【記事掲載】第2回科学の甲子園
マイナビニュースに記事が掲載された。
フリーランスライター・大塚実の手抜きブログ
マイナビニュースに記事が掲載された。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月27日、小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルのキュレーション作業について、定例のブリーフィングを開催した。出席者は、向井利典・JAXA技術参与と上野宗孝・JAXA/ISASミッション機器系グループ副グループ長。以下に取材メモを添付する。
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向井
この2週間の作業について説明する。
B室
自由落下法
ひっくり返してどのくらい落ちてくるか
石英皿にいくつかサンプルを採取
数は100個くらい
A室から採取した数百個は
電子顕微鏡での観察を引き続き実施中
数は岩石質と思われるのが30個くらい
初期分析の開始
1月下旬くらいからできるかどうか
決まり次第
最初の何もないのではという状況から始まって
イトカワ起源のものが同定されるところまできた
大体半年くらいでメドと
若干の遅れはあるが
大体当初の見込み通りかなと
ーーーーー
質疑応答
Q 朝日
B室からコンコンと
大きさはどのくらい
A 向井
光学顕微鏡で見れるもの
10ミクロン以上
それ以下のものがどのくらいあるか不明
Q 最大は0.1mmくらい?
A そのくらいだろう
Q B室もヘラでなぞるのか
A 後でやるとは思うが
やり方については検討したい
A室との大きな違いは
仕切り板
B室は蓋がないので仕切り板が簡単に取れる状態
Q 仕切り板はとっちゃダメ?
A 最終的には取ることになるが
A室とB室が一緒になってしまう
自由落下法をやるとA室のものも落ちてくる
すぐに取ることはない
Q 1回目と2回目を区別して管理したいのか
A その通り
Q いままでトータルで岩石質はいくつくらい
A A室で60個、B室で30個
それ以外にA室からヘラで1,500個
A室の自由落下法
数100個
その中でいま30個を採取している状況
Q 読売
A室でトントンしたら出てきた
イトカワ由来と判断したのは増えていない?
A 断定したものはない
確率は高いと思う
Q 電子顕微鏡で見たとき
何か新しい知見は
A 1,500個のは微粒子
単一の鉱物が多いが
大きいと単一でなくて複合されている
それ以上言うのは難しいが
Q 例えばこれは炭素では? というものは
A 炭素のピークが出てきたとしても
数がないので
Q 1月下旬から配れるということか
A その予定だがまだ決まっていない
決定次第お知らせする
Q 日経サイエンス
A室で30個
全部を調べたのか
それとも…
A まだ40個くらいしか調べてない
無差別にやってるわけでなくて
作業するとだんだん目が肥えている
アルミだと思うものはピックアップしていない
数百個の中の比率については
岩石質が半分か1/3くらいか
いまはそういうレベル
Q 産経
A室の60個はすべて岩石質か
A まだ調べていない
Q 初期分析
配り先は決まっていないのか
A 採取中なので
輸送する手段がそもそもどういう分析をするか
分析の種類によって輸送手段も変える
そのあたりもまだ決まってない
配り先は議論はしているが
再確認をして決めるのが
かなりギリギリになる
Q 東京新聞
試料の15%
いま90個だとすると15個くらいか
割合は
A 15%は1つのガイドラインとして作っているが
母数についての定義がない
分析する側からすると
アルミをもらってもつまらないので
明快には言えないが
全体の15%を回すとなっていたので
SEMでは分析はしてないが
可能性を見て出すことに
初期分析は何回かある
ヘラで岩石質と同定された1,500個は
出すことになるだろうがいまは操作できない
B室から今後も採取できるかもしれない
全部をSEMで分析するのはとてつもない時間がかかるので
ある程度は見込みでやるしかない
夏くらいまでにはメドを付けたい
国際AOを出さないといけない
初期分析の結果を公表しないと応募する側からすると困る
夏というのが6月なのか9月なのか分からないが
メドとしては地球に帰って1年半でAOを出すと
そのために考えると夏頃には終わっていないとまずい
Q 赤旗
初期分析の開始で新しいステージ
いまやっているキュレーションはどうなるのか
A 今後も続く
まだサンプルのごく一部
私は採取という言葉を使っているが
回収という言葉とは区別している
管理する作業まで必要
それはとてつもない時間が必要
AOまでには終わらない
その作業はこれからも続く
Q 日経サイエンス
夏くらいで初期分析が終わって
それ以降は後期分析?
言い方は
A まだそこまで考えていない
その後はどういうステージになるのか
まだ決まっていない
分析はもちろんずっと続く
どういう形になるかどうか
Q ?
