LNG実機型エンジン燃焼試験の動画

LNG(液化天然ガス)実機型エンジンの燃焼試験がIHI相生事業所にて実施されたが、2回目試験の動画がJAXAの以下のサイトで公開された。

輸送プログラム:エンジン燃焼試験
http://rocket.sfo.jaxa.jp/engine.html

予定では、以下のように計12回の試験を行うことになっている。1回目は6月22日(月)、2回目は6月24日(水)にそれぞれ実施された。

試験秒時(予定) 備考
1 3 初期作動確認試験
2 60 初期作動確認試験
3 150 初期作動確認試験
4 500 技術データ取得試験
5 2 技術データ取得試験
6 3 技術データ取得試験
7 60 技術データ取得試験
8 500 技術データ取得試験
9 600 技術データ取得試験
10 100 技術データ取得試験
11 100 技術データ取得試験
12 100 技術データ取得試験

また最後あたりでプレス向けの公開もあると思っているのだが、どうだろうか。見たい。

「かぐや」月に帰る

ありがとう。そしてお疲れ様。

月周回衛星「かぐや(SELENE)」が本日午前3時25分、予定通り月面に制御落下された(放っておくとどこに落下するか分からないので、燃料が尽きる前に、落としたい場所に落とすのが制御落下。今回は地球から観測できるように、表側でかつ夜の領域が選ばれた)。

「かぐや」の科学観測については、これからも成果がどんどん出てくると思うが、何にしても、低高度からのハイビジョン動画には感動した。この意義は計り知れないと思う。カメラの搭載に尽力した的川さんには本当に感謝したい。

今頃、相模原では記者会見が行われているはずだ。仕事にハマってしまい、行けなかったのが残念。

(追記)こんなイベントも開催されるようだ。
Fly me to the Moon in AKIBA
http://www.sayonara-kaguya.jp/

宇宙基本計画(案)のパブリックコメント〆切

本日が〆切だったので、急いで「宇宙基本計画(案)」の全文を読んだ。しかし全51ページは長い。ほとんど一日がかりになってしまった。

「宇宙基本計画(案)」に対する意見の募集(パブリックコメント)について
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/pc/090428/090428pc.html

「パブリックコメントなんぞ送ったところで、どうせ何も変わらないだろう」とは私も思う。しかしそれでも、送らないよりは送った方がよっぽどいい。数があれば無視しにくいだろうし、何らかの影響を与えられる可能性もある。それに、パブリックコメントを送らないということは、今後の宇宙開発について「私はそれでいいと思います」と暗に認めたようなものだ。後で批判したければ、積極的に意見を出そう。

長々と書いたので全文の掲載は控えるが、要点は以下の通り。

○気象衛星は高機能化・多機能化よりも、高信頼性を重視すべき。国民の生命にも関わるものであり、軌道上に「衛星がない」という事態は絶対に避けなければならない。運用は静止軌道上に2機が必要となるが、現行のひまわり6号/7号の体制で10年間もたせる計画は無理がある。本来ならば、きちんを予算を付けて、5年ごとに2機打上げたい。単機能化し、後継機の開発は急ぐべきだ。

○「はやぶさ」などの探査機は、シリーズ化して繰り返し探査を行うことでこそ知見が深まる。「はやぶさ」の後継機として検討されている「はやぶさ2」については、2010年度から開発を始めないと間に合わない。「研究開発を行う」ではなく、「開発を行う」と明記して欲しい。

○他国の都合に振り回されないように、日本も独自の有人輸送手段を持つべきだ。少なくとも、そのための研究開発は進めて欲しい。

○GXロケットについては、計画を一旦中止すべきと考える。すでに予算は大幅に超過し、実用化も遅れに遅れている。例え実用化されたとしても、高くて性能の悪いロケットなど、誰も使いたくない。LNG推進系は一旦研究開発に戻し、改めて実用化を検討すべきだろう。ただし、複数の打上げロケットを持つことは必要。場合によっては、次期固体ロケットの後継機での大型化も検討すべきだ。

○宇宙観光は大きな可能性を秘めている。現時点では非常に高額なため、旅行者は一部富裕層に限られているが、これが数百万円クラスにまで下がれば、大きな産業になることが予想される。民間で宇宙機を開発しているのは、多くが米国のベンチャーだが、日本に技術がないわけではない。資金面・法制面などで、民間の取り組みを支援すべき。

ほかには、二足歩行ロボット、宇宙太陽光発電、測位衛星システム、高度情報通信衛星システムなどにも少しケチを付けた。

宇宙基本計画(案)に対するパブリックコメント

松浦さんのブログに、標記の件についての呼びかけが掲載されている。

呼びかけ:宇宙基本計画にパブリックコメントを送ろう(松浦晋也のL/D)
http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2009/05/post-76db.html

恥ずかしながら、私はまだ「宇宙基本計画(案)」を読んでいない。日々の仕事に追われ、まとまった時間がなかなか取れないためだが、官僚の書いた文章というのは、ざっと読んでしまっては真意が分からない場合が多い。重箱の隅をつつくように、細かく見ていく必要があるのだ。

