音を禁止されていたので、メモの正確さは多少落ちるが、それを踏まえた上で、参考程度にどうぞ。

堀江
生まれる前にアポロが月に
いま37歳
当然ながら太陽系の外に行っていると
当たり前ながら思っていた

起業して
ミールが売りに出ていた
20億円くらいだった
頑張れば買えるかと思った
しかし年間の維持費が同じくらいかかる

あと3年待ってくれと思ったが
待ってくれずに南太平洋上に落ちた

あのころから宇宙開発はおかしなことになっていると思った

スペースアドベンチャーズ
2002年
同じことを考えているやつがいると思った

2004年に社長に会った
そいつに会ったら
日本人がお金を払って行っただろう、
あれを見てやったんだと言った
TBSの秋山さんのこと

松浦
TBSのトータルは50億円
ロシア宇宙庁には15億円くらい
今は30億円

堀江
そのあとロケットエンジンの燃焼試験
スペースX
2005年くらいに会っているが
彼はすごいなと
エンジンを作っている
俺も作らなきゃと思った

そのころにこの3人に会った

笹本
一番最初に会ったのはまだライブドアにいたころ

有人でフジという計画があった
あれは有志で計画したもの

あさり
既存のH-IIロケットで上げられないかという検討会

松浦
こういう報告書にまとまっている
これができたんであちこちまわったが芳しくなかった

笹本
カネがないと言われた
じゃあカネがあればいいのかと思っていろいろ人を探した

堀江
僕もあちこちで宇宙開発したいと言ってきて
コネもできていて
ロシアのカプセルを買ったり

日本でも誰かやっていないかと思っていたら
ガイナックスから紹介された

初めて会ったのが2004年

ガイナックスとは
オネアミスの2を作りたいと話をしていた
大ファンで何十回も見ている

地球で言ったらガガーリンの話
現代の話にしたい
民間で行くような

ジョイントで実際にロケットを飛ばそうと
それでマッチングされた

笹本
民間でやるんなら
最初はロシアから買ってくるのがよろしい
大学の先生に手紙を書いてもらうところから始めようと

打上げにはエンジンは最低4台必要
試験1台
本番1台
予備が1台
あと何だっけ

続けるにはダース単位が必要

ロシアは
そのあとアメリカへの売り込みに成功
アトラスとか
段々向こうが強気になってきた

堀江
エンジンの値段が高騰してきた

社長が言っていたのは
うちは12ミリオンで買えると

そしたらみるみるうちに値上げ

笹本
エンジンを買うにしても作るにしても
エンジンを知らないと交渉もできないと
で、作ることになったんでしたっけ?

堀江
それもあるが
商用で使えるモノは事実上ロシアしかない
なので値段が高騰している
これは作らないとまずいよねと

作らないと結局高く買わされる
ばからしい

世の中の人が知らないこと
ロケットが高いのは
ロケットが特殊だからではなくて独占しているからだ
市場原理にのっとっているだけ

たくさん作れば安くなるはず

そんなこんなでエンジンを作ろうと2005年に言っていた
そしたら僕が捕まっちゃった

拘置所のなかで設計図を見ていた
本物の設計図が某チーフデザイナーから差し入れられて
手書きのヤツが

検察庁の検事に宇宙の話をしていた
4週間くらい取り調べ
そのうち2週間はロケットの話をしていた

こいつはハッタリでなくて本当に考えていると思っただろう
ほとんど事件の話はせず

それを見ながら
あとは宇宙関連の本を差し入れてもらって
世界のロケットに詳しくなった

ソ連系がものすごく多い

そう考えると
ロシアの宇宙技術に関する独占は深刻な状況

松浦
ソ連は冷戦時代に徹底して開発

笹本
米国はシャトルまで

松浦
ガガーリンが第1世代
第2世代はプロトン 2段燃焼で150気圧くらい
プロトンはいまだにたまに失敗している

第3世代 エネルギアのエンジン 250気圧くらい

米国でいうと
第1世代
第2世代 シャトルくらい そこで終わった

堀江
いまは先祖返り

笹本
アレスIの打上げ見ました?

不格好で大笑いした
本気かと

堀江
なんであんな形に?