サンプルキャッチャーのCT画像
画像を提供できないか
A それはホームページに出せると思う
検討する
Q 年末年始の予定は
A 普通に休むつもりw
最初日本に運び込まれてから開封までは
大気からの汚染
シールが完璧じゃない リークがある
汚染を避けるために不眠不休だった
いまは窒素中
1日2日を争う状況ではない
ー相模原
Q 青木
B室の見た目
A室と変わらなかった
前宣伝では大きな粒子が期待されていた
予想と違っていた
A あまり入ってなかったのは残念
原因についてはまだ十分検討されていない
Q 入っていたミクロンサイズの微粒子
イトカワ表面に均一にあるものか
A 多分そうだと思うが
一様かどうかは分からない
Q 今回得られたものは
宇宙風化があるのかどうか
A 初期分析で調べることになっている
Q どういう操作で調べるのか
A 上野
どの部分から採取したかという詳しい情報はない
まだなんとも言えない
Q 1回目のタッチダウンで不時着
あまり入ってなかったのは
予想よりも表面が固かったのか
A 向井
なんとも言えない
Q B室の採取の手順
A室と同じようになるのか
A 方法としては
静電マニピュレータ
ヘラ
自由落下法
の組み合わせになる
仕切り板を取り外すので
そうなるともっと採取しやすくなるかも
それは今後の問題
Q 今後仕切り板を外す
混ざることはあるか
A 可能性はある
仕切り板そのものも全く隙間がないわけではない
Q 混ざっても分析結果に影響は
A どこから採取したのか
区別する必要があるかもしれないと思って区別している
ある程度分析してからになると思う
同じような素性なら区別しなくてもいいかもしれないが
今は慎重にやっている
Q 手順
A B室から持ってきたものを
初期分析にまわすかどうかまだ言ってない
多分SEMでやった30個くらいからになるのでは
B室の分析はその先
初期分析は多分すると思うが未定
1月下旬から初期分析するのにB室のものを入れるのは難しい
ー東京
Q 東京新聞
粒子の数が違う
自由落下の叩き方は
A室とB室で違ったのか
A B室の叩き方はおとなしい
構造上
Q 共同
A 30個くらい岩石質が見つかっているので
初期分析の第1ラウンドとしてはいいかと
個人的には思っている
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ちょっと前の話になるのだが(5/27)、幕張であった取材のついでに、船橋港で公開されている「SHIRASE」(南極観測船の先代「しらせ」)を見てきた。忙しくて掲載がこんなに遅くなってしまったが、この公開はまだ続いているので、参考にしてもらえれば幸いだ。
私が参加したのは15:00の回(このときは1日3回だったが、夏場は暑いため、いまは14:30と17:30の2回になっている)。事前予約制になっており、以下のWEBサイトから申し込める。参加費は無料。
SHIRASEサイト
http://shirase.info/
集合はJR京葉線の新習志野駅。遅刻すると迷惑をかけることになるので時間厳守で。
駅を出て右手に国際総合水泳場があり、その前に送迎バスが止まっている。
受付を済ませると名札がもらえる。1回20名の参加で、今回も満員だった。
10分ほどで船橋港のSHIRASEへ。この場所は立入禁止になっていて、勝手には入って来れない。
タラップを登っていざ船内へ。
まずは研修室で説明を受ける。ヘルメットは任意だが、気分を盛り上げるためにもぜひ借りたい。
これは船首部分。
すぐ近くにサッポロビールの千葉工場もある。向こうの工場見学からも見えそうだ。
寝室。狭くて酔いそう。
船内の通路はかなり狭い。
階段もかなり急。なので動きやすい服装・靴がベター。
調理場。ガスは使わずに全て電気で。
こちらは乗組員(自衛隊員)用の食堂。170名が乗組員で、60人が観測隊員とのこと。
床屋か…?
自分たちで刈るらしい…
隊長の部屋らしい。
これはお風呂。浴槽も完備。
シャワーもあるぞ。銭湯みたい。
「Yureステーション」の紹介なども。
後部甲板。ここではヘリの発着ができる。
大型ヘリも2機搭載できるそうだ。
さらに上に。
そこからの眺め。かなり高い。
はるか向こうには建設中のスカイツリーも見えた。
さらに上には上部操舵所がある。氷海ではこちらを使うようだ。
外に梯子が見えるが、中に螺旋階段もあるそうだ。
操舵室。
この舵輪だけはオリジナルのものではないとのこと。
こちらはCIC。男子が萌える装備が満載。
なんともレトロなレーダー。
外から。5002は先代しらせの船体番号で、新しらせは5003。
最後には乗船記念のデータブックももらえる。
スクラップにされる寸前だった先代しらせを引き取り、「SHIRASE」として公開したのは株式会社ウェザーニューズ。普通なら、どこかのイベント会社に丸投げしそうなものだが、SHIRASEの一般公開では、船内でガイドをしているのも、清掃を行っているのも、全て同社の社員。どこか「手作り」感のあるイベントである。
当日の夜には、参加者全員で撮った記念写真もメールで送られてきた。お世話になった社員の皆さんには感謝を申し上げたい。