以前、ある省庁とメールをやりとりしたとき、「検討していきたいと考えております」などという文言が入っていたことがあった。常識的に考えれば、「じゃあ検討するんだろう」と受け止めがちだが、この文章で重要なのは、「考えております」の部分だ。文面通り受け止めれば、「考えます」と言っているに過ぎない。

このケースでは、「検討する」とは一言も言っていない。これでは、検討した結果として「実行する」ことなど、まず期待できない。官僚による文章は、一般社会のように、常識を元に、行間を読んではいけない。文面が全てなのだ。一般論として、そういった特徴があるという点には注意して欲しい。

連休に入れば少しは時間が取れるようになると思うので、私もパブリックコメントを送ろうと思う。「国民の意見は聞きましたよ」というアリバイ作りに過ぎないのでは、という疑念もあると思うが、今後の国の宇宙開発に関する方針を決める重要な計画である。少しでも多くの人に意見を出してもらえればと思う。

それにしても、いつも思うのだが、なんでこうパブリックコメントというのは、募集期間が短いんだろう。こんな重要なことなのに、たった3週間かよ。しかもトップページにも出てないし。

H-IIBロケット・CFTの2回目はまもなく

今のところ、H-IIBロケット・CFT(第1段実機型タンクステージ燃焼試験)の2回目は予定通りのようだ。種子島宇宙センターの第2射点にて、本日実施する。機体はすでに出ている。

肝心の実施予定時刻はどこにも公開されていないが、前回は午後2時だったので、適当に推測して欲しい。打上げのときのようなライブ中継はなく、10分おきに更新される定点カメラの映像を見るしかないが、運が良ければ、終わった後の煙くらい見えるかもしれない。

基本的に、ターゲットタイムは正午、1時、2時のように、ちょうどの時間になっているはずだが、この定点カメラは5分、15分、25分のように、更新のタイミングがちょっとずれている。今回の燃焼は150秒と長いので、燃焼が終わって2分半後の映像が見られるかもしれない。

しかし、今の状態を見ると、全体的にかなり白っぽい。こりゃ見えそうにない。

H-IIBロケット・CFTの2回目は延期

なぜかJAXAのサイトにプレスリリースが出ていないが(日曜だから?)、19日12:30に標記の延期が発表されている。理由は天候の悪化。20日から21日にかけて天候の悪化が予想されるので、実施日を22日に延期するとのこと。遠征組は注意されたし。

H-IIBロケット・CFTの2回目

JAXAから、実機型タンクステージ燃焼試験(CFT)の2回目の日程が発表された。4/20(月)ということで、当初の見込みよりは、やや遅れている。
http://www.jaxa.jp/press/2009/04/20090417_cft_j.html

ちなみに今回のCFTに関しては、プレス対応はない(つまり種子島宇宙センターで取材ができない)ので、これ以上の情報はこちらにも入ってこない。まぁ聞けば教えてくれると思うので、実施予定時刻くらいは後で問い合わせてみたい。

私も見に行きたいところだが、翌日に取材の予定が入っているので、今回もダメだな…。

H-IIBロケット・CFTの記事

Robot WatchにCFTについての記事を書いた。

H-IIBロケットの燃焼試験が種子島で実施
~延期は引き継ぎ不足などの人為的ミスが原因
http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/04/03/1704.html

記事を書いてから思ったのだが、今回のようなバルブのミスは、良く考えたら第1射点でも起こりえる問題ではないだろうか。今までのH-IIAの打上げでは1回もなかったミスだし、たまたま今回まで出なかったのだろうか、それとも第2射点に特有の何かがあるのだろうか。まぁ憶えていたら今度聞いてみよう。

2回目のCFTは、おそらく17日あたりになると思うが、18日に筑波宇宙センターの一般公開があるので、種子島には行けそうもない。残念。

H-IIBロケット・CFTは今日2時

再延期となっていたH-IIBロケットのCFTだが、最新の情報では、今日の14:00に実施する予定。13:00の第4回GO/NOGO判断は、すでにGOが出ている。いよいよだ。

ちなみに、極低温点検は8:30の予定だったが、作業が順調だったため、前送りで7:30に実施されている。

しかし、種子島宇宙センターのライブカメラ、更新間隔が13:05、13:15、13:25という感じなので、これでは見れんなぁ。残念。

H-IIBロケット・CFTまた中止

今度は漏水とのこと。

H-IIBロケット第1段実機型タンクステージ燃焼試験(CFT)
第1回目燃焼試験の中止について
http://www.jaxa.jp/press/2009/04/20090401_cft_j.html

しかしこの機体、燃焼試験に使っているとはいえ、実際の打上げに使うフライトモデルだ。こう何度もやり直していて、大丈夫なんだろうか。推進薬を入れてしまったのかどうか気になるが、深夜1時の第2回GO/NOGO判断ではGOが出ていたので、おそらく充填は開始していたと思われる。

もともと、CFTは予備に3回目も考えられていたので、問題なく2回で終われば、今後のスケジュールに与える影響は軽微。ただ何らかのトラブルがあり、3回目も実施することになれば、4月中に終わるかどうか微妙になってくる。そうなると少し影響も出そうだ。

4/1追記
対策が完了したので4/2に実施するとのこと

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