笹本
80過ぎのおじいちゃんから話を聞いていたとか

松浦
結構ありますよ
引退した技術者から聞いたと

それくら米国は技術が途切れている

堀江
エンジンの開発をするとそれがいかに重要か分かる

あさり
テキストにないものがある

堀江
ボール盤を使うときに軍手を使っちゃだめなんて知らない
書いてないし

松浦
次のエンジン デルタ4
性能は落としてコストはそれ以上に落とす
技術的に先に進んでない

堀江
ということでエンジンをつくることに

都内某所で

笹本
SF作家と漫画家が
相談に行くと

堀江
最初どこに頼んだらいいのか分からなくて迷っていた

あさり
工場は飛び込みの依頼はあまりメリットがない
ロケットの部品という明細が着いたときに
受けるべきかどうか
グレーだったら受けないのが普通
ずっと断られていたときに

堀江
インターネットのNCネットワークで検索した
1994年くらいに
受発注するサイトを作った
頭の片隅に残っていた
誰が使うんだろうと思っていたら自分が使うハメに

調べて
何件か回った

笹本
数百人規模のところは話すら聞いてくれなかった
数十人規模のところは少し

あさり
ロケットの部品を注文しにいったのが
SF作家と漫画家だった
趣味でロケットエンジンを作りたいと言ったら
ああそうかとすんなり

笹本
燃料漏れは怖いので精度は欲しい
高級な技術を持っている町工場へ

この写真
3つ手前にあるもの
インジェクタープレート
燃料はエタノール

堀江
燃料の検討から始まった
エタノールなら万一ばらまいても平気

笹本
毒性もない
買うのも簡単
薬局で買える
実際この前買った

無水アルコールは高かった
何が問題かというと
水を混ぜるとお酒になる
半分くらい酒税がかかる

工業用アルコールは不純物がまぜてある
酒にならないので酒税がかからない

笹本
近所のドラッグストアで反ダースくらい買ってきた

次のスライド

あさり
フライトモデルは考えていないので絶対に上がらないもの
厚くて重い
これが2006年の秋

笹本
写真はWEBに公開しないでね

堀江さんが拘置所で見ていた設計図を元に

パイプを切って
東急ハンズでも売ってないので

ジョイント

堀江
これは大事

笹本
斜めになっているのにパイプを
締め付けトルクで圧着されて密閉される

そう簡単に漏れない配管系ができる

松浦
重要なのは探せばすぐに見つかるパーツ

笹本
ベニヤを使っているテストベッド
家内制手工業的な

タミヤのモーターも

堀江
実際に燃焼するまで2年かかった

この写真は
2007年正月の絵

笹本
水流し試験

あさり
メーターはヤフオクで
窒素ボンベも簡単に

笹本
流量試験
風呂場で

第2期
うちのクルマで機材を積んで移動

この写真
穴をやすりで 大変
しかしロケットだと思うとすごく楽しい
家に戻って仕事すると落差

あさり
しかし俺の家にはあれが1年居座って
別に秘密にしてなかったが
人に聞かれればロケットのエンジンだ、と

堀江
これに3カ月くらいかかった
見ても分からないだろうけど

あさり
エタノールが入らない
水と若干粘性が違う
斜めに切るという

堀江
液体酸素が一滴も入らない
すぐ蒸発して押し返す

笹本
液体酸素を常温のパイプに入れると
片っ端から蒸発する

堀江
圧力をかけて入れるかという話になった

あさり
とにかく狭い
入れるんだったらタンクを冷却しないと

2個穴があるんだから両方使う
1個から入れてガスはもう1個から逃がす
その方法を見つけるまで3カ月

笹本
誰も教えてくれないし

堀江
そういうことをやりつつ治具ができる

あさり
シャトルの燃料注入を見ていてすごいないと
たった3時間で
すごいという意味がこれをやって変わった

堀江
これは熱電対
温度計であり水位計でもある

基板も自作
3人で分担

あさり
白い箱がコンピュータ
赤いのが緊急停止ボタン

堀江
これがカプラ
よく壊れる

笹本
これが電気系

あさり
これだけ物々しくても
バルブを開ける/閉めるしかしてない

そして自動制御で水流し試験

堀江
ぶつかって霧状にして

この写真は液酸が入っている

あさり
このときの問題
あそこで沸騰してガスになっている
この段階では出てない

堀江
液酸が大変

あさり
このあと断熱に至る

堀江
短いからいいだろうと思っていたら
重要だった

今はグラスウールじゃない
すごい断熱材

松浦
ウレタンフォーム

あさり
空気を閉じ込める

笹本
北海道は平気で水道管が凍る
冬にはロールで売り出される

堀江
断熱を完璧にすると
インジェクタのところまで液体のままで来た

笹本
このあと熱い映像に

堀江
このカメラがいい

あさり
カシオのEX-F1が笑っちゃうほどいい
600フレームで撮った

堀江
燃焼がめちゃめちゃよく見える

ビデオ
今はもっと良く燃えているが
これはかなり初期

あさり
いろいろ条件をかえて
こうじゃないと安定しないというバンドは分かってきた

堀江
600フレーム
昔はこれがなくて良く実験できたなと

あさり
デジタルなので即応性がいい
昔は現像するまで分からなかった

使ってみてビックリした

堀江
このカメラ
我々が一番有益に使っているのでは

あさり
ヨドバシでも12万円した
いまは7万円くらいで

松浦
そういうわけでロケットエンジンを作る人はEX-F1を購入すること

堀江
液酸
湿気の多いところでやると
水蒸気が凍って詰まる
結石みたいに
乾燥が大変だった
そのノウハウも

あさり
布団乾燥機を使ったり

堀江
それを全部手作りで

あさり
環境を整える方が大変

笹本
自動車の点火プラグを使った
意外と壊れない

堀江
カローラの
どこでも入手できる

あさり
安いのが重要

ーーーー休憩

堀江
日本の某所で粛々とやっている

松浦さんが忙しくてなかなか来る時間がない
そして来たときは大体実験がうまくいかない

ビデオの続き

笹本
では一番新しいのを

いまチャンバーなし

このあとチャンバーつき

キレイ

堀江
カメラだと迫力がないが
実際に聞くと半端ない

あさり
離れた場所で聞いていたが
すごい

とりあえずこの実験場はもうダメだねと

堀江
近所迷惑になる
近くても数100mは離れているが

笹本
これだとドンという感じ

あさり
離れるとパーンという感じ

松浦
上に逃がす方法はある

堀江
チャンバー付けていきなりうまくいくとは思っていなかった

うまくいったとき
僕とあさりさんだけだった

去年の夏

笹本
8/23らしい

堀江
今はさらに進化している
見せられないのが残念だが

笹本
今はちゃんと設備が整ったところでやっている

堀江
このまえ燃焼試験を
1日に10回近くやった
1秒くらいの短いのも入れて

さっきのは5秒の試験だが
いろいろ1秒も

笹本
ハイスピードカメラがあるので1秒でも分かる
燃料も食わない

パラメータは圧力を変えている

堀江
実験場には苦労した

笹本
行きやすくて
周りに迷惑がかからないところ

関東周辺を探して
まずダメだろうと

堀江
すごいところも検討した

質問コーナー

Q 今回公表したのはなぜ

A あさり
別に秘密にはしてなかった
1年間うちの台所にあった

Q 燃料はなぜエタノール

A 買いやすいから

Q どうやって圧力

A 堀江
ヘリウムになって大変になった

笹本
分子が小さいので漏れる

Q 松浦さんも関わっているか

A 松浦
関わっている
この件については完全にジャーナリストを捨てている

Q 北朝鮮のレベルはどのくらい?

A 笹本
残念ながら我々よりは進んでいる

あさり
われわれは後ろからガス圧で
なるべくローコストで軌道までがテーマ

堀江
ミスを減らすのが重要

Q 何億円も開発資金は出せるのか?

A 堀江
出すも何もそんなにかかってない

笹本
なつのロケットが目標

あさり
小学生が3段式ロケットを作って人工衛星を上げるマンガ
数百万~1000万円でいかないかと

堀江
1,000万円未満でやりたい

笹本
最初はみんなでカネを出してやろうと
1人あたり100万円くらいかなと

Q 目標はやはり有人ロケットか

A 堀江
目標は有人

笹本
目標の1つであって将来的には宇宙征服を
有人飛行だけだったら30億円払って行けばいいでしょ

堀江
笹本さんは30億円も持ってないでしょ
それに1回行ったら終わりじゃない

笹本
世の中を変えたいと思っている

堀江
今までの世界で
人間を安く打上げようと考えて作られたロケットはない

結論としては
僕らが作っている格安なエンジンで上げられるようにしようと

笹本
今のロケットがF1だとすると我々が作ろうとしているのはスーパーカブ

松浦
この考え方はシャトルの頃からあったが
周辺技術がなかなかなかった
今になればできるかなと

堀江
当分この事業はお金にならない
10~20年スパンでお金を続けられないといけない
道楽だからと言えるくらいでないと

参加したいと思った人は自分で工作したりして
スキルをためて欲しい

松浦
作ってみたいと思った人は
今のレベルだったらクルマ1台分以下
10人集まれば安く
ただし知識は必要

堀江
切磋琢磨して競争して
ある意味では協力したり

みんなで宇宙に興味あるんですと
集まって話をすることはあっても
なかなか作ることはないが
僕らは一線を越えた

一線を越える人がどんどん出てきて欲しい
「ロケット実験祭り」もできるようになればいい

あさり
ロケットを持ち寄って組みあわせるのもいいかもしれない

堀江
コラボできる仕組みも作れるといい
今度ロケットまつりにも呼んでください

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